2026.04.07
固定資産税課税の地目変更決定等の取消請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」租税法分野 令和8年7月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
★
LEX/DB25626078/名古屋高等裁判所 令和 7年12月11日 判決(控訴審)/令和7年(行コ)第23号
本件各土地を所有する一審原告が、令和5年度の固定資産評価の際、弥富市長が本件各土地の課税地目を「雑種地」と認定したうえで登録価格を決定したことについて、弥富市長に対し、本件地目認定を不服として審査請求を2度行ったがいずれも却下されたため、弥富市固定資産評価審査委員会に対し、本件各登録価格について審査の申出をしたが、同申出から30日以内に審査決定がされず、同申出を却下する旨の決定があったものとみなされた(地方税法433条12項後段・本件審査決定)ことから、一審被告に対し、本件各裁決及び本件審査決定が違法であると主張してその各取消しを求めるとともに、本件各登録価格の決定及びこれに基づく本件各土地に係る令和5年度固定資産税の各賦課決定が違法であると主張して、国賠法1条1項に基づき50万円の損害賠償を求め、原審が、一審原告の請求のうち、〔1〕本件審査決定の取消しを求める部分、〔2〕10万円の損害賠償を求める限度でそれぞれ認容し、〔3〕その余の請求をいずれも棄却する旨の原判決をしたところ、一審原告及び一審被告の双方が控訴し、なお、一審原告が、当審において、国賠法に基づく請求を拡張した事案で、一審原告の請求のうち取消請求については、原判決と同様、本件審査決定の取消しを求める部分はこれを認容すべきであるが、本件各裁決の取消しを求める部分は理由がないからこれを棄却すべきであり、また、一審原告の請求のうち国賠請求に係る損害額は原判決と同じく10万円が相当であるが、一審被告の上記賠償債務は本件各賦課決定をした令和5年4月6日から遅滞に陥っているといえるから、それより後の日である令和6年1月13日から支払済みまでの遅延損害金の請求は上記10万円に対する請求の限度で理由があるとして、一審原告及び一審被告の本件各控訴をいずれも棄却し、一審原告の当審における拡張請求に基づき、原判決を一部変更した事例。
2026.04.07
中央新幹線工事差止等請求控訴事件

LEX/DB25625999/東京高等裁判所 令和 7年10月22日 判決(控訴審)/令和6年(ネ)第3163号
被控訴人(被告)・会社が計画する中央新幹線事業に係る中央新幹線の建設工事につき、山梨県南アルプス市内の工事区間のうち、工事禁止を求める区間の近傍に住居、農地、工場等の不動産を所有している控訴人(原告)らが、同工事計画の具体化及び進行によって、控訴人らの人格権又は財産権が侵害されるおそれがあると主張して、人格権又は財産権に基づく妨害予防請求として本件区間における工事の差止めを求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償請求として、控訴人らの各所有不動産の資産価値減少という財産的損害についての損害金(一部請求)及び工事計画の具体化等による精神的苦痛に対する慰謝料の各支払並びに遅延損害金の支払を求め、原審が、控訴人らの請求をいずれも棄却したところ、控訴人らが控訴した事案で、〔1〕被控訴人による本件工事が控訴人らの人格権ないし人格的利益を違法に侵害するものであると認めることはできず、そうでないとしても、本件区間工事によって控訴人らの権利利益が侵害される具体的な危険性があるとは認められないから、控訴人らの被控訴人に対する人格権ないし人格的利益に基づく妨害予防請求権としての差止請求には理由がなく、〔2〕控訴人らの被控訴人に対する財産権に基づく妨害予防請求権としての差止請求にも、理由がなく、〔3〕現在までの本件工事及び将来の工事計画によって違法な権利侵害が生じており、あるいは生じるおそれが現実化しているものとは言えず、これを不法行為であると認めることはできないから、控訴人らの不法行為に基づく損害賠償請求には理由がないとして、本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2026.03.31
飯塚事件第2次再審請求即時抗告棄却決定
LEX/DB25626373/福岡高等裁判所 令和 8年 2月16日 決定(抗告審(即時抗告))/令和6年(く)第97号
亡P1(事件本人)に対する死体遺棄、略取誘拐、殺人被告事件(福岡地方裁判所平成6年(わ)第1050号、第1157号)に関し、福岡地方裁判所が言い渡した有罪の確定判決に対し、事件本人の妻である請求人がした第二次再審請求事件(いわゆる飯塚事件)について、同裁判所が、新たな証言や本件報告書によって本件各調書の信用性が減殺されることはなく、事件本人とは別の人物が犯人である合理的疑いは生じないから、本件再審請求において提出された新証拠が、確定審及び第1次再審請求審において取り調べられた他の証拠の証明力に影響することはなく、情況事実の総合評価の結論を左右することもなく、事件本人が犯人であることについて合理的な疑いを超えた高度の立証がなされているという結論は揺らがないから、本件再審請求において提出された新証拠は、いずれも明白性が認められないとして、再審請求を棄却する決定をしたところ、これに対し、請求人が即時抗告を申し立てた事案で、Aの新供述の明白性に関する主張について、弁護人の主張に鑑み検討を加えても、Aの新供述の信用性に関する原判断に不合理な点はないなどとし、申立人が提出した証拠の新規性又は明白性を否定し、刑訴法435条6号の事由はないとして本件再審請求を棄却した原審の手続に違法はなく、その判断は不合理でないから、原決定は正当として是認でき、本件即時抗告には理由がなく、なお、即時抗告申立期間経過後に新たに追加された主張を踏まえて検討してみても、この結論は変わらないとして、本件即時抗告を棄却した事例。