2025.02.18
第二次世界大戦戦没者合祀絶止等請求事件
★「新・判例解説Watch」憲法分野 令和7年4月上旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25574001/最高裁判所第二小法廷 令和 7年 1月17日 判決(上告審)/令和6年(受)第275号
靖國神社は、被上告人(被告・被控訴人)・国から第二次世界大戦で戦没した軍人及び軍属の氏名等の情報の提供を受け、それらの者を合祀していたところ、大韓民国の国籍を有する上告人(原告・控訴人)らが、被上告人に対し、被上告人が、上告人らの了承を得ずに、靖國神社に上告人らの各父親の情報をも提供した行為は違法であるなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料の支払等を求め、第一審が請求をいずれも棄却した事件の上告審の事案で、上告人らの請求に係る損害賠償請求権については、平成29年法律第44号による改正前の民法724条後段の除斥期間が経過していることが明らかであり、そして、原審が適法に確定した事実及び上告人らの主張を精査しても、被上告人が上記除斥期間の主張をすることが、信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断するに足りる事情があるとはうかがわれないから、本件情報提供行為に係る上告人らの損害賠償請求を棄却すべきものとした原審の結論は是認することができ、論旨は、原判決の結論に影響を及ぼさない事項についての違法をいうに帰着し、採用することができないとして、本件上告を棄却した事例(原判決を破棄して事件を原裁判所に差し戻す旨の反対意見あり)。