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2013.11.05
傷害被告事件
LEX/DB25501757 / 静岡地方裁判所沼津支部 平成25年9月20日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第137号
被告人が、同じ職場で勤務する被害者に対して好意を抱いていたところ、同人から冷たい態度を取られたと感じたことなどから、同人に対して憎しみの感情などを抱くようになり、同人の靴の内側にフッ化水素酸を付着させ、同人の足にフッ化水素酸を曝露させ、足部腐食等の傷害を負わせた事案において、被告人を懲役7年に処した事例。
2013.11.05
業務上過失傷害被告事件
LEX/DB25445945 / 横浜地方裁判所 平成25年9月17日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第576号
麻酔科医師である被告人が、手術室において患者に対して全身麻酔を施したが、患者に酸素を供給していた蛇管が脱落していたことに気付かず、患者に低酸素脳症による脳機能傷害等の傷害を負わせたとして、業務上過失傷害罪で起訴された事案において、手術室全体の調整や後期研修医の指導・補助等のために約27分間手術室を不在にした被告人の行動について、常時在室して患者の全身状態を絶え間なく看視すべき業務上の注意義務を認めることはできないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。
2013.11.05
地位確認等請求事件
LEX/DB25501769 / 東京地方裁判所 平成25年9月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第12298号
被告(財団法人日本相撲協会)との間で力士所属契約を締結した被告所属の力士である原告が、被告がした懲戒処分としての解雇が無効であると主張して、被告に対し、主位的請求として、原告の番付階級が大関であることの確認並びに未払賃金、旅費及び日当、交通費の支払い等を求め、予備的請求1として、被告の寄附行為36条に定める力士として権利を有することの確認を求め、予備的請求2として、同所属契約が終了したことを前提とする力士養老金及び勤続加算金、預かり懸賞金の支払い等を求めた事案において、解雇は相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.05
逮捕監禁,強姦致傷被告事件
LEX/DB25445946 / 神戸地方裁判所 平成25年7月25日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第155号
被告人が、以前から性的関係のあった被害者との関係修復を試みようとしたが、被害者から拒絶的な態度をとられたことから、被害者を自動車内に逮捕監禁し、強いて姦淫し、暴行を加えて傷害を負わせた事案において、被害者の負傷は、強姦行為によって生じたものとはいえないから被告人に強姦致傷罪は成立せず、被告人の暴行により被害者を負傷させた点は、別途、傷害罪を構成するにとどまるなどとして、被告人を懲役3年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.11.05
詐欺被告事件
LEX/DB25445947 / 神戸地方裁判所 平成25年7月12日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第524号
被告人が、知人及び夫と共謀して、資格試験を受験中の息子を案じる被害者に対し、受験に関して有利に取り扱う口利きができると誤信させ、多額の金銭をだまし取った事案において、被告人には、第一の詐欺については詐欺の故意があったとは認定できないが、第二の詐欺については詐欺の未必的な故意があったと認められ、かつ共同正犯としての罪責を負うとして、被告人を懲役2年(執行猶予3年)に処した事例。
2013.11.05
殺人被告事件
LEX/DB25501758 / 福岡地方裁判所 平成25年7月12日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第223号
被告人が、被告人方において妊娠中の妻を殺害し、心中を装った事案において、被告人と妻との間に心中に関するやり取りはなかったと認められるとして、同意殺人罪の成立を否定し、殺人罪を適用して被告人を懲役16年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.11.05
金融商品取引法違反被告事件
LEX/DB25501761 / 東京地方裁判所 平成25年6月28日 判決 (第一審) / 平成24年(特わ)第91号
