2019.08.13
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25563247/東京高等裁判所 令和 1年 5月16日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第272号
中国で腎臓移植手術を受けた控訴人が、同手術後の継続治療(フォローアップ治療)を受けるため、被控訴人(国立大学法人)が開設、運営する被控訴人病院を受診したところ、診療を拒否されたことが不法行為ないし債務不履行に当たるとして、被控訴人に対し,使用者責任(民法715条)若しくは不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求又は債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)として、損害賠償金の支払等を求め、原審が控訴人の請求を棄却したため、これに不服の控訴人が控訴した事案において、本件対応の時点で、控訴人に対して緊急の診療の必要性があったとはいえないこと、通院の利便性が劣る面はあったにせよ、紹介元での診療が確実に見込まれていたし、その他の医療機関で診療を受けることも十分可能であったこと、本件申合せに基づく本件対応は、イスタンブール宣言に則っての大学病院の対応として、相応の合理性のあるものであったことが認められ、応招義務に関する医師法19条1項の規定の趣旨を十分考慮しても、被控訴人担当医師が控訴人の診療を拒否したことは、社会通念上正当として是認できるものであり、不法行為が成立するとは認められないとし、また、本件対応について、被控訴人に債務不履行責任が成立するとは認められないとし、本件控訴を棄却した事例。