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2013.12.24
損害賠償等請求事件
LEX/DB25502159/神戸地方裁判所 平成25年7月4日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第2572号
歩行者である原告Aと被告の子であるFが運転する足踏み式自転車とが衝突した事故について、原告Aが損害を被ったとして、Fの唯一の親権者である被告に対し、監督者責任に基づく人的損害賠償金等の支払を求め、損害保険会社である原告保険会社が、原告Aの人的損害に係る人身傷害補償保険金を支払ったことにより、原告Aの被告に対する損害賠償請求権を代位取得したとして、同人に対し、求償金等の支払を求めた事案において、本件事故は、Fが自転車運転者としての基本的注意義務を尽くさなかったことにより発生したとし、そして、Fは、本件事故当時11歳の小学生であったから、未だ責任能力がなかったといえ、本件事故により原告Aに生じた損害については、Fの唯一の親権者で、Fと同居してその監護に当たり、監督義務を負っていた被告が、民法714条1項により賠償責任を負うものといえるとして、原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。
2013.12.24
未払賃金等請求事件(帝産キャブ奈良事件)
LEX/DB25502181/奈良地方裁判所 平成25年3月26日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第825号
原告ら乗務員が、タクシー事業を営む被告に雇用されてタクシー乗務員として勤務していたが、本件請求期間の勤務に対して被告から支払われた賃金が最低賃金を下回っており、さらに原告の一部については割増賃金の一部に未払がある等主張して、被告に対し、雇用契約に基づく賃金請求として、未払賃金等の支払を求めた等の事案において、被告が第1次精算を行ったことをもって、被告において、平成21年10月20日以前の勤務に係る、第1次精算により支払われる金員以外の原告ら乗務員の未払賃金債権につき承認したと認めることはできず、時効の中断ないし時効援用権の喪失があったと認めることはできないとし、そして、被告による時効の援用が権利濫用に当たると認めるに足りる事情もないから、同日以前に支払期の到来した平成21年9月度分以前の勤務に係る請求権については、時効により消滅したと示しつつ、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.12.16
共有物分割等請求事件
LEX/DB25446054/最高裁判所第二小法廷 平成22年11月29日 判決 (上告審)/平成22年(受)第2355号
被上告人らが、上告人らに対し、被上告人らと上告人らとの共有に属する土地の共有物分割を求めた事案の上告審において、共有物について、遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合、共有者(遺産共有持分権者を含む。)が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり、共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与された財産は遺産分割の対象となり、この財産の共有関係の解消については民法907条に基づく遺産分割によるとした上で、裁判所は、遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ、その者に遺産共有持分の価格を賠償させてその賠償金を遺産分割の対象とする価格賠償の方法による分割の判決をする場合には、遺産共有持分権者に支払われる賠償金は、遺産分割によりその帰属が確定されるべきものであるから、賠償金の支払を受けた遺産共有持分権者は、これをその時点で確定的に取得するものではなく、遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負うところ、その判決において、各遺産共有持分権者において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定めた上で、遺産共有持分を取得する者に対し、各遺産共有持分権者にその保管すべき範囲に応じた額の賠償金を支払うことを命ずることができるとして、原判決中共有物分割請求に関する部分についての上告を棄却した事例。
2013.12.16
再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446040/最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 決定 (許可抗告審)/平成24年(許)第43号