2件のインサイダー取引規制違反の事案において、被告人は、本件各犯行当時、経済産業省の幹部職員として本件のような行為に及ぶことは厳に慎むべき立場にあったものであり、そのような立場にある者が、職務上知り得た情報を公益のためではなく私益のために用いて本件犯行に及んだというのは、公益性の高い証券市場の公正さ及び健全さ並びにこれに対する一般投資家の信頼を害し、国家公務員の公務の公正さに対する国民の信頼を傷つけたものとして、厳しく非難されるところであるとして、被告人を懲役1年6月(執行猶予3年)及び罰金100万円に処した事例。
2013.11.05
謝罪広告等請求事件
LEX/DB25445934 / 広島地方裁判所 平成25年4月30日 判決 (第一審) / 平成21年(ワ)第2757号
いわゆる山口県光市母子殺害事件の差戻控訴審において弁護人であった原告らが、被告テレビ局の製作したテレビ番組における出演者らの発言が原告らに対する名誉棄損ないし懲戒請求扇動という不法行為に当たるとして、被告テレビ局及び出演者の一人である被告に対し、損害賠償を請求した事案において、出演者の表現行為には何らの不法行為の成立も認めることができないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.05
管理許可処分の仮の義務付け申立て事件
LEX/DB25445941 / 大阪地方裁判所 平成25年3月28日 決定 / 平成25年(行ク)第26号
大阪市が管理する都市公園内にある売店兼食堂について、大阪市長から都市公園法5条1項に基づいて期限付き管理許可を繰り返し受けていた申立人が、大阪市長から本件不許可処分を受けたことから、本件不許可処分の取消し及び本件申請に対する許可処分の義務付けを求める本案訴訟を提起するとともに、行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき、許可処分の仮の義務付けを求めた事案において、本件不許可処分をしたことについて、事実の基礎を欠いたり、社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど、大阪市長の有する裁量権の範囲の逸脱ないし濫用が存するものとみえるということはできないなどとして、本件申立てを却下した事例。
2013.11.05
法人税並びに消費税の更正処分等取消請求事件
LEX/DB25445936 / 広島地方裁判所 平成25年3月27日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第30号
所轄税務署長が、法人税、消費税及び地方消費税について、架空の取引に基づく架空外注費や架空売上が計上されているなどとして、更正処分及び重加算税の賦課決定処分をしたのに対し、原告が、これらの取消しを求めた事案において、原告の元常務のした架空外注行為及び架空売上行為はすべて原告の仮装行為と同視するのが相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.10.29
再審開始決定及び死刑執行停止決定に対する異議申立ての決定に対する特別抗告事件
(名張毒ぶどう酒殺人事件第7次再審請求の差戻し後の特別抗告事件)
LEX/DB25445953 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年10月16日 決定 (特別抗告審) / 平成24年(し)第268号
 原決定(差戻し後の異議審決定)が、新たに実施した鑑定結果によれば、TRIEPPは有機化合物の成分を分離する一方法であるエーテル抽出では抽出されないから、その方法を用いて抽出が行われていた事件検体からTRIEPPが検出されていないからといって、本件使用毒物がニッカリンTでなかったことを導き出すものとはいえないと判断し、また、対照検体からTRIEPPが検出された点については、ニッカリンTに含まれる物質であるペンタエチルトリホスフェート(PETP)がエーテル抽出され、エーテル抽出後にTRIEPPを生成して検出されたものと考えられる旨判断し、本件使用毒物がニッカリンTであることと,TRIEPPが事件検体からは検出されなかったこととは矛盾するものではなく,証拠群3は,刑事訴訟法435条6号には該当するものではない旨判断し、原決定(差戻し後の異議審決定)は、その余の4つの証拠群についても最高裁決定(平成19年(し)第23号同22年4月5日第三小法廷決定)同様に判断して同号該当性を否定して、改めて再審開始決定を取り消して再審請求を棄却したたため、弁護人が特別抗告をした事案において、原審(差戻し後の異議審)の鑑定は、科学的に合理性を有する試験方法を用いて、かつ、当時の製法を基に再製造したニッカリンTにつき実際にエーテル抽出を実施した上でTRIEPPはエーテル抽出されないとの試験結果を得たものである上、そのような結果を得た理由についてもTRIEPPの分子構造等に由来すると考えられる旨を十分に説明しており、合理的な科学的根拠を示したものであるということができ、証拠群3は,本件使用毒物がニッカリンTであることと何ら矛盾する証拠ではなく、申立人がニッカリンTを本件前に自宅に保管していた事実の情況証拠としての価値や、各自白調書の信用性に影響を及ぼすものではないことが明らかであるとして、証拠群3につき刑事訴訟法435条6号該当性を否定した原判断は正当であるとし、また、本件ぶどう酒の開栓方法等に係る実験結果報告書等のその余の4つの証拠群についても,最高裁決定(平成19年(し)第23号同22年4月5日第三小法廷決定)の判示のとおり同号該当性は認められず、同旨の原判断は正当であるとした事例。
