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2013.12.03
損害賠償等請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
LEX/DB25501709 / 仙台地方裁判所 平成25年8月29日 判決 (第一審)/ 平成22年(ワ)第1314号等
研究者であり国立大学の総長である原告(反訴被告)が、被告(反訴原告)が代表する会のホームページ上において、原告が過去に発表した論文にねつ造ないしは改ざんがあるとして大学に対し原告を告発する旨の被告ら作成の文書が掲載された結果、原告の名誉が毀損されたと主張し、被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求め、また、名誉回復処分として、記事の削除及び謝罪文の掲載を求め(本訴)、これに対し、被告らが、原告による本訴提起が不当提訴に当たるなどと主張して、不法行為に基づく損害賠償等を請求した(反訴)事案において、原告の損害賠償請求を一部認容し、その余の請求及び反訴請求を棄却した事例。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446026 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第226号
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、岡山県第2区の選挙人である被上告人が、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の本件選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例。(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446027 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第209号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第2区、同第5区、同第6区、同第8区、同第9区及び同第18区並びに神奈川県第15区の選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割り及び選挙運動に関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25445999 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10046号
原告(控訴人)が、被告ら(被控訴人)が韓国のテレビドラマの展覧会を開催して小道具等を展示し、関連グッズを販売して、原告の上記小道具等の著作権(展示権及び複製権)を侵害したと主張して、被告らに対し、損害賠償を請求したところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、被告らが、原告に本件小道具等の著作権があることを知りながら、Aと共謀してこれを否定したと評価すべき事情は見出し難いし、被告らが原告の著作権の移転登録を妨げたといった事情も何ら窺えないのであって、被告らについて、原告の著作権の移転登録の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情があるということはできず、よって、被告らが背信的悪意者に当たるとの原告の主張は採用することができないとし、控訴を棄却した事例。
2013.11.26
審決取消請求事件(発明等名称:デマンドカレンダー)
LEX/DB25446001 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10036号
原告が、名称を「デマンドカレンダー」とする発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受けたので、これに対する不服の審判請求をしたところ、本件審判の請求は成り立たないとの審決がされたため、その取消しを求めた事案において、審決には、取消事由1に係る引用発明認定の誤りがあり、本願発明と引用発明とは、少なくとも、本願発明が、「デマンド値を用い、デマンド値軸を備えるデマンドカレンダーである」のに対して、引用発明は、「エネルギ消費量の実績値を用い、エネルギ消費量の実績値の軸を備える省エネ支援カレンダである」点において相違するものであって、審決はこの相違点についての判断を逸脱しているとし、請求を認容した事例。
2013.11.26
現住建造物等放火、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件
LEX/DB25502074 / 福岡地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第655号
被告人は、介護を要する多数の入居者や施設職員のいる老人ホームの建物に火炎びんを投げ入れるなどして放火したとして、現住建造物等放火、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反により起訴された事案において、犯行態様は大変危険で悪質なものであること、入居者や施設職員が厳しい処罰感情を抱いていること、動機について被告人への非難を弱める事情は見出せないことなどから、刑の執行を猶予すべき事案ではないとして、被告人を懲役5年の実刑に処した事例(裁判員裁判)。
2013.11.26
道路交通法違反、自動車運転過失致死傷被告事件
LEX/DB25502069 / 大阪高等裁判所 平成25年9月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(う)第486号
未成年者である被告人が、無免許で7回にわたり普通乗用自動車を運転するとともに、京都府亀岡市の国道を走行中、いわゆる居眠り運転により集団登校中の小学生の列に突っ込み、保護者1名を含む3名を死亡させるとともに、7名に傷害を負わせたという道路交通法違反及び自動車運転過失致死傷により起訴され、原判決が被告人を懲役5年以上8年以下に処したことに対し、検察官及び被告人が各控訴した事案において、原判決は、被告人のために酌むべき事情をやや過大に評価する一方、犯情の悪さをやや過小に評価したものとして、軽きに失するというべきであるとして、原判決を破棄し、被告人を懲役5年以上9年以下に処した事例。