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける抗告人が、上記確定判決につき、民事訴訟法338条1項3号の再審事由があるとして再審を申し立てた事案において、新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるとした事例。
2013.12.16
審決取消請求事件(発明等名称:階段化されたオブジェクト関連の信用決定)
LEX/DB25446041/知的財産高等裁判所 平成25年11月14日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第10086号
原告が、発明の名称を「階段化されたオブジェクト関連の信用決定」とする特許出願をしたところ、拒絶査定を受けたので、これを不服として審判請求をしたが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、審決は刊行物1発明の認定を誤っており、上記誤認により、直ちに、相違点1から相違点4までに係る本願発明と刊行物1発明との対比並びに一致点の認定及び相違点の認定に誤りが生じることが明らかであるとして、上記審決を取り消した事例。
2013.12.16
 
LEX/DB25502183/最高裁判所第一小法廷 平成25年11月6日 決定 (上告審)/平成24年(行ツ)第191号等
上告人兼申立人(原審原告。特定鋼管杭の製造販売業者)及び他の3社が、カルテル合意をすることによって不当に取引制限をしたとして、課徴金納付命令を受けたところ、上告人兼申立人が、同命令の取消しを求める審判請求をしたが、棄却する審決を受けたため、被上告人兼相手方(公正取引委員会)に対し、審決の取消しを求め、原審が請求を棄却し、上告人兼申立人が上告及び上告受理申立てをした事案において、上告を棄却し、上告受理申立てについて受理しない旨を決定した事例。
2013.12.16
 
LEX/DB25502185/最高裁判所第三小法廷 平成25年10月29日 決定 (上告審)/平成24年(行ツ)第107号等
上告人兼申立人(原審原告。工事事業者)が、指名競争入札等の方法により地方公共団体の発注するごみ焼却施設の新設、更新及び増設工事について不当な取引制限をしたとして、課徴金納付命令を受けたところ、上告人兼申立人が、同命令の取消しを求め、原審が請求を棄却し、上告人兼申立人が上告及び上告受理申立てをした事案において、上告を棄却し、上告受理申立てについて受理しない旨を決定した事例。
2013.12.16
 
LEX/DB25502186/最高裁判所第三小法廷 平成25年10月29日 決定 (上告審)/平成24年(行ツ)第198号等
上告人兼申立人(原審原告。工事事業者)ほか4社が、指名競争入札等の方法により地方公共団体の発注するストーカ炉建設工事について、不当な取引制限をしたとして、課徴金納付命令を受けたところ、上告人兼申立人が、同命令の取消しを求める審判請求をしたが、棄却する審決を受けたため、被上告人兼相手方(公正取引委員会)に対し、審決の取消しを求め、原審が請求を棄却し、上告人兼申立人が上告及び上告受理申立てをした事案において、上告を棄却し、上告受理申立てについて受理しない旨を決定した事例。
2013.12.16
 
LEX/DB25502187/最高裁判所第三小法廷 平成25年10月29日 決定 (上告審)/平成24年(行ツ)第91号等
上告人兼申立人(原審原告。工事事業者)が、指名競争入札等の方法により地方公共団体の発注するごみ焼却施設の新設、更新及び増設工事について不当な取引制限をしたとして、課徴金納付命令を受けたところ、上告人兼申立人が、同命令の取消しを求め、原審が請求を棄却し、上告人兼申立人が上告及び上告受理申立てをした事案において、上告を棄却し、上告受理申立てについて受理しない旨を決定した事例。
2013.12.16
損害賠償請求事件(本訴)、退職慰労金請求事件(反訴)、役員報酬請求事件(反訴)
LEX/DB25502188/名古屋地方裁判所 平成25年10月29日 判決 (第一審)/平成21年(ワ)第2430号等
原告(証券会社)が主幹事証券会社を務めて上場した訴外冷凍食品会社の株価に関し、当時の原告の取締役会長及び同執行役員らを被告として、被告らが訴外会社の株式の価格を公募価格以上にしようと、従業員を通じて、個人顧客に勧誘して買い付け注文を受託させ、旧証券取引法159条3項及び旧証券取引法施行令20条に違反する相場固定行為を行ったとして、原告が、被告らに対し、不法行為等に基づく損害賠償を請求し(第1事件)、これに対し、各被告が、原告に対し、退職慰労金又は役員報酬の支払いを請求した(第2から第4事件)事案において、原告の請求を一部認容、一部棄却し(第1事件)、執行役員であった被告の請求を認容し、その余の被告の請求を棄却した事例。
2013.12.16
世田谷ナンバー導入処分取消請求事件
