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2013.09.10
殺人未遂被告事件
LEX/DB25501515 / 鹿児島地方裁判所 平成25年 7月 5日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第39号
 被告人が抵抗できない乳児(当時生後3か月)の首を両手で少なくとも1分間は絞め続けて殺そうとしたという事案であって、その犯行自体は危険なものであるが、被害者が負った怪我は全治約5日間と軽いものであったし、そもそも、被告人が、本件犯行を決意したのは、場当たり的に問題をやり過ごそうとする人格特性だけでなく、必ずしも被告人のせいとはいえないストレスによって適応障害が悪化し、意識野が狭窄していたからであり、そして、被告人は、本件犯行後、速やかに罪悪感に目覚めて自首し、被害者は早期に救助されたとして、被告人を懲役3年(執行猶予4年)に処した事例(裁判員裁判)。
2013.09.10
殺人、死体損壊、死体遺棄、器物損壊、暴行、脅迫、建造物損壊被告事件
LEX/DB25501516 / さいたま地方裁判所 平成25年 7月 5日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第1789号等
 自己中心的で身勝手な動機から被害者殺害を決意し、その方法等を入念に検討し、凶器や殺害後の解体道具等を準備し、言葉巧みに被害者を自宅内に招き入れて無防備な状態にした上、その後頭部をハンマーで複数回強打し、被害者が息絶えると、その犯行発覚を免れるなどのために、被害者の遺体を解体した上、その胴体部分を実母方敷地内の土中に埋め、その他の遺体部分も細かく粉砕し分散して捨てるなどしており、計画的で強固な殺意に基づいた残虐かつ残忍で悪質な犯行というほかないとして、被告人を懲役22年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.09.10
 
LEX/DB25501470 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 6月 6日 決定 (上告審) / 平成24年(オ)第1669号等
 一審原告補助参加人(自動車及び部分品の製造販売、不動産の賃貸等を目的とする株式会社)の株主である一審被告(上告人兼申立人)が、代表取締役である一審原告(被上告人兼相手方)の任務懈怠行為により、一審原告補助参加人に損害が生じたとして、会社法847条3項に基づき、一審原告に対して、一審原告補助参加人に同額の損害賠償及び遅延損害金の支払いを求め、一審原告が、一審被告による誹謗中傷により一審原告の名誉が毀損され、精神的苦痛を受けたとして、一審被告に対して、不法行為に基づく慰謝料等を求め、第一審が双方の請求をそれぞれ一部認容し、第二審が一審原告の控訴に基づき、原判決を一部変更した事案において、上告を棄却し、上告審として受理しない旨を決定した事例。
2013.09.10
地位確認等請求事件(アシスト事件)
LEX/DB25500473 / 東京地方裁判所 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第39263号
 原告が、被告(梱包及び解梱請負事業、労働者派遣事業などを行う会社)に対し、雇用契約及び労働基準法に基づき、(1)地位確認、(2)未払賃金並びに(3)割増賃金及び(4)これに伴う付加金の各支払を求めた事案において、本件明示の退職合意、同黙示の退職合意及び権利濫用の抗弁はいずれも理由がないとして、本件雇用契約は、なお消滅することなく存続しているところ、被告は、本件明示の退職合意等を主張して、原告が労働契約上の権利を有する地位にあることを争ったが、原告には地位確認の利益が認められ、一部認容された事例。
2013.09.03
審決取消請求事件(発明等名称:麦芽発酵飲料)
LEX/DB25445782 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月 1日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10237号
 原告が、発明の名称を「麦芽発酵飲料」とする被告の本件特許を無効とするとの審判を請求したが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、本件発明1は、A成分とB成分とを混合してなる周知の麦芽発酵飲料の当然に行われたバリエーションの一つであるとはいえないし、当業者が容易に想到し得たものともいえないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.09.03
懲戒処分無効確認等請求事件
LEX/DB25501535 / 横浜地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第5331号
