2024.11.05
間接強制決定及び同申立一部却下決定に対する執行抗告事件
★「新・判例解説Watch」民法(家族法) 令和7年1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25620965/東京高等裁判所 令和 5年 1月17日 決定 (抗告審(執行抗告))/令和4年(ラ)第984号
相手方及び抗告人は、元夫婦であり、当事者間の長女及び二女である未成年者らについて、平成30年3月23日、相手方が未成年者らと面会交流することを妨害してはならない旨審判されたが、これに対して相手方が即時抗告をし、東京高等裁判所は、抗告人は相手方に対し、相手方と未成年者らを面会交流させなければならない旨の決定をし、確定したことから、相手方と抗告人は、本件決定で定められた面会交流について実施してきたが、相手方が、本件決定で定められた面会交流の時間に不足する場合や特別の日の面会交流が実施されなかった場合が生じているとして、間接強制決定を求めたところ、原審が、今後も抗告人の義務が完全に履行されないおそれがあるということができるとし、なお、債務の不履行に際して債務者が支払うべき金額は、不履行1回につき3万円と定めるのが相当であるとして、債権者の申立てを一部認容したことから、抗告人が執行抗告した事案で、平成30年決定が命じていた相手方と未成年者らとの面会交流の実施等のうち令和4年9月16日以降の実施等に係る部分については、令和4年決定の確定により失効したことが明らかであるから、抗告人は、もはや平成30年決定の上記部分を債務名義とする強制執行(間接強制)を求めることはできず、本件申立てのうち、令和4年9月16日以降の面会交流の実施等を求める部分については、不適法であるから取り消すべきであるとしたうえで、抗告人による義務の履行状況は、平成30年決定の内容に照らしその本旨に従ったものであるといえないというべきであり、相手方が、抗告人に対し、強制金の心理的強制の下に、平成30年決定に基づく面会交流の実施を求めることが過酷な執行に当たるとはいえず、本件申立てが権利の濫用に当たるとは認められないとして、原決定を一部取り消す一方、抗告人のその余の抗告を棄却した事例。