LEX/DB25502190/東京地方裁判所 平成25年10月2日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第560号
世田谷区に居住し、世田谷区を使用の本拠とする自動車を保有し、保有する自動車のナンバープレートに記載される自動車登録番号における自動車登録規則13条1項1号の「自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部又は運輸支局を表示する文字」として、同規定に係る「表示する文字」が「品川」とされており、かかるナンバープレートに愛着を抱いているとする原告が、国土交通大臣が同「表示する文字」として「世田谷」を追加する「導入決定処分」をしたことについて、その取消しを求めた事案において、「導入決定処分」については、国土交通省が施策の実施に当たり定めた要綱に沿ってした施策の内容の取りまとめにとどまり、処分性は認められないとして、訴えを却下した事例。
2013.12.16
損害賠償請求事件
LEX/DB25502249/大分地方裁判所 平成25年9月30日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第1052号
大分刑務所に収容されている原告が、同刑務所内において、同人の陰茎の腫瘤を切除する手術を受けたが、この手術をした刑事施設の職員である医師には、原告の承諾なく手術を強行した過失、手術の際の手技上の過失等の過失があり、また、この手術後、原告を診察、治療した刑事施設の職員でない医師には、原告の症状につき、適切な治療を行わなかったこと等の過失があり、大分刑務所の刑務官らには、原告の症状につき、適切な対処をすることを怠った等の過失があり、これらの過失による行為により、原告の陰茎に尿道皮膚瘻等の後遺症が生じた等と主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を請求した事案において、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.12.16
損害賠償請求事件
LEX/DB25502191/東京地方裁判所 平成25年9月20日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第14034号
被告(日本郵便)が、被告は、訴外人らと共謀して、定期刊行物に広告を同封する等した郵便物を有料販売条件を欠いているにもかかわらず、心身障害者用低料郵便物として違法に差し出したとして、原告が、被告に対し、不法行為に基づき、正規郵便料金と実際に支払いを受けた額との差額の支払いを求めた事案において、被告らは、郵便物が、有料販売条件を満たしていないことを知りながら、低料郵便物として郵送したものであり、不法行為を構成するとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.12.16
請負代金請求控訴事件
LEX/DB25502146/札幌高等裁判所 平成25年8月22日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第213号
破産者(被控訴訴人)が被告(控訴人)に対し、被告から破産者が請け負った本件工事の未払請負代金の支払を求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、本件解除事由は、破産者の約定解除権を定める本件破産者解除条項で定める事由がないのに本件契約の解除を申し出たことをもって、被告の約定解除権の発生事由としたものと解され、法定解除権に基づく解除の意思表示をしたときには、被告がさらに本件契約を解除することはできないのであるから、被告の約定解除権を定める本件約款43条1項が、本件管財人解除のように法定解除権に基づく解除の意思表示をしたことを被告の約定解除権の発生事由と定めたものと解することはできず、本件管財人解除は本件解除事由に該当しないから、本件賠償金条項に基づく本件賠償金債権は発生しないとし、原判決を変更し、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.12.16
損害賠償請求控訴事件(非常勤教員採用候補者選考不合格等の損害賠償請求控訴事件(東京都))
LEX/DB25502113/東京高等裁判所 平成25年2月7日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第936号