 被告は、大学を運営する公立大学法人であり、原告は、同大学医学研究科に教授として勤務していたが、被告が原告に対して行った停職4か月の懲戒処分が無効であり、原告は同処分によって精神的苦痛を受け名誉を毀損されたとして、同処分が無効であることの確認を求めるとともに、被告に対し、慰謝料の支払い及び謝罪広告等の掲載を求めた事案において、原告に対する同処分が、他の教員に対する処分と比較しても著しく不合理とまではいえず、同処分を行うに当たり、被告に裁量権の逸脱濫用があったということはできず、不法行為も成立しないとして、確認請求を却下し、その余の請求を棄却した事例。
2013.09.03
危険運転致死,器物損壊被告事件
LEX/DB25445788 / 神戸地方裁判所 平成24年12月12日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第1226号等
 被告人が、飲酒の影響により前方注視及び運転操作が困難な状態で自動車を運転し、走行中、居眠り状態に陥り、道路左端の外側線付近にいた被害者2名をはね飛ばしてそれぞれ死亡させた事案において、危険運転致死罪の成立を認め、被告人を懲役14年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.09.03
窃盗,建造物侵入,危険運転致死,道路交通法違反被告事件
LEX/DB25445797 / 東京高等裁判所 平成25年 2月22日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第1991号
 被告人が、窃盗を行った後、パトカーに追跡されながら自動車を運転して片側1車線の道路を逃走し、車体の半分を反対車線に進出させた状態で走行して先行車両を追い抜こうとしたところ、自車を対向車両に衝突させた事案において、被告人には、対向車両の通行を妨害する目的があったということができるから、その目的を肯定して、被告人に刑法208条の2第2項前段の危険運転致死罪の成立を認めた原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りはないとした事例。
2013.09.03
わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
LEX/DB25445796 / 東京高等裁判所 平成25年 2月22日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第2197号
 被告人が、日本国外に設置したサーバコンピュータに記録・保存したわいせつな動画データファイルを日本国内の顧客らにダウンロードさせた事案の控訴審において、被告人の行為は刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」に当たり、被告人らは日本国内における顧客のダウンロードという行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを頒布したのであって、刑法175条1項後段の実行行為の一部が日本国内で行われていることに帰するから、被告人らの犯罪行為は、刑法1条1項にいう国内犯として処罰することができるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.09.03
運転免許更新処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25501464 / 大阪高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (控訴審) / 平成24年(行コ)第104号
 運転免許証の有効期間の更新手続(道路交通法101条1項)に際して、控訴人(一審原告)には、最高速度超過の違反行為があったとして、処分行政庁から、更新後の免許証の有効期間に関し、免許証の更新を受けた者の区分につき、同項にいう優良運転者ではなく、一般運転者に該当するものと扱われ、優良運転者である旨の記載のない運転免許証を交付されて更新処分を受けた控訴人が、違反行為を否認して、更新処分中の控訴人の区分を一般運転者とする部分の取消しを求めるとともに、被控訴人(一審被告。京都府)に対し、優良運転者である旨の記載のある運転免許証を交付することの義務付けを求め、原審が取消請求を棄却し、義務付け請求を却下した事案において、原判決を取り消し、控訴人の請求を全部認容した事例。
2013.09.03
立替金等請求事件(「ORC(オーク)200」公有地信託費用補償請求事件(大阪市))
LEX/DB25501456 / 大阪地方裁判所 平成25年 3月 7日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第4664号
