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2014.05.27
書籍出版頒布禁止等請求控訴事件
LEX/DB25503684/東京高等裁判所 平成26年3月26日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第6376号
ユニクロのブランドを用いてカジュアル衣料品の製造型小売業を運営する控訴人(原告)らが、被控訴人(被告)の発行した週刊誌及び書籍において、控訴人らの店舗の店長らが苛烈な労働環境にあり、控訴人らが取り扱っている製品の製造を委託している海外生産工場において劣悪で過重な労働が行われているにもかかわらず、控訴人らがこれらを黙認しているという事実が摘示され、これにより控訴人らの名誉及び信用が毀損されたと主張して、控訴人らの名誉・信用に係る権利に基づき、書籍の発行頒布に禁止及び回収を求め、民法723条の名誉回復処分として、新聞紙上における取消広告の掲載を求め、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求め、原審が回収請求を却下しその余を棄却した事案において、本件記事に記述された控訴人らの店長や中国工場の工員の長時間労働の実態に関する記述について、控訴人らの主張を採用することができないとして、控訴人らの控訴を棄却した事例。
2014.05.27
預金払戻等請求控訴事件
LEX/DB25503275/大阪高等裁判所 平成26年3月20日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第3130号
亡Aの三女である控訴人が、亡Aが被控訴人の支店に開設した普通預金に係る預金債権について、Aの死亡により法定相続分2分の1の割合で上記預金債権を分割取得したとしてその払戻を求めたところ、被控訴人がそれを拒絶したのは不法行為を構成するとして、損害賠償を求めた事案の控訴審において、被控訴人は、その業務が公共性を有する銀行でありながら、控訴人が本件預金の2分の1の払戻を受ける正当な権限を有し、法律上控訴人の本件預金分割払戻請求を拒むことができないことを十分認識していながら、控訴人の本件預金分割払戻請求に対し、後日の紛争を避けたいとの自己都合から、他の共同相続人であるBの同意ないし意思確認ができない限り応じられないという到底正当化されない不合理な理由を構えて頑なに拒絶し、殊更故意に控訴人の本件預金に対する権利侵害に及び、控訴人をして、本来不必要であるはずの本件訴訟の提起等を余儀なくさせ、財産上の損害を与えたものであるから、不法行為の成立要件に何ら欠けるところはないとされた事例。
2014.05.27
法人税更正処分取消請求事件
LEX/DB25503723/東京地方裁判所 平成26年3月18日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第228号
原告会社は、S社からS社の完全子会社であったI社の発行済株式全部を譲り受けた後、平成21年3月30日、原告会社を合併法人、I社を被合併法人とする合併を行い、原告の事業年度(平成20年4月1日~平成21年3月31日)に係る法人税の確定申告に当たり、法人税法57条2項(平成22年法律第6号による改正前)の規定に基づき、I社の未処理欠損金額約542億円を原告の欠損金額とみなして、同条1項の規定に基づき損金の額に算入したことに対し、処分行政庁(麻布税務署)は、本件買収、本件合併及びこれらの実現に向けられた原告の一連の行為は、法人税法施行令112条7項5号(平成22年政令第51号による改正前)に規定する要件を形式的に満たし、租税回避をすることを目的とした異常ないし変則的なものであり、その行為又は計算を容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるとして、法人税法132条の2の規定に基づき、I社の未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなすことを認めない旨の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を行ったため、原告会社が本件更正処分等の一部及び本件賦課決定処分の取消しを求めた事案において、S社の取締役であったA氏がI社の取締役副社長に就任した行為及びI社の未処理欠損金額を原告会社の欠損金額とみなして損金の額に算入する計算は、法人税法132条の2の規定に基づき否認することができ、本件本件更正処分等は適法なものであるとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.05.27
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25503316/東京高等裁判所 平成26年3月13日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第6174号
控訴人(原告)が、被控訴人(被告。銀行)の店舗出入口に敷設された足拭きマットの管理が適切にされていなかったことから、同マットに足を乗せた途端にマットがまくれ上がって転倒し、頸部捻挫等の傷害を負い、左半身の感覚鈍麻その他の後遺障害が残ったと主張して、不法行為による損害賠償請求権に基づき、被控訴人に対し、損害賠償金の支払いを請求し、第一審が請求を棄却した事案において、被控訴人の注意義務違反を認め、原判決を取り消し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2014.05.27
間接強制申立却下決定に対する執行抗告事件
LEX/DB25503725/東京高等裁判所 平成26年3月13日 決定 (抗告審(執行抗告))/平成25年(ラ)第2284号
