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2013.08.20
一般乗用旅客自動車運送事業の乗務距離の最高限度を定める公示処分の取消等請求事件(甲事件)、事業用自動車の使用停止処分差止等請求事件(乙事件)
LEX/DB25445756 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月 4日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第58号
 タクシー事業を営む原告らが、乗務距離の最高限度を定める旅客自動車運送事業運輸規則22条は違憲ないし違法であり、同条に基づき近畿運輸局長が定めた本件公示も違法であるなどとして、各原告の日勤勤務運転者について1乗務当たり250kmを超えて乗務させることのできる地位にあることの確認を求め、さらに、道路運送法40条に基づく不利益処分の差止めを求めた事案において、差止請求に係る訴えを不適法却下した上で、近畿運輸局長が本件公示を定めたことは、日勤勤務運転者につき乗務距離の最高限度を1乗務当たり250kmと定めた点においても、高速自動車国道等の乗務距離につきその運行速度が高速度になることを看過した点においても、その裁量権の範囲を逸脱してされたものとして違法であるとして、確認請求を認容した事例。
2013.08.20
帰化日本人投票制限国家賠償請求控訴事件
LEX/DB25501407 / 東京高等裁判所 平成25年 2月19日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第1030号
 本件総選挙において、帰化により日本国籍を取得したものの、公職選挙法21条1項の3か月記録要件を満たさないとして選挙人名簿へ登録がされず、選挙権を行使できなかった原告(控訴人)が、同項は、憲法前文等に違反し、原告の選挙権を不当に制約・剥奪するものであり、国会による同条の立法行為及び選挙直前3か月以内に帰化した者が選挙権を行使できるような立法措置を怠った不作為により精神的損害を被ったとして、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、3か月という期間は決して短期のものとはいえないが、実行性のある不正投票防止を実現するために要する期間として上記期間を設定したことが、国会に委ねられた裁量を逸脱した合理性を欠く許容しがたいものと断ずることはできないとし、控訴を棄却した事例。
2013.08.06
差押処分取消,国家賠償等請求事件
LEX/DB25445728 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 7月12日 判決 (上告審) / 平成24年(行ヒ)第156号
 選定者A及び上告人とBとの共有に係る不動産のBの持分につき、Bが滞納していた相続税を徴収するため国税徴収法47条1項に基づく差押処分がされたことから、上告人が、選定当事者として、上記処分の取消し等を求めた事案の上告審において、滞納者と他の者との共有に係る不動産の滞納者の持分について国税徴収法47条1項に基づく差押処分がなされた場合、他の共有者は、その差押処分の取消訴訟の原告適格を有するとし、本件上告を棄却した事例。
2013.08.06
固定資産評価審査決定取消等請求事件
LEX/DB25445727 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 7月12日 判決 (上告審) / 平成24年(行ヒ)第79号
 区分建物を共有し、その敷地権に係る固定資産税の納税義務を負う上告人が、土地課税台帳に登録された上記敷地権の目的である各土地の価格を不服として、市固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の決定を受けたため、その取消し等を求めた事案の上告審において、土地の基準年度に係る賦課期日における登録価格が、当該土地に適用される評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回るとき、あるいは、これを上回るものではないが、その評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものではなく、又はその評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が存する場合であって、同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るときは、当該登録価格の決定は違法となるとした事例(補足意見あり)。
2013.08.06
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25445723 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第100003号
 発明の名称を「インターネット電話用アダプタ」とする特許権を有する控訴人(原告)が、被控訴人(被告)が譲渡、貸与等しているインターネット電話用アダプタが同特許権の技術的範囲に属すると主張して、被控訴人に対し、特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償金のうち一部の支払を求めた事案の控訴審において、被告アダプタは本件発明の技術的範囲に属するものとは認められないなどとした原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。
2013.08.06
公務外認定処分取消請求控訴事件
LEX/DB25445725 / 名古屋高等裁判所 平成25年 5月15日 判決 (控訴審) / 平成23年(行コ)第5号
 控訴人が、その夫であり、教育委員会事務局教育課の教育課長であった亡Aが、勤務中に心室細動により死亡したことについて、亡Aの死亡がその公務に起因するものであるとして、公務災害認定請求をしたところ、公務外の災害と認定する旨の処分を受け、これに対する審査請求及び再審査請求を棄却するとの各裁決がされたため、公務外認定処分の取消しを求めた事案において、公務による過大な負荷が亡Aの基礎疾患である拡張型心筋症をその自然的経過を超えて増悪させ、亡Aを死亡させたものと認められるから、公務と亡Aの死亡との間には相当因果関係があるとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501359 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1062号