 信託業務等を営む銀行である原告らが、普通地方公共団体である被告との間で、被告を委託者兼受益者、原告らを共同受託者、被告所有の本件信託土地を信託財産として締結した信託契約に関し、同信託契約の終了時に残存する債務を被告が承継することの確認を求め、信託事務の遂行のために負担した借入金を自己の固有財産をもって弁済したとして、平成18年改正前信託法36条2項本文に基づき、受益者である被告に対し、負担した費用の補償を請求した事案において、現時点において、本件確認の訴えについて判決することが、原告らの権利又はその法律上の地位に対する危険ないし不安を除去するために必要かつ適切であるとはいえないから、本件確認の訴えは、訴えの利益を欠くものといわざるを得ないとして、本件確認の訴えを不適法であるとして却下しつつ、本件給付の訴えについてはこれを認容した事例。
2013.09.03
定期検査終了証交付差止請求控訴事件
LEX/DB25501463 / 大阪高等裁判所 平成25年 6月28日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第21号
 滋賀県、京都府及び大阪府に居住する控訴人(一審原告)ら及び原審相原告9名が、電気事業法54条所定の定期検査を実施していた関西電力大飯意発電所3号機及び4号機につき、電気事業法施行規則93条の3に基づく経済産業大臣から関西電力への定期検査終了証の各交付が行政処分に当たり、違法であると主張して、被控訴人(一審被告。国)に対し、各交付の取消しを求め、原審は、各交付は行政事件訴訟法3条2項にいう処分には当たらないから、訴えは訴訟要件を欠く不適法なものであるとして却下した事案において、控訴を棄却した事例。
2013.08.27
免責許可決定に対する抗告事件
LEX/DB25501348 / 東京高等裁判所 平成25年 3月19日 決定 (抗告審) / 平成24年(ラ)第2597号
 相手方についてされた免責許可決定について、相手方の破産債権者である抗告人が、これを不服として、即時抗告を申し立てた事案において、本件においては、前件破産手続開始事件から本件破産手続開始事件の申立てに至る経緯の下で、破産裁判所は再度の破産手続開始の申立てについて不適法なものとして却下することも、不当な目的による申立てとして棄却することもせず、開始決定をし、その開始決定に対しては不服申立てもなく、確定しているところ、破産手続が適法に開始された以上、その申立てが濫用にわたるなどの特段の事情のない限り、免責許可の申立てが許されない理由はなく、本件においては、抗告人は、相手方に対し、前件破産手続開始事件において免責されなかった債務の支払を厳しく求めており、相手方が免責許可を求める必要性は高いものと認められるなどとして、本件免責許可申立ては適法であるとして、抗告を棄却した事例。
2013.08.27
審決取消請求上告事件及び審決取消請求上告受理事件
LEX/DB25501429 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 7月 5日 決定 (上告審) / 平成25年(行ツ)第124号等
 被上告人兼相手方(被告。公正取引委員会)が、上告人兼申立人(原告)ら3社を含む80社に対し、独占禁止法54条2項等に基づき、排除措置命令を含む審判をしたので、上告人兼申立人らが、被上告人兼相手方に対し、審決のうち排除措置を命ずる部分の取消しを求め、第一審が、審決が基礎とした事実については、審決が掲げる証拠により合理的に認定することができ、実質的な証拠がないということはできないとして、請求を棄却した事案の上告において、上告を棄却し、また、上告審として受理しないことを決定した事例。
2013.08.27
ドメイン名使用差止請求権不存在確認請求控訴事件
LEX/DB25445770 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月17日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10024号
 ドメイン名「CITIBANK.JP」をJPRSに登録している控訴人(原審原告)が、被控訴人(原審被告)の申立てに係るJPドメイン名紛争処理手続において、日本知的財産仲裁センター紛争処理パネルが本件ドメイン名の登録を被控訴人に移転せよとする裁定がなされたため、被控訴人に対し、本件ドメイン名の使用差止請求権の不存在確認を求めた事案の控訴審において、本件は、判決をもって法律関係の存否を確定することにより、その法律関係に関する法律上の紛争を解決するものではないから、確認の利益が認められないとして、訴えを却下した原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。
2013.08.27
審決取消請求事件(発明等名称:ダブルアーム型ロボット)
