注目の判例

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2020.04.07
地方自治法251条の5に基づく違法な国の関与(裁決)の取消請求事件 new
LEX/DB25570827/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 3月26日 判決 (上告審)/令和1年(行ヒ)第367号
沖縄防衛局は、沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の代替施設を同県名護市辺野古沿岸域に設置するための公有水面の埋立てにつき同県知事から公有水面埋立法42条1項の承認(本件埋立承認)を受けていたが、事後に判明した事情等を理由として本件埋立承認が取り消されたことから、これを不服として被上告人に対し行政不服審査法に基づく審査請求をしたところ、被上告人は、本件埋立承認取消しを取り消す旨の裁決をしたことで、上告人が、本件裁決は違法な「国の関与」に当たると主張して、地方自治法251条の5第1項に基づき、被上告人を相手に、本件裁決の取消しを求めた上告審において、本件本件埋立承認取消しについて、これと別異に解すべき理由は見当たらず、本件埋立承認取消しにつき、国の機関である沖縄防衛局がその「固有の資格」において相手方となったものということはできないとし、本件埋立承認取消しは沖縄防衛局が行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」において相手方となった処分とはいえないとした原審の判断は、是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2020.04.07
損害賠償請求事件 new
LEX/DB25570799/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 3月24日 判決 (上告審)/平成30年(受)第388号
本件家屋を所有し、その固定資産税及び都市計画税を納付してきた上告人が、本件家屋の建築当初である昭和58年に行われた本件家屋の評価等に誤りがあったことから、その後の各年度において過大な固定資産税等が課されたなどと主張して、被上告人に対し、固定資産税等の過納金及び弁護士費用相当額等の損害賠償を求め、原審が、除斥期間の起算点である「不法行為の時」は、昭和58年の建築当初の評価行為及び価格決定時であり、遅くとも同年6月30日の価格決定時としたため、上告人が上告した事案で、家屋の評価の誤りに基づき、ある年度の固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権の除斥期間は、当該年度の固定資産税等に係る賦課決定がされ所有者に納税通知書が交付された時から進行するものであるとし、本件家屋の新築部分の評価の誤りに基づき本件各年度の固定資産税等の税額が過大に決定されたことを理由とする上告人の被上告人に対する損害賠償請求権については、年度ごとに、当該年度の納税通知書が上告人に交付された時から除斥期間が進行することとなるところ、本件各年度における納税通知書の交付の具体的な時点はいずれも明らかでないが、本件訴訟が提起された平成25年1月27日の時点で20年を経過していなかったものがあると考えられる。よって、これと異なる見解の下に、本件各年度の固定資産税等の過納金及び弁護士費用相当額に係る上告人の損害賠償請求をいずれも棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中これに関する部分を破棄し、損害賠償請求権に関し、それぞれ除斥期間が経過したか否か、除斥期間が経過していない場合における当該年度の上告人の損害額等について更に審理を尽くさせるため、平成4年度から同20年度までの各年度の部分につき本件を原審に差し戻した事例。
2020.04.07
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出一部不許可処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件 new
LEX/DB25570801/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 3月23日 決定 (特別抗告審)/令和2年(し)第78号
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出一部不許可処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告をした事案において、本件特別抗告申立書に、申立人の記名のみがあり署名押印がいずれもないから、同申立書による本件抗告の申立ては無効と決定した事例。
2020.03.31
所得税更正処分取消等請求事件
LEX/DB25570798/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 3月24日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第422号
法人に対する株式の譲渡につき、被上告人(控訴人・原告)らが、当該譲渡に係る譲渡所得の収入金額を譲渡代金額と同額として所得税の申告をしたところ、当該代金額が所得税法59条1項2号に定める著しく低い価額の対価に当たるとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、上告人(被控訴人・被告。国)に対し、これらの各処分(更正処分については修正申告又は先行する更正処分の金額を超える部分)の取消しを求め、当該株式の当該譲渡の時における価額が争点となり、原審は、所得税基本通達59-6が定める条件の下に適用される評価通達に定められた評価方法が、取引相場のない株式の譲渡時における客観的交換価値を算定する方法として一般的な合理性を有するものであれば、これによって算定された価額は、原則として所得税法59条1項にいう「その時における価額」として適正なものと認められ、評価通達において定められた評価方法自体は一般的な合理性を有するとした上で、被上告人らの請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、原審は、本件株式の譲受人であるCが評価通達188の(3)の少数株主に該当することを理由として、本件株式につき配当還元方式により算定した額が本件株式譲渡の時における価額であるとしたものであり、この原審の判断には、所得税法59条1項の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、本件株式譲渡の時における本件株式の価額等について更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例(補足意見がある)。
2020.03.31
不動産取得税賦課決定処分取消請求事件
LEX/DB25570791/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 3月19日 判決 (上告審)/平成31年(行ヒ)第99号
