TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

掲載日:2013.05.27

消費税増税に向けた実務対応

第7回 緊急掲載:決算申告でミス多発!交際費等の別表加算も必要となる控除対象外消費税額等

税理士 畑中 孝介TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
税理士 畑中 孝介
「社会保障と税の一体改革」の一環として消費税の増税法案が成立しました。消費税増税に際してはさまざまな経過措置を理解することが必要になります。このコラムでは経過措置を中心に、95%ルールへの影響、そして増税で一層高まる税務リスク・税務コンプライアンスの取り組みなどとの関連について解説していきます。

 現在、平成25年3月決算法人の申告業務真っ只中ですが、消費税の95%ルール適用除外となったため、法人税の交際費等の処理において控除対象外消費税額等を加算すべきところ加算していないという“ミス”が多発していますので、今回この点にフォーカスをあてたコラムを緊急掲載いたします。

 消費税の申告では改正に気づいていても、法人税申告にまで影響することに気づかれていないことが多いようです。改正の影響は消費税にとどまらず法人税申告にも影響しますのでご注意ください。特に、交際費等に係る部分については注意が必要です。この3月決算法人の申告書チェック時においても多くのミスが見受けられています。

控除対象外消費税額等のうち、交際費等に係るものの処理

 詳細な内容については次回解説いたしますが、95%ルール適用除外となり、仕入税額控除の対象外となった仕入税額は、その発生原因が資産にかかわるもので、かつ多額の場合には、一定の期間で償却することとなります。それ以外の場合にはその年度の損金として処理ができますが、交際費等に係る部分については注意が必要となります。

 控除対象外消費税額等が資産に係るもの以外である場合については、次に掲げる方法によって損金の額又は必要経費に算入されることとなります。

 控除対象外消費税額等の全額がその事業年度の損金の額に算入されます。
 ただし、交際費等に係る控除対象外消費税額等に相当する金額は交際費等の額として、交際費等の損金不算入額を計算します。

具体的な計算方法は以下のとおりとなります。

1 税込み処理を行っている場合
控除対象外消費税額等は発生しませんので処理は不要です。
2 税抜き処理を行っている場合
  1. 一括比例配分方式を採用している場合
    "交際費等に係る消費税額×(1-消費税の課税売上割合)"を交際費等の額に含める。
  2. 個別対応方式を採用している場合
    個別対応方式では、課税仕入れ等に係る消費税額について、
    1. 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    2. 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    3. 課税売上げ・非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
    の3つに区分し仕入控除税額を計算します。

     そのため、交際費等に係る消費税額についても3つに区分し計算することとなります。

    1. については全額控除対象となるため控除対象外消費税額等は発生しません。
    2. については控除対象外となるため、全額が控除対象外消費税額等となります。
    3. については"③に係る消費税額×(1-消費税の課税売上割合)"部分が控除対象外となります。

    結果として

    ②+③×(①-消費税の課税売上割合)=控除対象外消費税額等

    となり、交際費等の額に加算が必要となります。

プロフィール

税理士 畑中孝介(はたなか たかゆき)
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
TKC企業グループ税務システム小委員会委員
TKC中央研修所税制改正プロジェクトメンバー

著書等
システム・コンサルティング事例
ホームページURL
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