 被告(非破壊検査を主たる事業とする会社)の従業員であった亡夫が、被告における過重な労働によりうつ病を発症し、自殺に至ったとして、同人の妻である原告が、被告に対し、債務不履行ないし不法行為に基づき、損害賠償等を求めた事案において、同人の被告における労働がうつ病罹患の原因であり、うつ病が重症化し、自殺に至ったと認めた上、被告には労務管理上の安全配慮義務違反があったとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501362 / 仙台地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第1836号
 被告会社に勤務していた原告らの長男が、連日の長時間労働のほか、被告上司からの暴行や執拗な叱責、暴言などのいわゆるパワーハラスメントにより精神障害を発症し、自殺するに至ったと主張して、遺族である原告らが、被告会社に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告上司に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を請求した事案において、被告会社については安全配慮義務違反の不法行為の成立を認め、他方で、被告上司については不法行為法上の責任を負うものとは認められないとして、被告会社に対する請求についてのみ一部認容した事例。
2013.08.06
傷害被告事件
LEX/DB25501344 / 東京地方裁判所 平成25年 4月18日 判決 (第一審) / 平成24年(刑わ)第664号
 被告人女性(当時42歳)が、被害者女性(当時45歳)に対し、その顔面を拳骨で1回殴る暴行を加え、よって、同人に右上眼瞼挫創の傷害を負わせたとして起訴された事案において、被告人のブラウスの首辺りを持って後方へ引っ張り、被告人と被害者が向きあってもブラウスをつかみ続けた被害者の行為は、被告人の身体に対する急迫不正の侵害に当たり、被告人が、被害者の攻撃に乗じて積極的な加害行為に出たとみるべき事情はなく、被告人は本件公訴事実記載の暴行を行ったものの、その行為は正当防衛に当たる疑いが残り、罪とならないとし、無罪を言い渡した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25500968 / 佐賀地方裁判所 平成25年 2月14日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第273号
 原告が、婚姻直後、前夫である被告において婚約中から婚姻成立後も他の特定の女性との間で男女関係を継続していたことを知ってしまったことから協議離婚を余儀なくされたことについて、婚約当事者の負うべき守操義務に違反するとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、原告と被告はそれぞれ婚約相手と異なる人物と性的関係を持たないという守操義務を負っていたところ、原告の被告に対する信頼を被告が裏切ったことは明らかであり、原告が被告の不貞の事実を婚約中に知ったのであれば、被告との婚約を破棄し、結婚式を挙げることはせず、新婚生活を送るために準備もしなかったであろうことから、原告は、婚約中の被告の不貞を理由にして、不法行為に基づき、損害賠償を求めることができるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501346 / 東京高等裁判所 平成25年 3月15日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第11号
 原告(熱海市)が、原告の新清掃工場建設工事の指名競争入札に参加した被告らに対し、被告会社らが、平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法3条に違反して被告Aを同工事の受注予定者とすることを合意し、同被告において他の入札参加者の協力を得て、同工事の落札価格を不当に引き上げて同被告に同工事を受注させ、原告に公正な競争入札において形成された価格を上回る請負工事代金を支払わせたと主張して、独占禁止法25条1項の損害賠償請求権に基づき、上記代金と公正な競争入札において形成された価格の差額を連帯して支払うよう求めた事案において、訴訟物を異にする本件訴えを提起して上記損害賠償請求権を裁判上主張することが原告の住民が提起した本件住民訴訟を不当に蒸し返すものであるとか、訴訟上の信義則に反するものであるということはできないとした上で、本件落札価格は、被告らが本件基本合意及び本件個別合意をし、他の入札参加者の協力を得て、競争を実質的に制限することにより形成されたものであって、本来自由競争により形成されるべきであった価格(本件想定価格)を上回るものであると認められるから、原告は、被告らの本件違反行為により、本件想定価格と本件落札価格の差額に相当する損害を被ったものというべきであるとして、原告の請求を一部認容・一部棄却した事例。
2013.08.06
出版一時差止・損害賠償(甲事件)、損害賠償(乙事件)請求控訴事件
LEX/DB25445730 / 広島高等裁判所 平成25年 5月30日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第354号
 いわゆる光市母子殺害事件で死刑判決を受けた甲事件原告(18歳当時)に対し、甲事件被告Dが、面会などに基づき甲事件原告に関する事柄を記載した本件書籍を執筆し、甲事件被告Aが出版したことにおいて、甲事件原告が、本件書籍の出版によってプライバシー権などの人格権等が侵害されたとして、(ア)甲事件被告らに対し、本件書籍の出版、販売等の差止め及び甲事件被告Aが開設している本件ウェブサイトに掲載されている本件書籍の紹介記事の削除を求め、(イ)甲事件被告Aに対し、本件ウェブサイトに掲載された甲事件原告に関する記事の削除及び本件ウェブサイトに甲事件原告の実名を含む記事を掲載することの禁止を求め、(ウ)甲事件被告らに対し,共同不法行為や債務不履行に基づく損害賠償請求の支払等を求めた事案(甲事件)、甲事件被告らが、本件書籍をめぐる甲事件原告、本件刑事事件における甲事件原告の弁護人であった乙事件被告らの発言等により、名誉が毀損されたとして、共同不法行為に基づき、甲事件原告、乙事件被告らに対し、甲事件被告Dと甲事件被告Aが、それぞれ損害賠償請求の支払等を求めた事案(乙事件)で、原判決は、甲事件について、本件書籍や本件ウェブサイトの記事により、甲事件原告のプライバシー権、肖像権などが侵害されたとして、甲事件被告らに対し、甲事件原告に支払うよう命じ、その余の甲事件原告の甲事件請求を棄却し、甲事件被告らの乙事件請求をいずれも棄却したので、双方が控訴したが、甲事件被告らの控訴は一部理由があるとし、原判決を取消し、取消しに係る甲事件原告の請求もいずれも棄却し、甲事件被告らのその余の控訴を棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25501382 / 東京高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第1450号等
