2024.11.12
通知処分取消請求事件
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LEX/DB25620754/名古屋地方裁判所 令和 6年 7月18日 判決 (第一審)/令和4年(行ウ)第67号
社会福祉法人である原告が、本件各課税期間の消費税等に係る確定申告について、原告が提供する本件各福祉サービスを利用して生産活動に従事する利用者に対し支払った本件工賃を消費税法上の課税仕入れに係る支払対価の額に計上すべきであるとして、本件各更正の請求をしたところ、処分行政庁から、更正をすべき理由がない旨の本件各通知処分を受けたことから、被告(国)を相手として、本件各通知処分の取消しを求めた事案で、原告は、本件各福祉サービスの一環として、本件各事業所の利用者に対し、工賃支払を含む生産活動の機会を提供しているものであって、本件工賃は生産活動による成果物の販売代金に転嫁可能な程度に生産活動への従事と結びついているとはいえないから、本件工賃の支払が利用者による役務の提供に対する反対給付であるとは認められず、本件工賃の支払は、生産活動への従事に伴う役務の提供を受けたことに対応しているとはいえないから、本件工賃が消費税法30条1項に規定する課税仕入れに係る支払対価に該当すると認めることはできず、本件各通知処分はいずれも適法であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2024.11.05
相続税更正処分等取消請求控訴事件
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LEX/DB25620971/東京高等裁判所 令和 6年 8月28日 判決 (控訴審)/令和6年(行コ)第36号
被相続人f(本件被相続人)の相続人である被控訴人(原告)らが、本件被相続人からの相続(本件相続)により取得した財産の価額を国税庁長官による当時の財産評価基本通達(評価通達)の定める方法により評価して本件相続に係る相続税の申告をしたところ、仙台北税務署長(処分行政庁)から、本件相続に係る財産のうち、被相続人の経営していた株式会社gの株式の価額について、評価通達の定めにより評価することが著しく不適当と認められるなどとして、本件相続税の各更正処分及びこれに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたことから、これらを不服として、本件各更正処分等の取消しを求め、原審が被控訴人らの請求を認容したところ、控訴人(被告)・国が控訴した事案で、当裁判所の判断は、一部補正するほかは、原判決に記載のとおりであるとしたうえで、当審における控訴人の主張のうち、評価通達6の適用にあたり、租税回避行為があることは要件とならないとする点については、当裁判所はそのような要件が存するものと説示しているものではないから、同主張に対する判断の必要はないなどとし、被控訴人らの請求を認容した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2024.09.03
法人税更正処分等取消請求事件
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LEX/DB25573661/最高裁判所第一小法廷 令和 6年 7月18日 判決 (上告審)/令和4年(行ヒ)第373号
連結納税の承認を受けた内国法人である被上告人(第一審原告、控訴審控訴人)が、法人税及び地方法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、英領バミューダ諸島において設立された被上告人の子会社が非関連者である保険会社との間で締結した再保険契約に係る収入保険料は、租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前)39条の117第8項5号括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に該当せず、外国子会社合算税制の適用除外要件のうちいわゆる非関連者基準を満たさないなどとして、本件法人税再更正処分及び本件地方法人税再更正処分並びに本件法人税当初賦課決定処分及び本件地方法人税当初賦課決定各処分をしたため、上告人(第一審被告、控訴審被控訴人)国に対し、各処分について控訴人主張額を超える各部分の取消しを求め、第一審が被上告人の請求をいずれも棄却したところ、被上告人が控訴し、控訴審が第一審判決を取り消し、被上告人の請求をいずれも認容したことから、上告人が上告した事案で、本件元受保険契約の実質に照らせば、本件再保険契約に係る保険は、本件NGRE事業年度におけるNGREに係る関連者に当たるNRFMが有する資産である本件クレジット債権に係る経済的不利益を担保するものであるということができるから、上記保険は、本件括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」には当たらず、NGREは本件NGRE事業年度において非関連者基準を満たさないから、措置法68条の90第1項の適用が除外されることとはならないところ、原審の上記判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄するとともに、被上告人の控訴を棄却した事例。
2024.07.16
所得税更正処分取消等請求控訴事件
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LEX/DB25620054/東京高等裁判所 令和 6年 1月25日 判決 (控訴審)/令和5年(行コ)第105号
