2014.02.04
生活保護申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25502476/大阪地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第194号
妻とともに大阪府岸和田市に居住している原告が、生活保護法による保護の実施機関である岸和田市長から保護の決定及び実施に関する事務を委任された岸和田市福祉事務所長に対して、計5回の生活保護の開始申請をしたところ、いずれの申請についても却下する旨の決定を受けたことから、岸和田市福祉事務所長が所属する地方公共団体である被告に対し、第2却下決定の取消しを求めるとともに、上記各決定がなされたこと及び原告が被告の福祉事務所を訪れ、生活保護に関する相談をしたのに対し、被告の職員が原告に生活保護の開始申請を行わせなかったことが原告の人格権を侵害する違法な行為であり、これらにより財産的損害及び精神的損害を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料及び生活保護費相当額の損害賠償金の支払を求めた事案において、原告世帯は稼働能力を活用していないとして、本件第2申請を却下した本件第2却下決定は、生活保護法4条1項の稼働能力活用の要件の解釈を誤った違法なものであるとし、また、本件各決定は生活保護法4条1項に違反し、かつ、本件各決定に関与した被告職員ら及び岸和田市福祉事務所長の職務行為には、それぞれ国家賠償法1条1項の違法性が認められ、このことについて過失も認められる以上、原告が主張する、本件各決定によって原告世帯が最低限度を下回る生活を余儀なくされたことによる精神的損害及び財産的損害については、本件各決定と相当因果関係のある範囲において被告に賠償責任が認められるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。