堺市所在の土地を共有していたAが、同土地の共有物分割により他の共有者の持分を取得したところ、大阪府泉北府税事務所長から不動産取得税賦課決定処分を受けたことについて、被上告人(控訴人・原告。Aは原審係属中に死亡し、同人の弟である被上告人が相続により本件訴訟を承継。)が、上記の取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の規定により不動産取得税を課することができず、本件処分は違法であると主張して、上告人(被控訴人・被告。大阪府)を相手に、その取消しを求め、原審は、共有物の分割による不動産の取得に係る持分超過部分の有無及び額は、当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格によって判断すべきところ、本件処分において評価基準により本件土地1の価格を算定するに当たり、本件各土地を一画地と認定して画地計算法を適用したこと自体は評価基準に適合するとした上で、本件処分の取消請求を認容したため、上告人が上告した事案で、本件処分において、本件各土地を一画地として画地計算法を適用して算出した価格に本件土地1と本件各土地との地積比を乗ずることにより、本件土地1の価格を算定したことは、評価基準の定める評価方法に従ったものということができ、本件処分は、本件取得につき、地方税法73条の21第2項に基づき、評価基準によって本件土地1に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を算定し、これに基づいて持分超過部分に係る課税標準及び税額を算定してされたものであるところ、本件土地1の価格について、評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回る違法があるとはいえず、その客観的な交換価値としての適正な時価を上回る違法があるというべき事情もうかがわれないとし、以上と異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、本件処分の取消請求を棄却した第1審判決は正当であるとし、被上告人の控訴を棄却した事例。
2020.03.31
投稿動画削除請求事件
LEX/DB25564955/徳島地方裁判所 令和 2年 2月17日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第338号
原告会社及び原告会社の従業員である原告bが、インターネット上の動画投稿サイトに投稿された各投稿動画、動画のタイトル及び動画の紹介記事が原告らの名誉・信用を毀損するものであると主張して、同サイトを運営する被告に対し、人格権に基づき、本件各動画等の削除を求めるとともに、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、本件発信者情報の開示を求めた事案において、本件各動画等は専ら公益を図る目的のものでないことが明らかであり、かつ、被害者が重大にして回復困難な損害を被るおそれがあると認め、原告らの被告に対する本件各動画等の削除請求について認容し、発信者情報開示請求については、ユーザーネームの開示を求める部分を除く範囲の限度で一部認容した事例。
2020.03.24
性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570771/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 3月11日 決定 (特別抗告審)/令和1年(ク)第791号
性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻をしていないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定は、現に婚姻をしている者について性別の取扱いの変更を認めた場合、異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねない等の配慮に基づくものとして、合理性を欠くものとはいえないから、国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず、憲法13条、14条1項、24条に違反するものとはいえないとした上で、結婚後に女性への性別適合手術を受け、戸籍上の性別を男性から女性に変えるよう審判を申し立てた抗告人の特別抗告を棄却した事例。
2020.03.24
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、徳島県青少年健全育成条例違反、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反被告事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570757/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 3月10日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第1757号
平成29年法律第72号により刑法を改正して強制わいせつ罪等を非親告罪とした本法の経過措置として、本法により非親告罪とされた罪であって本法の施行前に犯したものについて、本法の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、本法の施行後は、告訴がなくても公訴を提起することができるとした本法附則2条2項は、憲法39条に違反しないとした事例。
2020.03.24
発信者情報開示仮処分命令申立事件
LEX/DB25564903/東京地方裁判所 令和 2年 2月20日 決定 (第一審)/令和1年(ヨ)第3933号
債権者(医療法人)が、債務者(インターネット上で、地図上に事業者の情報及び事業者に対するいわゆるクチコミ掲載の機能を有するサイトを管理、運営する法人)に対し、債務者の管理、運営するウェブサイトに何者かによる本件各投稿記事により、債権者の名誉権が侵害された旨を主張し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、各情報の仮の開示を求めた事案において、本件各投稿記事のいずれも、名誉権侵害の前提となる社会的評価の低下がないか、仮に社会的評価が低下していたとしても違法性阻却事由の存在を窺わせる事情がないことの疎明がなく、プロバイダ責任制限法4条1項1号の権利侵害の明白性の疎明がないとして、本件申立てを却下した事例。
2020.03.17
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」財産法分野 5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570748/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 3月 6日 判決 (上告審)/平成31年(受)第6号