亡Eの相続人である1審原告らは、亡Eの本件銀行に対する債務を相続し、その後、同債務について亡Eと本件銀行との間で成立していた一定額の分割金を支払った場合には残部について債務免除をするとの裁判上の和解に基づき、本件銀行から上記債務の分割金支払後の残部(本件債務)について免除を受けたが、その免除益に関する所得を申告せずに平成28年分の確定申告を行ったところ、本件債務の免除によって得た利益は一時所得に係る総収入金額に当たり、そこから所定の方法で算出した一定の金額を総所得金額に算入すべきであるとして、処分行政庁から所得税及び復興特別所得税の更正及びこれに伴う過少申告加算税の賦課決定を受けたことから、1審原告らが、1審被告・国に対し、本件各処分の違法を主張して、その取消しを求め、原審が、1審原告らの請求のうち、原判決記載の課税標準及び税額を超える部分についてのみ本件各処分を取り消し、その余を棄却したところ、1審原告ら及び1審被告が、それぞれ控訴した事案で、本件債務免除益は、被相続人の亡Eから1審原告らが承継した本件銀行に対する債務であって、本件和解の約定により免除を受ける可能性が極めて高いことから相続税の修正申告の際の課税価格の算定にあたって相続税法14条1項の「確実と認められるもの」に当たらないとして相続財産から控除されなかった本件債務が、その後に本件和解の約定に基づき本件銀行により免除された場合における債務免除に係る1審原告らの利益であるといえ、そして、本件においては、特段の事情は見当たらないから、本件債務免除益に所得税の課税をすることは、所得税法9条1項16号に反して許されず、本件各処分は、取り消されるべきであって、1審原告らの請求は理由があるから、これを全部認容すべきであるとして、1審原告らの控訴に基づき、原判決を変更し、1審被告の控訴を棄却した事例。
2024.06.04
法人税青色申告承認取消処分取消請求事件
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LEX/DB25573500/最高裁判所第三小法廷 令和 6年 5月 7日 判決 (上告審)/令和5年(行ツ)第334号
上告代理人の上告理由のうち憲法31条違反をいう部分について、税務署長が上告人に対してした、上告人の平成30年7月1日から令和元年6月30日までの事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分(本件処分)につき、事前に防御の機会が与えられなかったことをもって、本件処分が違憲であるとの論旨で、法人税法127条1項の規定による青色申告の承認の取消処分については、その処分により制限を受ける権利利益の内容、性質等に照らし、その相手方に事前に防御の機会が与えられなかったからといって、憲法31条の法意に反するものとはいえないなどとして、本件上告を棄却した事例(反対意見、補足意見がある)。
2024.05.07
消費税等更正処分等取消請求事件
LEX/DB25598781/広島地方裁判所 令和 6年 1月10日 判決 (第一審)/令和5年(行ウ)第3号
パチンコ店を営む原告は、本件課税期間(平成31年1月1日から令和元年12月31日までの課税期間)の消費税及び地方消費税に係る確定申告をする際、B社から受け取った2億円(本件金銭)は、原告がC社との賃貸借契約を解除し、目的不動産から退去撤退することに伴い支払われた損失補償金であるとして、本件金銭を課税標準額に含めなかったことに対し、処分行政庁は、本件金銭は、原告の賃借人としての地位をB社に譲渡したことへの対価であり、消費税法2条1項9号の「課税資産の譲渡等」の対価の額に該当するとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行ったため、原告が、被告(国)に対して本件各処分の取消しを求めた事案において、本件金銭は、本件原契約上の地位という資産が消滅することに対する対価として支払われたものといえ、「資産の譲渡等」の対価とはいえないと判示し、本件更正処分によって新たに納付すべき税額は存在しないこととなるから、本件賦課決定処分は、課税要件を欠く違法なものであるとして、原告の請求を認容した事例。
2023.12.05
法人税更正処分等取消請求事件
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LEX/DB25573132/最高裁判所第二小法廷 令和 5年11月 6日 判決 (上告審)/令和4年(行ヒ)第228号 等
内国法人である被上告人(原告・控訴人。都市銀行)は、平成27年度の本件事業年度に係る法人税及び地方法人税の申告をしたところ、処分行政庁から、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)66条の6第1項の規定により、ケイマン諸島において設立された被上告人の子会社の課税対象金額に相当する金額が、被上告人の本件事業年度の所得金額の計算上、益金の額に算入されるなどとして、法人税等の各増額更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を受け、また、被上告人は、本件事業年度の法人税等について更正の請求をしたが、処分行政庁から、更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けた。本件は、被上告人が、上告人(被告・被控訴人。国)を相手に、上記各増額更正処分の一部及び上記各賦課決定処分並びに本件各通知処分の取消しを求めた事案の上告審において、増額更正処分後に国税通則法23条1項の規定による更正の請求をし、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた者は、当該通知処分の取消しを求める訴えの利益を有するとし、被上告人は、本件各通知処分の取消しを求める訴えの利益を有するものということができるから、これと異なる原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原判決主文第1項から第3項までを破棄した事例(補足意見がある)。
2023.03.22
消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572659/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 6日 判決 (上告審)/令和4年(行ヒ)第10号