離婚裁判の確定により、長男及び長女の未成年者らの親権者である相手方として離婚した夫婦の元夫(抗告人)が、元妻(相手方)に対し、元夫と未成年者らとの面会交流を命じた本件審判の内容を元妻が全く履行しないとして、面会交流の不履行1回につき25万円の支払を求める間接強制の申立てをしたところ、原審は、本件審判の主文で、面会交流の日時、頻度及び面会交流の長さについて明示されているが、未成年者らの引き渡し方法については具体的な引渡しの日時、場所等が明示されていないから、相手方のなすべき未成年者らの引渡しの内容が特定されていないとして、抗告人の申立てを却下したため、抗告人が抗告した事案で、本件審判の主文については、その前提となった当事者間の黙示の了解事項をも含めて考えれば、監護親である相手方がなすべき給付の特定に欠けるところがないとして、原決定を取消し、本件申立てを認容した事例。
2014.05.27
 
LEX/DB25503308/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月6日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1663号等
広島県立高校の教諭であった上告人兼申立人(一審原告、控訴人)が、3年間にわたり、可部高校の校長及び教頭であった被上告人兼相手方(一審被告)らから、嫌がらせや暴行を受け、心因反応・抑うつ状態を発症し、広島県教育委員会も、嫌がらせを防止する措置をとらなかったため、精神疾患が悪化したなどとして、同人らに対し共同不法行為(民法719条、民法709条)に基づき、被上告人兼相手方(一審被告)県に対し国家賠償法1条1項に基づき、損害金等の支払いを求め、第一審が県に対する請求を一部認容したが、第二審が県の敗訴部分を取り消した事案において、上告を棄却し、上告審として受理しないことを決定した事例。
2014.05.27
損害賠償請求事件
LEX/DB25503246/津地方裁判所 平成26年3月6日 判決 (第一審)/平成21年(ワ)第712号
Aが所有していた土地の地面が陥没する事故が発生し、Aが前記土地に所有する建物に居住できなくなったところ、前記土地陥没事故は、前記土地を含む区域の開発許可に係る被告津市の過失又は前記土地陥没事故を誘引した付近の道路の陥没事故に関する道路の設置又は管理の瑕疵によるものであるから、Aは被告津市に対して国家賠償法1条1項又は国家賠償法2条1項に基づく損害賠償請求権を有するとして、Aから譲り受けた同請求権を行使して、前記建物の建築請負代金の支払を求めた事案において、被告は本件土地陥没事故によってAに生じた損害を賠償すべき責任を負うとして、請求を認容した事例。
2014.05.27
退去強制令書発付処分等取消請求控訴事件
LEX/DB25503242/東京高等裁判所 平成26年2月26日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第383号
フィリピン共和国の国籍を有する外国人女性である原告(控訴人)が、出入国管理及び難民認定法所定の退去強制手続において、東京入国管理局長から入管法49条1項に基づく異議の申出は理由がない旨の裁決を受け、退去強制令書発布処分を受けたことについて、原告が日本人男性と内縁関係にあり、日本に定着していることなどからすれば在留特別許可をすべきであったと主張して、国である被告(被控訴人)に対し、前記裁決及び前記退去強制令書発布処分の各取消しを求めたところ、原審は請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、本件裁決はその裁量権の範囲を逸脱してなされた違法なものであるとし、これを前提とする本件退令発付処分も違法であるとし、原告の請求はいずれも認容し、これと異なる原判決を取り消した事例。
2014.05.27
鉄道運賃変更命令等、追加的併合申立控訴事件
LEX/DB25503237/東京高等裁判所 平成26年2月19日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第187号
北総鉄道の利用者である原告ら(控訴人ら)が、国である被告(被控訴人)に対し、北総鉄道及び千葉ニュータウン鉄道が京成電鉄との間で設定した各鉄道線路使用条件は北総鉄道のみに不利益なもので、北総鉄道及びその利用者の利益を著しく害するものであり、鉄道事業法15条3項に規定する認可要件に違反する違法なものであると主張して、使用条件を認可する旨の処分等の取消し、鉄道事業法23条1項4号に基づき道路使用条件を変更するよう命じることの義務付けを求め、北総鉄道に対してした旅客運賃変更認可処分の違法は重大かつ明白であると主張して同処分の無効確認及び予備的に同処分の取消しを求めるとともに、京成電鉄に対してした旅客運賃上限設定認可処分の取消し、旅客運賃上限等を変更するよう命じることの義務付けを求めたところ、原審は請求の一部を却下し、その余を棄却したため、原告らが控訴した事案において、控訴を棄却した事例。
2014.05.27
出資金返還請求事件
LEX/DB25517356/東京地方裁判所 平成26年1月14日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第15015号
原告らが、アメリカ合衆国ネヴァダ州法人である被告に対し、被告の販売した金融商品への出資につき、約定の満期が到来したとして、出資金の返還を請求した事案において、我が国の裁判所には本件訴訟に係る管轄はないとして、訴えいずれも不適法として却下した事例。
2014.05.20
執行文付与請求事件
LEX/DB25446377/最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 判決 (上告審)/平成25年(受)第419号