2013.11.26
各犯人隠避被告事件
LEX/DB25502072 / 大阪高等裁判所 平成25年9月25日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第784号
大阪地検特捜部長と特捜部副部長の検事であった被告人両名は、当時地裁で係属中の各虚偽有印公文書作成等被告事件の証拠である本件フロッピーディスクに記録された文書データを変造したことを部下から告白を受け、犯人である部下による本件改ざんした事実を、共謀の上、証拠隠滅罪の犯人を隠避させたとして、原判決が犯人隠避罪の成立を認め有罪判決を言い渡し、これに対し、被告人両名が、無罪を主張して控訴をした事案において、原判決に事実誤認はなく、法令適用の誤りもないとして、各控訴をいずれも棄却した事例。
2013.11.26
詐欺被告事件
LEX/DB25502071 / 大阪地方裁判所 平成25年8月29日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第6767号等
被告人の指示の下、共犯者らが難病女児への支援を装って通行人から金銭を詐取したという募金詐欺の事案において、期間は1年以上に及んでおり常習的な犯行である上、手の込んだ細工をしている点で卑劣かつ悪質であること、被告人は、首謀者として主導的な役割を果たしていたこと、被告人に反省の態度は全く認められないことなどを考慮し、被告人に対し、懲役5年6月を言い渡した事例。
2013.11.26
公務執行妨害、傷害被告事件
LEX/DB25502070 / 大阪地方裁判所 平成25年8月26日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第5372号
被告人は、警戒警備活動に従事していた警察官らに対し暴行を行い傷害を負わせたとして公務執行妨害及び傷害の罪で起訴された事案において、被告人が、各警察官に対して故意に暴行を加えたと認定することには、なお合理的な疑問の余地があるといわざるを得ないため、いずれの公訴事実についても犯罪の証明がないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。
2013.11.26
損害賠償請求事件
LEX/DB25502035 / 福岡地方裁判所小倉支部 平成25年3月21日 判決 (第一審) / 平成20年(ワ)第741号等
カネミ油症患者と認定された者ないしその相続人である原告らが、原因事業者である被告カネミ倉庫株式会社及び同事件発生当時の同社代表者の相続人であるその余の被告2名に対し、不法行為に基づいて、損害賠償を求めた事案において、カネミ油症は、当該不法行為により発生する損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には該当しないというべきであるから、本件における除斥期間の起算点は、加害行為の時、すなわち原告患者らがカネミライスオイルを摂取した時であり、遅くとも昭和44年12月31日ということになるとして、除斥期間の経過により、原告らの損害賠償請求権はいずれも消滅しているとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.26
道路交通法違反、自動車運転過失致死傷被告事件
LEX/DB25502068 / 京都地方裁判所 平成25年2月19日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第747号
未成年者である被告人が、無免許で7回にわたり普通乗用自動車を運転するとともに、京都府亀岡市の国道を走行中、いわゆる居眠り運転により集団登校中の小学生の列に突っ込み、保護者1名を含む3名を死亡させるとともに、7名に傷害を負わせたという道路交通法違反及び自動車運転過失致死傷の事案において、何の落ち度もない被害者を死傷させた結果は重大であり、過失の内容・程度は悪く、遺族や被害者は峻烈な処罰感情を有しており、被告人の責任は重いが、他方で、被告人は、反省・後悔し、捜査に協力していることなどを考慮し、被告人を懲役5年以上8年以下に処した事例。
2013.11.19
受信料等請求控訴事件
LEX/DB25502100 / 東京高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第4466号
控訴人(原告、日本放送協会)が、被控訴人(被告)に対して、主位的に控訴人と被控訴人との間に成立している放送受信契約に基づき、予備的に被控訴人による同契約締結承諾の意思表示を求めると共に、同意思表示によって成立する受信契約に基づき(予備的請求1)、さらに予備的に不当利得に基づき(予備的請求2)、受信料又は受信料相当額の支払いを求め、原審が控訴人の主位的請求を棄却し、予備的請求1を認容したところ、控訴人が主位的請求の認容を求めて控訴した事案において、放送法64条に規定する受信者の受信契約締結義務の効果として、控訴人が受信契約締結の申込みを行った場合は、通常必要と考えられる相当期間を経過した時点で受信契約が成立するとして、原判決を取り消し、控訴人の主位的請求を全部認容した事例。
2013.11.19
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25445972 / 東京地方裁判所 平成25年10月22日 判決 (第一審) / 平成25年(ワ)第15365号
原告が、氏名不詳者により被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイトに掲載された動画が原告の著作権を侵害していると主張して、被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、被告が保有する発信者情報の開示を求めた事案において、本件動画を作成して本件サイトに投稿する行為は、原告動画のうち少なくとも原告動画の部分1及び4についての複製権及び公衆送信権を侵害するものということができるとして、原告の請求を認容した事例。