不動産の売買等を目的とする株式会社である上告人(原告・被控訴人)が、本件各課税期間において、転売目的で、全部又は一部が住宅として賃貸されている建物の購入(本件各課税仕入れ)をし、これに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除して消費税及び地方消費税の確定申告をしたところ、麹町税務署長から、その全額を控除することはできないとして本件各更正処分及び本件各賦課決定処分を受けたことから、被上告人(被告・控訴人。国)を相手に、本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求め、第1審判決は、上告人の請求を全部認容したため、被上告人が控訴し、原判決は、本件各課税仕入れは共通対応課税仕入れに区分されるべきものであり、〔2〕本件各更正処分は平等取扱原則に違反するものではなく、〔3〕本件各確定申告において消費税の申告額が過少であったことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとはいえないから、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分はいずれも適法であるとして、第1審判決を取消し、上告人の請求をいずれも棄却したため、上告人が上告した事案で、本件各課税仕入れに係る控除対象仕入税額は、本件各課税仕入れに係る消費税額の全額ではなく、これに課税売上割合を乗じて計算した金額となるというべきであるとし、また、本件各申告において、上告人が本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとし、原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2023.03.22
消費税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572660/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 6日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第260号
不動産の買取再販売等を行う株式会社である被上告人(原告・控訴人)が、本件各課税期間において、転売目的で、全部又は一部が住宅として賃貸されている建物の購入(本件各課税仕入れ)をし、これに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除して消費税及び地方消費税の確定申告をするなどしたところ、日本橋税務署長から、その全額を控除することはできないとして本件各更正処分及び本件各賦課決定処分を受けるなどしたことから、上告人(被告・被控訴人。国)を相手に、本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消し等を求め、原判決は、本件各建物は転売まで住宅として賃貸されることが見込まれていたから、本件各課税仕入れは、個別対応方式による用途区分において共通対応課税仕入れに区分されるべきであり、本件各更正処分は適法であるなどとした上で、本件各賦課決定処分は違法であるとして、その取消請求を認容したため、上告人が上告した事案で、本件各申告において、被上告人が本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとし、これと異なる原審の判断は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、第1審判決は正当であるから、同部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。
2023.03.14
法人税更正処分等取消請求控訴事件
LEX/DB25572529/東京高等裁判所 令和 4年 9月14日 判決 (控訴審)/令和4年(行コ)第36号
連結納税の承認を受けた内国法人である控訴人(原告)が、法人税及び地方法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、英領バミューダ諸島において設立された控訴人の子会社が非関連者である保険会社との間で締結した再保険契約に係る収入保険料は、租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)39条の117第8項5号括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に該当せず、外国子会社合算税制の適用除外要件のうちいわゆる非関連者基準を満たさないなどとして、本件法人税再更正処分及び本件地方法人税再更正処分並びに本件法人税当初賦課決定処分及び本件地方法人税当初賦課決定各処分をしたため、被控訴人(被告。国)に対し各処分について、控訴人主張額を超える各部分の取消しを求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が控訴した事案で、本件再保険契約に係る収入保険料は、本件括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に当たるものとし、処分行政庁の判断は誤りであるとして、原判決を取り消し、控訴人の請求をいずれも認容した事例。
2023.01.04
法人税更正処分等取消請求控訴事件
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LEX/DB25593735/東京高等裁判所 令和 4年 8月25日 判決 (控訴審)/令和4年(行コ)第8号
