2025.09.30
懲戒免職処分取消等、懲戒処分取消請求事件
LEX/DB25574509/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 9月 2日 判決(上告審)/令和6年(行ヒ)第241号
糸島市消防本部の職員であった第一審原告B及び第一審原告Cが、他の職員に対するハラスメント行為を行ったことなどを理由として、処分行政庁により、Cについては懲戒免職処分を、Bについては戒告の懲戒処分を受けたところ、第一審被告糸島市に対し、各処分の取消しを求めるとともに、Cが、第一審被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、本件免職とこれに関する情報流出による慰謝料等の支払を求め、第一審がBの請求を棄却し、Cの請求のうち、本件免職の取消し並びに慰謝料100万円等の支払を求める限度で認容したところ、Bが控訴し、第一審被告がCの請求を全部棄却するよう求めて控訴し、Cが附帯控訴し、控訴審が、Bの請求を棄却した原判決は相当であるから、同人の控訴を棄却し、Cの請求は、本件免職の取消し並びに慰謝料等110万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして、原判決を変更し、第一審被告の控訴を棄却したことから、第一審被告が上告した事案で、本件各行為は、部下に対する言動として極めて不適切なものであり、長期間、多数回にわたり繰り返されたものであることにも照らせば、その非違の程度は極めて重いというべきであり、被上告人には本件処分以外に懲戒処分歴がないこと等の事情があり、免職処分が公務員の地位の喪失という重大な結果を生じさせるものであることを踏まえても、被上告人に対する処分として免職を選択した消防長の判断が、社会観念上著しく妥当を欠くものであるとはいえず、懲戒権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできず、本件処分が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断には、懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法があるというべきであるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、第1審判決中上告人敗訴部分を取り消すとともに、被上告人の請求をいずれも棄却し、被上告人の附帯控訴を棄却した事例。





