2013.11.19
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25445956 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月16日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10052号
被控訴人らが、控訴人が被控訴人らを被写体とする写真を掲載した書籍を出版、販売し、これにより、被控訴人らの肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利(パブリシティ権)及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益が侵害されたと主張して、不法行為による損害賠償を求めるとともに、上記侵害のいずれかに基づく上記各書籍の出版及び販売の差止め並びにその廃棄を求めた事案の控訴審において、控訴人が上記各写真を上記各書籍に掲載する行為は被控訴人らのパブリシティ権を侵害するものであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.11.19
審決取消請求事件
(発明等名称:ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー)
LEX/DB25445957 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月16日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10064号
原告が、発明の名称を「ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー」とする特許出願をしたところ、拒絶査定を受けたので、これを不服として審判請求をしたが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、原告が、本件補正案の記載された本件回答書を提出したからといって、審判合議体において、本件回答書の内容を審理の対象として手続を進めなければならないものではなく、また、審決の理由中で、本件回答書の内容の当否を個別具体的に判断しなければならないものではないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.11.19
受信契約締結承諾等請求事件
LEX/DB25501824 / 東京地方裁判所 平成25年10月10日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第3922号
原告が、原告のテレビジョン放送を受信することのできる受信機を設置したが、放送受信契約を締結しない被告に対し、主位的には、放送法64条1項等によって原告と被告との間で放送受信契約が成立していると主張して、放送受信契約に基づき、上記受信機を設置した月から現在までの受信料の支払を求め、予備的には、上記放送受信契約が成立していないことを前提として、被告は放送受信契約締結義務を負うと主張して、原告からの上記放送受信契約の申込みに対する承諾の意思表示と、上記申込み及び承諾の意思表示によって成立する放送受信契約に基づき、上記受信料の支払を求めた事案において、被告による承諾の意思表示がない以上、原告と被告との間で放送受信契約が締結されたものとは認められないから、原告の主位的請求は理由がないとする一方、放送法64条1項が定める受信機設置者に対する放送受信契約を締結すべき私法上の義務につき、民法414条2項ただし書に基づき、放送受信契約の締結の承諾の意思表示を命じることができ、承諾の意思表示に代わるべき裁判をもって放送受信契約を成立させることができるとした事例。
2013.11.19
割増賃金等請求事件
LEX/DB25502051 / 京都地方裁判所 平成25年10月9日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3988号
被告(飲食店の経営を主たる業とする株式会社)に勤務していた原告が、被告に対し、時間外手当、付加金等の請求をした事案において、勤務時間は原告主張のとおりであるとして時間外手当を認定した上、うち一部は時効消滅したものとして算定し、付加金についても一部を認めるなどして、請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.19
傷害致死被告事件
LEX/DB25445977 / 札幌地方裁判所 平成25年10月7日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第966号
被告人が、被告人方において、うつ伏せに倒れていたAの後頸部を手で押さえる暴行を加えて、同人の胸腹部及び顔面を床面に圧迫させ、同人を窒息により死亡させたとして、起訴された事案において、被告人が、Aが抵抗しなくなった後、相当の時間Aを押さえつけていたとは認められないから、急迫不正の侵害が止んでからも、被告人がAの後頸部を押さえ続けたという事実は認められず、被告人には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.11.19
収賄、詐欺被告事件
LEX/DB25501811 / 岐阜地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第178号等
市の水道技手である被告人と水道業を営む相被告人が、かねてより癒着した関係にあったところ、被告人が相被告人から賄賂を収受するに至り、その費用等の捻出のため、市に対する詐欺に及んだという事案において、法律上重い詐欺についてみると、公金を扱う公務員でありながら、自らの利益などのために主導的に詐欺を行っており悪質であり、その被害金額も、前後6回にわたって合計75万円余りに上り高額であるとし、収賄についても、本件各犯行は、被告人が主体的に行った常習的なものであって、収受した金額も低額ではないとして、被告人を懲役2年6月(執行猶予3年)に処した事例。