宇都宮税務署長が、控訴人(原告)が支出したと主張する外注費の金額の一部は損金の額に算入することができないことなどを理由として、〔1〕《1》平成25年4月期に係る法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、《2》平成25年4月課税事業年度に係る復興特別法人税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分、〔2〕《1》平成26年4月期に係る法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、《2》平成26年4月課税事業年度に係る復興特別法人税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分、〔3〕《1》平成28年4月期に係る法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、《2》平成28年4月課税事業年度に係る地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、《3》平成28年4月課税期間に係る消費税及び地方消費税の重加算税の賦課決定処分、〔4〕法人税の青色申告承認取消処分をしたのに対し、控訴人が、被控訴人(被告。国)に対し、上記各処分である後記本件各処分(ただし、平成30年7月3日付け更正処分及び令和2年1月24日付け裁決により一部取り消されたものについては、取り消された後のもの)の各取消しを求め、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が、これを不服として控訴した事案で、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2022.12.20
相続税更正処分等取消請求控訴事件
LEX/DB25593708/東京高等裁判所 令和 3年 7月14日 判決 (第一審)
本件被相続人の相続人である控訴人らが、処分行政庁から本件被相続人の相続に係る相続税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分を受けたことから、本件各更正処分のうちこれらに先立ってされた各減額更正処分における納付すべき税額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求め、原審は、控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らが控訴した事案において、控訴人らの請求はいずれも理由がないとした原判決は正当であるとし、控訴人らの本件各控訴を棄却した事例。
2022.12.06
所得税更正処分等取消請求控訴事件
LEX/DB25593721/大阪高等裁判所 令和 4年 7月20日 判決 (控訴審)/令和3年(行コ)第64号
承継前一審原告の亡Dが、平成26年分の所得税及び復興特別所得税について、収入の計上の誤り等を理由とする更正の請求をしたところ、処分行政庁から、更正すべき理由がない旨の通知処分を受けたほか、亡Dの子である被控訴人E及び同Gを賃貸人として第三者に賃貸された亡D所有土地の賃料に係る収益は亡Dに帰属するとして、増額更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、控訴人(国)に対し、本件各処分の取消しを求め、原判決は、本件訴えのうち、〔1〕本件通知処分の取消請求に係る部分及び〔2〕本件更正処分のうち更正の請求額を超えない部分の取消請求に係る部分について、いずれも訴えの利益を欠く不適法なものであるとして却下し、〔3〕本件更正処分の取消請求のうち本件更正請求における請求額を超える部分及び本件賦課決定処分の取消請求についてはこれらを認容する判決を言い渡したところ、控訴人が敗訴部分を不服として控訴した事案で、本件各駐車場に係る平成26年2月から同年12月までの所得はいずれも亡Dに帰属するとし、亡Dの平成26年分の所得税等の総所得金額及び納付すべき税額は本件更正処分のとおりと認められるから、本件更正処分は適法であり、被控訴人らの請求はいずれも棄却するのが相当であるとして、原判決中、控訴人敗訴部分を取り消し、前記取消しにかかる被控訴人らの請求を棄却した事例。
2022.09.20
固定資産評価審査決定取消等請求事件
LEX/DB25572312/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 9月 8日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第283号
ゴルフ場の用に供されている兵庫県丹波市所在の一団の本件各土地に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、土地課税台帳に登録された本件各土地の平成30年度の価格を不服として丹波市固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の審査の決定を受けたことから、上記価格の適否に関する本件決定の判断に誤りがあるなどと主張して、被上告人を相手に、本件決定のうち上告人が適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、弁護士費用相当額等の損害賠償を求め、原審は、本件各土地の造成に当たり土工事をほとんど要しないにもかかわらず丘陵コースの平均的造成費(840円/平方メートル)を用いることは、評価基準の定める評価方法に従ったものとはいえず、本件登録価格は評価基準によって決定される価格を上回るとして、上告人の本件決定の取消請求を一部認容すべきものとしたが、上告人の損害賠償請求を棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、本件委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断には、国家賠償法1条1項の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決中、損害賠償請求に関する部分は破棄し、更に審理を尽くさせるため、同部分につき、本件を原審に差し戻すこととし、上告人のその余の上告については、上告人が上告受理申立ての理由を記載した書面を提出しないので却下した事例。
