2018.07.24
国家賠償請求事件
LEX/DB25560641/東京地方裁判所 平成30年 3月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第12113号
外資系証券会社に勤務していた原告が、国である被告に対し、平成18年分及び平成19年分の所得税確定申告で、給与の収入金額として、源泉徴収票に記載された支払金額のみを申告し、株式報酬に係る収入を申告しなかったことなどから所得税法違反の罪として国税局収税官吏による告発及び検察官による起訴がされたものの第1審で無罪判決を受け、これに対し、検察官による控訴がされたものの控訴棄却判決を受け無罪判決が確定したところ、それらの〔1〕告発、〔2〕起訴及び〔3〕控訴並びに〔4〕国税局職員等による報道機関への情報漏えいが違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づき、逸失利益及び慰謝料の損害の一部である〔1〕から〔4〕までの各行為ごとの各1億2500万円の合計5億円支払等を求めた事案において、本件告発は、告発時における各種の調査資料を総合勘案して合理的な判断過程により犯則があると思料する程度の嫌疑があったということができ、また、本件起訴は、起訴時における各種の証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があったということができるから、いずれについても、国家賠償法上違法ではないなどとして、請求を棄却した事例。