2019.10.08
詐欺(予備的訴因窃盗)、窃盗被告事件
LEX/DB25563868/京都地方裁判所 令和 1年 5月 7日 判決 (第一審)/平成30年(わ)第1122号 等
被告人が、共犯者らと共謀の上、警察官になりすましてキャッシュカードをだまし取ろうと考え、氏名不詳者が、被害者に対し、電話で、警察官を名乗り、金融機関の口座から現金が不正に引き出されているので被害者方を訪れる警察官にキャッシュカードを渡してほしいなどとうそを言い、被告人が、被害者方の玄関で、被害者に対し、警察官を装い、捜査協力の必要から、持参した封筒にキャッシュカード2枚を入れた上で、同玄関に同封筒を置いたまま、同封筒を封かんするのりを取りに行くよう求め、同人にその旨誤信させ、キャッシュカード2枚を封筒に入れさせた後、これをその場に残置したまま立ち去らせて同封筒を被告人の自由な支配領域内に置かせた上で、同キャッシュカード2枚を領得してその交付を受け、人を欺いて財物を交付させたとして起訴された事案で、本件は、端的にいえば被害者による財物の交付が一度もなく、欺いて被害者の注意を逸らし、その間に、財物の占有を取得する場合に当たるとみるのが自然であり、詐欺罪ではなく窃盗罪が成立すると認定し、被告人を懲役3年、執行猶予4年に処した事例。