2020.02.04
親子関係不存在確認事件
★「新・判例解説Watch」国際私法分野 2月中旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25580357/名古屋家庭裁判所豊橋支部 平成30年10月 2日 判決 (第一審)/平成30年(家ホ)第18号
原告が被告に対し、原告の母である原告法定代理人母は、被告と婚姻中に原告を懐胎したが、懐胎当時、母と被告が性交渉をもった可能性がなく、原告は被告の子ではないとして、原告と被告との間の親子関係が存在しないことの確認を求めた事案において、準拠法についての検討で、親子関係の成立という法律関係のうち嫡出性取得の問題を一個の独立した法律関係として規定している法の適用に関する通則法28条、29条の構造上、親子関係の成立が問題になる場合には、まず嫡出親子関係の成立についての準拠法により嫡出親子関係が成立するかどうかを見た上、そこで嫡出親子関係が否定された場合には、嫡出とされなかった子について嫡出以外の親子関係の成立の準拠法を別途見いだし、その準拠法を適用して親子関係の成立を判断すべきであるとし、本件の母(本国法:ルーマニア法)及び被告(本国法:日本法)は、日本で婚姻し、婚姻生活を送り、離婚していることから、離婚当時、婚姻の効力を規律した法律は日本法であるとし、法の適用に関する法律41条により、日本法が適用されることとなり、被告の本国法も日本法であることから、嫡出親子関係に係る準拠法は日本法となるとした上で、母と被告とは、母が原告を懐胎した頃には、事実上離婚状態にあり、また、科学的証拠により原告と交際相手eとの間に親子関係が存在することが認められるところ、翻って、原告と被告との間に親子関係が存在しないことが明らかであるから、原告は民法772条の推定を受けるものではなく、かつ、原告は、被告の子ではないことが明らかであるとし、原告と被告との間には、親子関係は存在しないとして、原告の請求を認容した事例。