2022.08.30
更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件
LEX/DB25593010/大阪高等裁判所 令和 3年 9月29日 判決 (控訴審)/令和2年(行コ)第10号
控訴人会社が、利用契約を締結した会員に対し、商品購入代金等を決済するサービスや、商品購入代金等の決済手段の利用、金額に応じて企業ポイントを付与するサービスを提供するほか、本件会員が控訴人と提携する法人の企業ポイントプログラム会員でもある場合(双方会員)に、提携法人が付与する企業ポイントと本件ポイントとを交換するなどのサービスを提供し、本件会員が、累積したポイント数に応じて決済代金から割引を受けるなどの利益を享受することができるところ、控訴人が、本件各課税期間の消費税及び地方消費税について、提携ポイントを本件ポイントに交換した後に当該提携ポイントを付与した提携法人が控訴人に対して支払った金員を消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入したうえで確定申告をしたが、後にこれを改め、本件金員が消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないなどとして、本件各課税期間の消費税等について、国税通則法23条1項1号に基づき、更正の請求をしたのに対し、更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けたため、本件金員が消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないと主張して、前記各通知処分のうち、その各一部の取消しを求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案で、本件金員は消費税法2条1項8号にいう「対価」に該当せず、これを消費税の課税標準とすることはできないから、本件金員を本件各課税期間の消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入することはできず、本件金員が課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないこと等を理由としてした本件各更正の請求につき更正をすべき理由がない旨の各通知処分(本件各通知処分)のうち、本件金員が課税資産の譲渡等の対価の額に算入されることを理由とする部分は、違法というべきであり、取消しを免れないとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例。
2022.08.16
固定資産税賦課決定処分取消等請求事件
LEX/DB25592492/大津地方裁判所 令和 4年 4月19日 判決 (第一審)/令和2年(行ウ)第20号
一棟の区分所有に係る建物のうち、機械式立体駐車場に係る区分所有権(本件専有部分)を有する原告が、被告・大津市長がした本件専有部分に対する平成30年度の固定資産税及び都市計画税の各賦課決定には地方税法352条1項に反する違法があるとして、本件各処分のうち相当額を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、被告に対し、損害賠償金等の支払を求めた事案で、被告市長が、本件各処分をするにつき、本件専有部分の床面積を地方税法352条1項の定める方法によることなく認定し、固定資産税等の賦課をしたことは違法というべきであるが、本件各処分がされるまでの間、原告や本件建物の他の区分所有者が、本件専有部分に係る固定資産税等の賦課額について異を唱えたような事実があったと認めるには足りず、被告市長や担当職員に、国家賠償法上の違法性を基礎付けるような注意義務の懈怠があったと認めるに足りる証拠もないところ、本件各処分のうち、地方税法352条1項に定める方法で算定した固定資産税額の相当額及び都市計画税の相当額を超える部分については違法であるとして、原告の処分取消し請求をその限度で認容し、原告の被告に対する損害賠償請求を棄却した事例。
2022.06.28
法人税更正処分等取消請求控訴、同附帯控訴事件
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LEX/DB25592516/東京高等裁判所 令和 4年 3月10日 判決 (控訴審)/令和3年(行コ)第25号
被控訴人(兼附帯控訴人・原審原告)が、平成19年3月期から平成22年3月期までの各事業年度の確定申告に当たり、ポーランドにある間接子会社(本件国外関連者)との間で締結したライセンス契約の対価であるロイヤルティの額(本件対価額)を収益の額に算入して確定申告したところ、昭和税務署長(処分行政庁)が、本件対価額は租税特別措置法66条の4第2項2号ロ及び同法施行令39条の12第8項1号に定める方法により算定した独立企業間価格に満たないことを理由に、租税特別措置法66条の4第1項に定める国外関連者との取引に係る課税の特例の規定により、本件国外関連取引が独立企業間価格で行われたものとみなされるとし、被控訴人の本件各事業年度の所得金額に独立企業間価格と本件対価額との差額を加算すべきであるとして、法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたことから、被控訴人が、控訴人(兼附帯被控訴人・原審被告。