2014.01.14
中国人妻による替え玉殺人事件
LEX/DB25502395/最高裁判所第三小法廷 平成25年11月11日 決定 (上告審)/平成23年(あ)第881号
中華人民共和国の国籍を有する被告人が、不詳の方法によって自己の夫に傷害を負わせて死亡させ(傷害致死)、糖尿病患者である別の男性を亡夫の身代わりとして病死を装って殺害し、亡夫の資産を相続の名目で不正に入手しようと考え、共犯者と共謀の上、上記男性の身体に麻袋様のものを巻き付け、同人を真冬の納屋に数日間監禁するなどし、インスリンの投与を受けさせないことにより糖尿病を悪化させて同人を殺害し、亡夫とその前妻との間の娘らの作成名義の住民異動届等を偽造、行使して、同女らに無断で住民票を異動し、印鑑を登録した上で印鑑登録証明書を入手し、これを用いて、亡夫の遺族の知らぬ間に、不正に亡夫名義の土地の所有権移転登記を受け、相続届等を偽造、行使するなどして亡夫名義の預貯金等合計約2900万円をだまし取り(殺人、有印私文書偽造、同行使、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、公正証書原本不実記載、同行使、詐欺)、その他、詐欺、出入国管理及び難民認定法違反、公用文書毀棄を行ったという事案の上告審において、被告人を無期懲役に処した第一審判決を維持した原判決について、その刑の量定がこれを破棄しなければ著しく正義に反するということはできないとして、検察官及び被告人の各上告を棄却した事例。