2026.05.26
難民不認定処分取消等請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」国際公法分野 令和8年7月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25628234/東京高等裁判所 令和 8年 4月15日 判決(控訴審)/令和7年(行コ)第229号
カメルーン共和国の国籍を有する外国人である被控訴人(原告)は、英語圏カメルーンの自由及び自立・独立を求める政治組織であるcの構成員であることを理由に迫害を受けるおそれがあるなどとして、令和5年法律第56号による改正前の出入国管理及び難民認定法61条の2第1項の規定に基づき難民認定の申請をしたところ、法務大臣から難民の認定をしない処分を受けたため、被控訴人は、本件不認定処分について審査請求をしたが、法務大臣から、本件審査請求を棄却する旨の裁決を受けたことから、被控訴人が、控訴人(被告)・国に対し、本件不認定処分の取消しを求めるとともに、難民の認定の義務付けを求め、原審が被控訴人の請求をいずれも認容したところ、控訴人が控訴した事案で、cの末端構成員に過ぎない被控訴人についてカメルーン政府当局から拷問を伴う身体拘束その他の人権の重大な侵害の危険があることを否定することはできず、そのほか、控訴人が当審において種々主張する点を検討しても、上記認定判断を左右するものは見当たらないから、被控訴人は本件不認定処分時において難民に該当すると認められるから本件不認定処分は違法であって取り消されるべきであり、本件義務付け請求は適法であって本件口頭弁論終結時においても難民に該当すると認められるから認容されるべきものであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2026.05.26
出入国管理及び難民認定法違反、私電磁的記録不正作出・同供用、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反被告事件
★「新・判例解説Watch」刑法分野 令和8年5月15日解説記事が掲載されました
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LEX/DB25628232/名古屋地方裁判所 令和 8年 2月 6日 判決(第一審)/令和6年(わ)第2474号
「B」の名称で店舗型性風俗特殊営業を営む株式会社A(分離前相被告会社)の取締役であった被告人が、風俗店「C」ほか1店舗のオーナーがDに変更されたように装おうと考え、株式会社Eの事務処理を誤らせる目的で、前記Dの代理人になりすまして、携帯電話機のメッセージ送受信機能を利用して、同社従業員Fの携帯電話機に、不正に作成されたD名義の在留カードの画像データを送信するなどして風俗店「C」ほか1店舗のオーナー変更の申込みをし、情を知らない前記Fに、電気通信回線を介して、前記株式会社Eが電子契約サービスを委託しているG株式会社の電子契約サービスの申込書フォームに不正に作成された前記在留カードの画像データを送信させるとともに、風俗店「C」ほか1店舗の代表者名欄に「D」等と虚偽の情報を入力させたうえ、被告人が、携帯電話機を使用して、電気通信回線を介して前記申込書フォームの記名欄に「a」と入力するなどして、前記株式会社Eの顧客管理の事務処理の用に供する前記G株式会社が管理するサーバコンピュータに、前記Dを風俗店「C」ほか1店舗のオーナーとする契約者情報を記録させ、もって人の事務処理の用に供する事実証明に関する電磁的記録を不正に作出したうえ、これを人の事務処理の用に供したなどとして、出入国管理及び難民認定法違反、私電磁的記録不正作出・同供用、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の罪で、懲役2年及び罰金50万円を求刑された事案で、本件電磁的記録は同社の意思に反し不正に作出・供用されたものであることが明らかであるから、判示のとおりの私電磁的記録不正作出・同供用罪が成立するとしたうえで、一連の犯行は、不正な利益と自己保身のために法を軽視したものとして、厳しい非難を免れないが、被告人に前科はなく事実関係自体は認めていること、同居の夫が出廷して被告人の監督を誓約していること、すでに店舗を明け渡し、会社について清算する予定であることなど、酌むべき事情も認められるとして、被告人を懲役2年及び罰金50万円に処し、4年間その懲役刑の執行を猶予した事例。
2026.05.19
勾留の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25574905/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 4月 1日 決定(特別抗告審)/令和8年(し)第235号
申立人は、「令和6年2月23日頃から同年3月8日頃までの間に、Aに対し、自己名義の普通預金口座に係るキャッシュカード1枚を譲り渡した」旨の被疑事実により、令和8年2月6日から同月25日まで、勾留されていたが、検察官は、同月25日、申立人を「令和6年3月下旬頃、Aに対し、前記キャッシュカード1枚を交付した」旨の公訴事実により福岡地方裁判所に起訴するとともに、裁判官に対し、本件公訴事実につき勾留状発付の職権発動を求め、先行勾留に係る勾留状の欄外に「令和8年2月25日釈放」と記載して押印し、裁判官に差し出したところ、裁判官は、同日、理由を示すことなく、職権を発動しないとの判断をし、検察官には、勾留状が発せられなかった旨が通知されたが、しかし、検察官は、勾留状が発せられなかった理由を確認することなく、先行勾留に係る被疑事実と本件公訴事実との同一性が認められたと理解し、申立人の身柄拘束を続け、同月26日、職権を発動しないとの前記判断は、先行勾留に係る被疑事実と本件公訴事実との同一性を認めず、本件公訴事実に係る勾留もしないという趣旨であると聞き、釈放指揮を行い、申立人は、同日午後8時6分頃に釈放され、検察官が、同日、改めて勾留状発付の職権発動を求めたところ、前記裁判官とは別の裁判官は、本件公訴事実について本件勾留状を発付し、同日午後10時30分に執行されたことから、申立人が勾留の裁判に対する準抗告をしたが棄却決定を受けたため、これに対し特別抗告をした事案で、検察官が、本件公訴事実に係る勾留状が発せられなかった旨の通知を受けた後、その理由を確認することなく、身柄拘束を継続したことは違法というべきであるが、もっとも、職権発動をしなかった裁判官からその理由が示されていないため、先行勾留に係る被疑事実と本件公訴事実には同一性が認められたと検察官が理解したことが直ちに誤りとはいい難く、検察官において勾留に関する諸規定を潜脱しようとしたものとは認められないから、前記の違法は、裁判官がした本件勾留の効力に影響を及ぼすものとはいえないとして、本件抗告を棄却した事例。