不動産所有権移転登記の連件申請で、被上告人(原告・控訴人)が、後件申請の委任を受けた司法書士である上告人(被告・被控訴人)には、前件申請がその申請人となるべき者による申請であるか否かの調査等をしなかった注意義務違反があると主張して、上告人に対し、不法行為に基づき、3億4800万円の損害賠償金及び遅延損害金の支払を求め、原審は、被上告人の請求を、上告人に対し3億2400万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容したため、上告人が上告した事案において、上告人にとって委任者以外の第三者に当たる被上告人との関係において、上告人に正当に期待されていた役割の内容や関与の程度等の点について検討することなく、注意喚起を始めとする適切な措置をとるべき義務があったと直ちにいうことは困難であり、まして上告人において更に積極的に調査した上で代金決済の中止等を勧告する等の注意義務を被上告人に対して負っていたということはできないとして、上記の点について十分に審理することなく、直ちに上告人に司法書士としての注意義務違反があるとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人敗訴部分を破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例(意見がある)。
2020.03.17
債務確認請求本訴、求償金請求反訴事件 
「新・判例解説Watch」財産法分野 6月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
「新・判例解説Watch」労働法分野 8月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25564902/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 2月28日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1429号
本件本訴請求は、被上告人の被用者であった上告人が、被上告人の事業の執行としてトラックを運転中に起こした交通事故に関し、第三者に加えた損害を賠償したことにより被上告人に対する求償権を取得したなどと主張して、被上告人に対し、求償金等の支払を求め、原審は、上告人の本訴請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え、その損害を賠償した場合には、被用者は、損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について、使用者に対して求償することができるものと解すべきであるとしたうえで、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人の本訴請求に関する部分を破棄し、上告人が被上告人に対して求償することができる額について更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例(補足意見がある)。
2020.03.17
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 4月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25564900/広島地方裁判所尾道支部 令和 1年10月15日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第29号
被告が経営する入浴施設を利用したことにより、原告が同入浴施設に発生したレジオネラ菌感染によりレジオネラ肺炎に罹患し、その結果、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺障害を負ったとして、原告が被告に対し、主位的には不法行為、予備的に入浴施設利用契約上の安全配慮義務違反に基づく損害賠償金の支払等を求めた事案において、原告がレジオネラ肺炎罹患を原因とするPTSDを発症したとは認められないと判断したうえで、原告の請求額を減額した内容で一部認容した事例。
2020.03.10
控訴取下げの効力に関する決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25564901/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 2月25日 決定 (特別抗告審)/令和1年(し)第807号
高等裁判所が、控訴取下げを無効と認め控訴審の訴訟手続を再開・続行する旨の決定をした場合には、同決定に対しては、その決定の性質に照らして、これに不服のある者は、3日以内にその高等裁判所に異議の申立てをすることができるものと解するのが相当であるとし、原決定は、刑訴法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」に当たらないから、本件抗告は不適法であるとした事例。
2020.03.10
不正指令電磁的記録保管被告事件
「新・判例解説Watch」刑法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25564865/東京高等裁判所 令和 2年 2月 7日 判決 (控訴審)
インターネット上のウェブサイトを運営する被告人が、サイト閲覧者が使用する電子計算機の中央処理装置にその同意を得ることなく仮想通貨の取引履歴の承認作業等の演算を行わせてその演算機能を提供したことによる報酬を取得しようと考え、正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、B閲覧者が使用する電子計算機の中央処理装置に前記演算を行わせるプログラムコードが蔵置されたサーバーコンピュータに閲覧者の同意を得ることなく同電子計算機をアクセスさせ同プログラムコードを取得させて同電子計算機に前記演算を行わせる不正指令電磁的記録であるプログラムコードを、サーバーコンピュータ上のB閲覧者を構成するファイル内に蔵置して保管し、人が電子計算機を使用するに際してその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録を保管し、原審は、不正指令電磁的記録該当性が認定できないとして、被告人に対し無罪を言い渡したため、法令の解釈適用の誤りや事実誤認があるとして検察官が控訴した事案で、被告人に無罪を言い渡した原判決は、刑法168条の2第1項の解釈を誤り、事実誤認をしたものであるとして、原判決を破棄し、被告人を罰金10万円に処した事例。
2020.03.10
商標権侵害差止等請求本訴事件、虚偽事実告知・流布行為差止請求反訴事件
LEX/DB25564738/東京地方裁判所 令和 2年 1月29日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第11046号 等