LEX/DB25445777 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月18日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10370号
 原告が、発明の名称を「ダブルアーム型ロボット」とする被告の本件特許を無効とするとの審判を請求したが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、本件審決の相違点1に係る判断は誤りであるところ、本件審決は、その余の相違点に係る各構成が当業者にとって容易に想到し得たか否かについて審理を尽くしていないとして、上記審決を取り消した事例。
2013.08.27
損害賠償請求事件
LEX/DB25501422 / 宇都宮地方裁判所 平成25年 4月24日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第948号
 被告甲が、時速約40キロメートルで大型特殊自動車(クレーン車)を運転中、てんかんの発作を起こして意識を喪失し、折から、通学のために歩道上を歩行していた被害者ら6名に同車を衝突させて死亡させた事故について、被害者の両親、兄弟姉妹及び祖父母である原告らが、被告甲に対しては、自動車損害賠償保障法3条及び民法709条に基づき、また、同社の保有者であり、被告甲を雇用していた被告株式会社乙に対しては、自賠法3条、民法715条1項及び民法709条に基づき、さらに、被告甲の母親であり、事故当時甲と同居していた被告丙に対しては、民法709条に基づき、それぞれ損害賠償等の支払いを求めた事案において、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.08.27
各不正競争行為差止等請求,承継参加申立事件
LEX/DB25445761 / 東京地方裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (第一審) / 平成21年(ワ)第40515号等
 携帯型ゲーム機で実行されるゲーム等のプログラムが記録された記録媒体を販売している原告らが、被告らによるDS用マジコンの輸入、販売等が不正競争防止法2条1項10号に掲げる不正競争に該当するとして、上記各製品の譲渡、輸入等の差止め及び廃棄を求めるとともに、損害賠償を求めた事案において、本件DS用マジコンは、いずれもDS本体におけるプログラムの実行を営業上用いられている技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有するプログラムを記録した記録媒体に当たると認められるとして、原告らの請求をいずれも認容した事例。
2013.08.27
滞納処分取消等請求事件
LEX/DB25501347 / 鳥取地方裁判所 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成21年(行ウ)第3号
 原告が、処分行政庁から、原告の個人事業税及び自動車税の未納分を徴収するため、滞納処分として、原告名義の本件預金口座を差し押さえられた上、その配当処分を受けたことにつき、本件差押処分は差押禁止債権を差し押さえたものであるから違法であるなどと主張して、被告に対し、本件差押処分の取消しを求めるなどした事案において、児童手当法15条の趣旨に鑑みれば、処分行政庁が、差押処分に先立って、差押えの対象として予定している預金債権に係る預金口座に、近いうちに児童手当が入金されることを予期した上で、実質的に児童手当を原資として租税を徴収することを意図した場合において、実際の差押処分の時点において、客観的にみても児童手当以外に入金がない状況にあり、処分行政庁がそのことを知り又は知り得べき状態にあったのに、なお差押処分を断行した場合は、当該処分は、裁量逸脱により違法となるなどとして、原告の請求を一部認容した事例。
2013.08.27
損害賠償請求事件
LEX/DB25501404 / 津地方裁判所四日市支部 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第584号
 原動機付自転車に乗っていた原告が、道路下に埋設している本件暗渠に亀裂等が生じ、本件暗渠の水が地中に流れ出したことによって陥没した本件道路に転落した事故により負傷したとして、本件暗渠の管理者である被告土地改良区に対し、本件暗渠の適切な点検等を怠ったとして民法709条に基づき、本件道路の管理者である被告町に対し、道路として通常有すべき安全性を欠いていたとして国家賠償法2条1項に基づき、それぞれ損害賠償を求めた事案において、被告町においては、本件道路に陥没が生じた後、それが被告町に通報された時刻である午前6時45分までは、本件道路の陥没への予見可能性はなく、また、上記時刻が、被告町の職員の登庁時刻ではなかったことからすれば、通報後直ちに本件事故現場へ赴くことができなかったとしても、やむを得ないなどとして、結果回避義務違反を否定するなどして、原告の請求をいずれも棄却した事例。