 一審原告(サブフランチャイザー)は、一審被告(マスターフランチャイザー)との間で、持ち帰り弁当販売事業に関するフランチャイズ契約を締結し、「ほっかほっか亭」の名称を用いて上記事業を行っていたところ、やむを得ない事由があるとはいえないにもかかわらず、一審被告から上記契約の更新を拒絶されたため、新たに別の名称(ほっともっと)で持ち帰り弁当販売事業を立ち上げなければならなくなったと主張して、一審被告に対し、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償金の一部及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案の控訴審において、「本件更新拒絶がされた時点では、既に当事者間の信頼関係が著しく破壊され、本件各契約に基づき共同して事業を継続的に推進していくことは最早困難な状況となっており、そのような認識に基づく本件更新拒絶には信義則上正当な事由があったものと認めるのが相当である」として、一審被告の控訴に基づき、原判決中、一審被告の敗訴部分を取り消した上で、一審原告の請求をすべて棄却するとともに、一審原告の附帯控訴を棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25501383 / 東京高等裁判所 平成25年 7月 3日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第1862号
 被控訴人(被告)が設置する高等学校及び同校における部活動である柔道部に1年生として在籍していた控訴人(原告)が、神奈川県高等学校柔道大会兼関東高等学校柔道大会の県予選会の前に行われたウォーミングアップ練習において他の柔道部員に投げられた際、急性硬膜下血腫を発症した事故に関し、柔道部の顧問教諭に当該事故の発生を未然に防止すべき指導上の注意義務違反があったとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、被控訴人に対し、控訴人らが損害損害金の支払を求めた事案の控訴審において、教諭において、上述したような指導をした形跡はなく、本件大会当日も、本件練習を見ることができない場所におり、控訴人が準備運動すらしないまま本件練習に参加することを見逃した結果、同練習において、控訴人が他の柔道部員から全力で投げられて、受傷(急性硬膜下血腫)したのであるから、教諭は、本件注意義務に違反したといえ、かつ、当該注意義務違反とこれによる控訴人の受傷との間には相当因果関係が認められるとして、原判決を取り消し、控訴人らの請求を一部認容・一部棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求,民訴法260条2項の申立て事件
LEX/DB25445729 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 7月12日 判決 (上告審) / 平成22年(受)第1163号等
 亡Aの相続人である被上告人らが、Aは勤務先の建物の壁面に吹き付けられた石綿(アスベスト)の粉じんを吸入したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患し、自殺したと主張して、上記建物の所有者である上告人に対し、民法717条1項ただし書の規定に基づく損害賠償を求めた事案の上告審において、壁面に吹き付けられた石綿が露出している建物が通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになった時点を明らかにしないまま、同建物の設置又は保存の瑕疵の有無について判断したことには審理不尽の違法があるとして、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻した事例。
2013.08.06
 
LEX/DB25501345 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 6月27日 決定 (上告審) / 平成25年(受)第821号
 一審被告(申立人)が経営するY病院でAが原告X1を出産後、別の病院に転院し死亡したことにつき、Aの相続人である一審原告(相手方)らが、本件病院の医師ないし看護師に注意義務違反があったと主張して、一審被告に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めたところ、原判決が一審原告らの控訴に基づき第一審判決を変更し、一審被告の附帯控訴を棄却したため、一審被告が、上告受理を申し立てた事案において、本件申立ての理由によれば、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとし、本件を上告審として受理しないとした事例。
2013.08.06
政務調査費返還履行等代位請求事件
LEX/DB25445724 / 横浜地方裁判所 平成25年 6月19日 判決 (第一審) / 平成20年(行ウ)第19号
 神奈川県の住民である原告らが、県議会の4つの会派が交付された政務調査費の一部を使途基準に違反して目的外支出したため県に対し同額の不当利得返還義務を負ったと主張して、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、被告に対し、上記目的外支出額の返還を参加人らに請求するよう求めた住民訴訟において、平成15年度から平成17年度までの間に参加人らに対して交付された政務調査費のうち一部につきその10分の1が目的外支出であるとして、原告らの請求を一部認容した事例。