2013.10.29
審決取消請求事件(発明等名称:半導体装置および液晶モジュール)
LEX/DB25445921 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月30日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10373号
 発明の名称を「半導体装置および液晶モジュール」とする本件特許の特許権者である原告が、本件特許を無効とした審決の取消しを求めた事案において、甲2文献に接した当業者は、原出願日当時の技術水準に基づき、引用発明において本件発明1に係る構成を採用することにより、バリア層の溶出によるマイグレーションの発生を抑制する効果を奏することは、予測し得なかったというべきであるから、本件発明1が容易想到であるとした審決の判断には誤りがあるとして、上記審決を取り消した事例。
2013.10.29
著作権侵害差止等請求控訴事件
LEX/DB25445929 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10027号
 被控訴人(原告)が、控訴人(被告)Xが著述し、控訴人(被告)会社が発行する書籍は被控訴人の著作物の複製又は翻案に当たると主張して、控訴人に対し、著作権法112条に基づき、被告書籍の複製、頒布の差止め及び廃棄を求めるとともに、著作権侵害による損害賠償を求めた事案の控訴審において、控訴人Xは、被控訴人各記述を複製又は翻案したものと認められる控訴人各記述を不可分的に有する控訴人書籍の第3章を著述することによって、被控訴人の被控訴人書籍の著作権(複製権又は翻案権)を侵害し、控訴人会社は、控訴人書籍を頒布することによって、被控訴人の被控訴人書籍の著作権(譲渡権又は著作権法28条に基づく譲渡権)を侵害したと認められるとして、損害額につき原判決を変更した事例。
2013.10.29
信用毀損行為差止等請求控訴事件
LEX/DB25445924 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月25日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10004号
 弁護士である被控訴人(原告)が、行政書士である控訴人(被告)に対し、虚偽の記事を自己のブログに掲載して被控訴人の営業上の利益を侵害しているとして、不正競争防止法2条1項14号、不正競争防止法3条に基づき、上記記事の掲載の禁止と削除を求めるとともに、不正競争防止法4条に基づき、損害賠償を求めた事案の控訴審において、控訴人が本件ブログに掲載した本件各記事は、いずれも、不正競争防止法2条1項14号における「虚偽の事実」の流布とまでは認めることはできないとして、原判決中控訴人敗訴部分を取り消した事例。
2013.10.29
審決取消請求事件(発明等名称:グラム GRAM)
LEX/DB25445925 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月25日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10032号
 本件商標の商標権者である原告が、一部指定商品につき商標法50条1項に基づく不使用により商標登録を取り消した審決の取消しを求めた事案において、本件商標は、「グラム」の片仮名と「GRAM」の欧文字とを二段表記してなるものであり、他方、通常使用権者が商品に付した本件使用商標は「Gram」の欧文字を表してなるものであり、本件商標の一部を英語表記に変更し、又は英語の小文字の表記に変更したものにすぎず、しかも、本件商標及び本件使用商用のいずれからも、「グラム」の称呼が生じ、「質量の単位であるグラム」の観念が生じるから、本件商標と本件使用商標は社会通念上同一の商標であるものと認められるとして、上記審決を取り消した事例。
2013.10.29
損害賠償(国家賠償)請求事件
LEX/DB25445926 / 横浜地方裁判所小田原支部 平成25年 9月13日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第955号