国)に対し、これらの処分の全部又は一部の取消しを求めたところ、原審は、本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定において残余利益分割法を適用するに当たり、〔1〕控訴人の主張する基本的利益の算定は相当であるが、〔2〕残余利益の分割については、重要な無形資産の開発に係る被控訴人及び本件国外関連者の各支出額のほかに、本件国外関連取引に係る超過減価償却費を分割要因に加えて配分するのが相当であり、〔3〕これを基に本件国外関連取引に係る独立企業間価格等を計算すると、本件各事業年度のうち平成22年3月期についてのみ国外移転所得が生じることとなるなどとして、平成21年3月期に係る更正処分及び賦課決定処分については被控訴人の主張に理由があるとしてそれらの処分の全部を取り消し、平成19年3月期、平成20年3月期及び平成22年3月期に係る各更正処分及び各賦課決定処分については被控訴人の主張に一部理由があるとしてそれらの処分の各一部を取消したため、控訴人及び被控訴人は、それぞれ自己の敗訴部分を不服として控訴及び附帯控訴をした事案で、被控訴人の本件各事業年度における納付すべき法人税額及び過少申告加算税額は、本件各処分のうちこれらを超える各部分は違法であるから、被控訴人に対する本件各処分はこの限度で取り消すべきところ、これと同旨の原判決は相当であるとして、本件控訴及び本件附帯控訴らを棄却した事例。
2022.05.10
法人税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572104/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 4月21日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第303号
被上告人(原告・被控訴人)は、平成20年12月期(平成20年10月7日から同年12月31日までの事業年度)及び平成21年12月期(平成21年1月1日から同年12月31日までの事業年度から平成24年12月期までの各事業年度に係る法人税の確定申告において、被上告人と同じ企業グループに属するUMIFからの金銭の借入れに係る支払利息の額を損金の額に算入したところ、麻布税務署長は、同族会社等の行為又は計算の否認に関する規定である法人税法132条1項を適用し、上記の損金算入の原因となる行為を否認して被上告人の所得の金額につき本件支払利息の額に相当する金額を加算し、本件各事業年度に係る法人税の各更正処分及び平成20年12月期を除く本件各事業年度に係る過少申告加算税の各賦課決定処分に対し、被上告人が、上告人(被告・控訴人。国)を相手に、本件各処分(上記各更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求め、第1審判決は、本件各処分を取り消したことで、上告人が控訴し、原判決も控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件借入れは、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものとはいえず、本件借入れは、法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないとし、原審の判断は正当として是認することできるとして、本件上告を棄却した事例。
2022.05.06
相続税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572099/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 4月19日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第283号
共同相続人である上告人らが、相続財産である不動産の一部について、財産評価基本通達の定める方法により価額を評価して相続税の申告をしたところ、札幌南税務署長から、当該不動産の価額は評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められるから別途実施した鑑定による評価額をもって評価すべきであるとして、それぞれ更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、被上告人(国)を相手に、これらの取消しを求め、第1審判決、原判決とも、請求を棄却したため、上告人らが上告した事案で、本件各不動産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできないとし、本件各更正処分において、札幌南税務署長が本件相続に係る相続税の課税価格に算入される本件各不動産の価額を本件各鑑定評価額に基づき評価したことは適法であり、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2022.04.05
不動産取得税賦課処分取消請求事件
LEX/DB25572039/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 3月22日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第62号
上告人が、被上告人を相手に、都税事務所長がした本件不動産取得税の賦課処分の取消しを求めた事案の上告審において、上告人は、共有物の分割により、従前は持分10分の1を有していた本件各土地について、それぞれ、他の共有者から、その余の持分10分の9を取得したというのであるから、本件各取得の全部が持分超過部分の取得に当たるとし、いわゆる一括分割により不動産を取得した場合における本件各取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の括弧書きの「分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無等は、分割の対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきであるとし、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。