損害賠償請求控訴事件において、非常勤教員制度は、現状において、その申込者の多数が選考により採用されているという実体があるとしても、法令上は、高齢者の雇用確保のための制度ということはできず、かつ、非常勤教員の選考について具体的な考慮要素を定める法令の規定がない以上、原告(控訴人)において定年退職後は非常勤教員に採用されることを期待していたとしても、それは事実上の期待にすぎないというべきであって、任命者である東京都教育委員会には、本件選考に当たり、どのような考慮要素をどの程度重視するのかを含む広い裁量権が認められているというべきであるとし、控訴を棄却した事例。
2013.12.10
損害賠償等請求事件
LEX/DB25502134/名古屋地方裁判所 平成25年10月18日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第8391号
原告が、被告発行に係る週刊誌である「週刊朝日」が平成20年9月12日付誌面に掲載した記事の記載によって原告の名誉が毀損されたと主張して、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、慰謝料3000万円及びこれに対する遅延損害金の支払、並びに民法723条に基づき、名誉を回復するための謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件記事のうち、「懲りない浮気癖」との記載について、原告に対する名誉毀損が成立し、その違法性ないし被告の故意又は過失は阻却されないとした上で、本件記事の掲載により原告に生じた精神的損害につき、被告が支払うべき慰謝料額は、10万円と認めるのが相当であるとし、金銭賠償に加えて、謝罪文の掲示を必要とするまでの事情は認められないとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.12.10
各建造物侵入、傷害致死、凶器準備集合被告事件
LEX/DB25502125/東京地方裁判所 平成25年10月17日 判決 (第一審)/平成25年(合わ)第31号等
被告人両名は、ほか14名の者と共に、予め準備していた上下黒色ジャージ等を着用した上、金属バット4本等を準備して繁華街の路上に集合し、うち7名の者と共に、目出し帽で顔を隠した上で被害者が飲食していたクラブに侵入し、1分にも満たないごく短時間の間に、金属バット等を用いて、集団でよってたかって、無抵抗の被害者に対し、顔面や頭部といった人体の重要な部分に集中して、粉砕骨折を含む多数の骨折や脳への多大な損傷を与えるほどの強度の暴行を加えたもので、しかも、被害者は被告人らのグループとは無関係の一人の客にすぎず、全く落ち度がないにもかかわらず、突然、何が起きているのか、犯人が誰であるのかもわからないまま激しい暴行を受け、理不尽にも命を失ったとして、被告人両名をそれぞれ懲役13年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.12.10
犯人隠避被告事件
LEX/DB25502133/名古屋地方裁判所 平成25年10月15日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1171号
弁護士である被告人が、刑事弁護を受任した勾留中の依頼者らと共謀の上、予想される別事件の捜査が依頼者に波及するのを回避するため、その実行犯を隠避させたという事案において、犯人に他人名義のシムカードや多額の逃走資金を供与したことにより、長期間広範囲の逃走が可能になっており、態様は悪質で、刑事司法作用が害された程度も大きいとし、また、地域や社会から大きな信頼を寄せられていた、実務経験も豊かな弁護士が、受任案件に関連して敢行した犯罪として耳目を集めているなど、社会的な影響も軽視できないとして、被告人を懲役1年6月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.12.10
養子縁組無効確認請求事件
LEX/DB25502154/東京家庭裁判所 平成25年10月15日 判決 (第一審)/平成25年(家ホ)第599号
原告が、原告と被告との間の養子縁組は、原告に無断で何者かによってなされたものであるとして、養子縁組の無効確認を求めた事案において、請求を認容した事例。
2013.12.10
殺人、詐欺被告事件
LEX/DB25502139/大阪地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第871号等
被告人は、夫であるXが父親ではない子を妊娠したことをXに気付かれ、既に中絶できない時期であるのにXと母親に対して中絶すると約束したところ、被告人は、病院でYを出産し、Yと共に退院したが、夫らに中絶すると約束していたためにYを自宅に連れて帰ることができず、大阪市A区内の便所内において、Yを殺害しようと考え、Y(当時生後約8日)を鞄に入れて、その外側からYの頸部付近を手で締め付け、その場で、Yを窒息させて殺害したとし、児童手当等の詐欺については、我が子の殺害を隠すために犯したものであり、積極的に金銭を得る意欲まではなかったとして、被告人を懲役5年に処した事例(裁判員裁判)。