 被告市内において農業を営む原告が、原告所有地に井戸を設置した上で農家用住宅を建築しようとしたところ、被告の職員による違憲・違法な対応が原因で住宅の建築が遅れ、かつ、井戸の設置に代わり水道を敷設せざるを得なくなったとして、国家賠償を求めた事案において、原告が個人で井戸を利用しようとしていたことに照らせば、少なくとも取水量を制限すれば井戸の設置が認められる可能性は高かったといえるから、原告から相談を受けた市職員としては、原告に設置予定の井戸の仕様書を提出させるなどした上で環境保全課に持ち帰り、取水量を制限した上で井戸の設置を認めることができないかを具体的に検討する義務があったというべきであり、そうした検討を何ら行わず、原告に対し、井戸設置が許可される可能性は非常に低い旨の誤った説明をしたことは、職務上尽くすべき注意義務に違背しており、国家賠償法上違法であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2013.10.29
 
LEX/DB25501719 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年 9月 3日 決定 (上告審) / 平成24年(あ)第417号
 千葉市長の職にあった被告人が、同市の発注する土木工事について入札を希望する建築業者から、入札参加資格の基準緩和等の有利かつ便宜な取り計らいを受けたい旨等の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、2回にわたり現金を収受したという収賄の事案の上告審において、上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、被告人の上告を棄却した事例。
2013.10.29
 
LEX/DB25501723 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年 9月 3日 決定 (上告審) / 平成23年(あ)第2144号
 一審判決が有罪の根拠とした間接事実の一部に事実誤認があり、かつ、関係証拠から認められる間接事実によっては、被告人が放火犯人であると合理的な疑いを超えて立証されたとは認め難いことから、被告人を放火の犯人であると認定した一審判決の事実認定は、論理則、経験則等に照らして不合理であるとして、一審判決中有罪部分を破棄し、公訴事実中現住建造物等放火の点について、被告人に無罪の言渡しをした原判決に対する検察官上告につき、検察官の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、上告を棄却した事例。
2013.10.29
公文書変造・同行使(変更後の予備的訴因有印公文書偽造・同行使)、有印私文書偽造・同行使、業務上横領被告事件
LEX/DB25501697 / 岡山地方裁判所 平成25年 8月28日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第736号等
 岡山弁護士会所属の弁護士であった被告人が、受任した事件の依頼者やその相手方等から、当面の生活費の支払や本来は後に支払われるべき賠償金の内払いなどを求められ、安易にこれに応じて立替金の名目で金銭を支払ったことに端を発して、次第に経済的に逼迫し、その結果、犯したとされた、公文書変造・同行使、有印私文書偽造・同行使、業務上横領被告事件の事案において、本件における各犯行は、交通事故等によって、大きな痛手を負った被害者らの今後の生活を支えるために不可欠な賠償金や保険金等を、被害者等が置かれた状況を十分に承知しながら繰り返し横領し、被害者等をさらなる窮状に陥れたものであり、このような犯行は、依頼者の権利利益を実現すべき弁護士の職責に真っ向から反するものである等として、その態様は悪質であり、強い非難に値するなどとして、被告人を懲役14年に処した事例。
2013.10.29
地位確認等請求事件
LEX/DB25501644 / 札幌地方裁判所 平成25年 7月30日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3390号
 被告(郵便事業株式会社を承継した会社)に期間雇用社員として雇用され、雇用期間を概ね6か月として契約更新を繰り返してきた原告が、同社の経営改善の必要上、人件費削減のために、雇用期間満了をもって雇止めとされたことは許されないとして、被告に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認並びに雇止め後から判決確定日までの月額賃金、賞与の支払い及び遅延損害金の支払いを求めた事案において、原告の雇止めは、雇止め回避のための努力を十分に尽くさなかったものであり、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、許されないとして、原告の請求を全部認容した事例。