「守半」の文字からなる本件商標についての商標権を有する原告が、被告に対して、被告において「守半」の文字を含む被告各標章を使用する行為は、本件商標に類似する標章を本件商標権の指定商品又はそれに類似する商品若しくは役務に使用する行為であり、商標法37条1項1号により本件商標権を侵害する行為とみなされると主張して、〔1〕被告各標章の使用の差止めを求め、〔2〕被告の容器包装・パンフレットの廃棄を求め、〔3〕対象期間を平成20年4月8日から本訴事件が提起された平成30年4月7日までの10年間として、商標権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金の支払等を求めた事案(本訴事件)、また、被告が、原告に対して、原告においてそのウェブページ上で「守半」の標章に関して本件表示を行うことは競争関係にある被告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為として不正競争防止法2条1項21号の不正競争に該当し、その侵害の停止又は予防に必要であるとして、本件表示に係る事実及び事実の告知の差止めを求めた事案(反訴事件)において、原告の本訴請求及び被告の反訴請求を、いずれも棄却した事例。
2020.03.10
非認定処分取消請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 4月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570652/東京地方裁判所 令和 1年12月16日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第316号
学校法人である原告が、原告の運営する医療専門学校について、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律2条2項に基づき、視覚障害者以外の者を対象とするあん摩マッサージ指圧師養成施設の認定の申請をしたところ、厚生労働大臣が、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があるとして、同法附則19条1項に基づき、上記認定をしない旨の処分をしたため、原告において、同項が憲法22条1項等に違反して無効であるなどとして、同処分の取消しを求めた事案において、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧者の職域を優先し、その生計の維持が著しく困難とならないようにすることを重要な公益と認め、必要かつ合理的な措置としてあはき師法附則19条1項を定める立法府の判断が、政策的・技術的な裁量の範囲を逸脱するものとはいえないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2020.03.03
原爆症認定申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25570733/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 2月25日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第215号
長崎市に投下された原子爆弾の被爆者である被上告人(原告・控訴人)が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく認定(原爆症認定)の申請をしたところ、厚生労働大臣からこれを却下する旨の処分(本件処分)を受けたため、上告人(被告・被控訴人)国を相手に、その取消し等を求め、被上告人が申請疾病である慢性甲状腺炎に対して投薬治療等を伴わない経過観察を受けていることをもって要医療性が認められるか否かが争点となった事案の上告審で、本件処分に係る申請において申請疾病とされた被上告人の慢性甲状腺炎につき、要医療性が認められるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中、被上告人に関する部分を破棄し、被上告人による本件処分の取消請求を棄却した第1審判決は正当であり、上記の部分につき被上告人の控訴を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.03.03
原爆症認定申請却下処分取消等請求事件 
LEX/DB25570734/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 2月25日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第191号
広島市に投下された原子爆弾の被爆者である被上告人(第1審原告)が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく認定(原爆症認定)の申請をしたところ、厚生労働大臣からこれを却下する旨の処分(本件処分)を受けたため、上告人(第1審被告)国を相手に、その取消し等を求め、被上告人が申請疾病である放射線白内障に対してカリーユニ点眼液の処方を伴う経過観察を受けていることをもって要医療性が認められるか否かが争点となった事案の上告審で、本件処分に係る申請において申請疾病とされた被上告人の放射線白内障につき、要医療性が認められるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中上告人敗訴部分は破棄し、同部分につき第1審判決を取消し、同部分の被上告人の請求を棄却した事例。
2020.03.03
傷害致死被告事件
LEX/DB25564820/東京地方裁判所立川支部 令和 2年 2月 7日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第1077号
被害児の父親である被告人が、自宅で、被害児(当時:生後約1か月)に対し、その頭部を揺さぶるなどの暴行を加え、蘇生後脳症の後遺症を伴う急性硬膜下血腫、脳浮腫、左眼網膜出血、多発性肋骨骨折等の傷害を負わせ、前記傷害に起因する肺炎により死亡させたとして傷害致死の罪で懲役8年を求刑された事案において、本件各傷害を個別にみれば、いずれも揺さぶる暴行のみにより生じたものであると断定することはできず、いずれの傷害についても、別の機序による医学的に合理的な説明が可能であり、被告人が被害児に揺さぶる暴行を加えた結果、本件各傷害を負ったと認めるには合理的な疑いが残ると言わざるを得ないとして、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2020.02.25
傷害被告事件 
LEX/DB25564778/大阪高等裁判所 令和 2年 2月 6日 判決 (控訴審)/平成30年(う)第387号
母親である被告人が、その実子である被害児(犯行当時:生後約1か月半)に対し、その身体を揺さぶるなどの方法により、同人の頭部に衝撃を与える暴行を加え、回復見込みのない遷延性意識障害を伴う急性硬膜下血腫等の傷害を負わせたとし、原審が、被告人を懲役3年、執行猶予5年を言い渡したため、被告人が控訴した事案において、訴訟記録及び原審で取り調べた証拠に基づく調査の結果から考察しても、また、当審における事実取調べの結果を併せた検討結果から考察してみても、公訴事実にいうとおりの、被害児の身体を揺さぶるなどの方法によりその頭部に衝撃を与える暴行が加えられた事実を認定することはできず、その暴行を被告人が加えたとの事実を認定することはできないのに、これらを認めて有罪の結論を示した原判決の事実認定は、論理則、経験則等に照らし不合理なものといわざるを得ず、是認することができないとし、原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例。