2019.01.22
地位確認等、不当利得返還等反訴請求控訴事件
LEX/DB25561832/東京高等裁判所 平成30年11月 8日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第3244号
本件本訴は、一審被告会社に雇用されていた一審原告が、一審被告から懲戒解雇され退職金の支払を受けられなかったことについて、一審被告に対し、〔1〕主位的に、懲戒解雇は無効であると主張して、雇用契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び賃金の支払を、〔2〕予備的に、仮に懲戒解雇が有効であるとしても、退職金を不支給とすることは許されないと主張して、雇用契約上の退職金規程に基づき、退職金の支払を求め、本件反訴は、一審被告が、一審原告は単身赴任手当等の各種手当を不正に受給し、入居資格を有していないにもかかわらず借上社宅に居住し続けていると主張して、一審原告に対し、不当利得に基づき、利得額等の支払を求めたところ、原審が、本件本訴の主位的請求については、懲戒解雇は有効であるとして棄却し、予備的請求については、決定退職金は、給付主体がKDDI企業年金基金であり一審被告ではないとして棄却し、一時金(加算金)は、一部支払を認容し、その余を棄却し、本件反訴については、不当利得返還請求は認容し、明渡請求等は、既に明渡し済みであるとし、また賃料相当損害金等の一部を認容したため、双方が控訴した事案で、一審原告は、3年以上の期間において、一審原告と一審被告が雇用関係を継続していく前提となる信頼関係を回復困難な程に毀損する背信行為を複数回にわたり行い、著しく信義に反する行為に当たるといわざるを得ないから、一時金を全額不支給とすることに合理性があるなどとして、一部支払を命じた原判決部分を取り消し、一審原告の控訴を棄却した事例。