2018.09.18
住居侵入、強盗致傷被告事件
LEX/DB25560107/東京高等裁判所 平成29年11月 2日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第651号
被告人が、妻の母である被害者方に押し入って、同人(当時78歳)に暴行脅迫を加えて、同人の犯行を抑圧し、同人所有又は管理の現金等を強取したなどとされた、住居侵入、強盗致傷被告事件の控訴審において、本件の証拠構造上、犯人と被告人の同一性に関する最も重要な証拠であると認められるP8鑑定の科学的原理やその理論的正当性、更に具体的な分析内容の客観性・信頼性に関する判断材料が不十分であることからすると、原審としては、P8鑑定及びP8証言の信用性を判断するために、検察官に対してその信用性に関して釈明を求めたり、必要な証拠調べを実施したりして、専門的な知見を得る必要があったというべきであるとして、原審の手続には審理不尽の違法があり、その点が判決に影響を及ぼす蓋然性があることを直ちに否定することはできないなどとして、原判決を破棄して、本件を東京地方裁判所に差し戻した事例。