被上告人につき破産手続終結の決定がされ免責許可の決定が確定後、被上告人に対し確定した破産債権を有する上告人が、上記破産債権は破産法253条1項2号に掲げる請求権に該当すると主張して、被上告人に対し、上記破産債権が記載された破産債権者表について提起した執行文付与の訴えをした事案の上告審において、免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が、当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として、当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されないと解するのが相当であるとして、上告を棄却した事例。
2014.05.20
執行判決請求事件
LEX/DB25446379/最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 判決 (上告審)/平成23年(受)第1781号
上告人が、営業秘密(米国カリフォルニア州の法律におけるもの)の不正な開示及び使用を理由に損害賠償及び差止めを命じた米国の裁判所の判決のうち懲罰的損害賠償を命じた部分を除く部分について、民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えをした事案で、原審の高裁は、被上告人らの行為地は日本国内にあるため、これによる上告人の損害が米国内で発生したことを証明できなければならないところ、その証明がないから、本件米国判決のうち損害賠償を命じた部分及び差止めを命じた部分のいずれについても間接管轄を認める余地はないとして、上告人の請求を棄却したが、上告審において、本件規定は、違法行為により権利利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求についても定めたものと解され、本件米国判決が日本国内だけでなく米国内においても被上告人らの不正行為の差止めを命じていることも併せ考えると、本件の場合、被上告人らが上告人の権利利益を侵害する行為を米国内で行うおそれがあるか、上告人の権利利益が米国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明された場合には、本件米国判決のうち差止めを命じた部分については、民事訴訟法3条の3第8号に準拠しつつ、条理に照らして間接管轄を認める余地もあり、また、そうであれば、本件米国判決のうち損害賠償を命じた部分についても、民事訴訟法3条の6に準拠しつつ、条理に照らして間接管轄を認める余地も出てくることになるとして、被上告人らが上告人の権利利益を侵害する行為を米国内で行うおそれの有無等について何ら判断しないまま間接管轄を否定した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、高裁に差し戻しを命じた事例。
2014.05.20
詐欺被告事件
LEX/DB25446389/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第911号
被告人が、Cと共謀の上、宮崎市内のゴルフ倶楽部で、そのゴルフ場利用細則等により暴力団員の利用を禁止しているにもかかわらず、被告人及びCが暴力団員であるのにそれを秘し、同倶楽部の従業員に対し、被告人において「A」と署名した「ビジター受付表」を、Cにおいて「C」と署名した「ビジター受付表」を、それぞれ提出して被告人及びCによる施設利用を申込み、従業員をして、被告人及びCが暴力団員ではないと誤信させ、被告人及びCと同倶楽部との間でゴルフ場利用契約を成立させた上、被告人及びCにおいて、同倶楽部の施設を利用し、それぞれ人を欺いて財産上不法の利益を得たという事案の上告審において、第一審判決は、暴力団員であることを秘してした施設利用申込み行為自体が、申込者が暴力団関係者でないとの事実を表しており、ゴルフ場の利便提供の許否判断の基礎となる重要な事項を偽るものであって、詐欺罪にいう人を欺く行為に当たるとし、被告人を懲役1年6月、執行猶予3年に処し、被告人からの控訴に対し、原判決も、第一審判決の認定を是認し、控訴を棄却したが、上告審では、暴力団関係者であるビジター利用客が、暴力団関係者であることを申告せずに、一般のビジター利用客と同様に、氏名を含む所定事項を偽りなく記入した「ビジター受付表」をフロント係の従業員に提出して施設利用を申し込む行為自体は、申込者が当該ゴルフ場の施設を通常の方法で利用し、利用後に所定の料金を支払う旨の意思を表すものではあるが、それ以上に申込者が当然に暴力団関係者でないことまで表しているとは認められず、本件における被告人及びCによる本件ゴルフ場の各施設利用申込み行為は、詐欺罪にいう人を欺く行為には当たらないというべきであるとして、詐欺罪の成立を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決を破棄し、既に第一審及び原審において検察官による立証は尽くされているので、上告審において自判するのが相当であるところ、本件公訴事実については犯罪の証明が十分でないとして、被告人に対し無罪を言渡した事例。
2014.05.20
保釈許可の裁判に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446391/最高裁判所第三小法廷 平成26年3月25日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第136号
被告人が、平成25年7月及び同年8月の2回にわたり、リゾートマンションの被告人の部屋において、当時21歳及び当時25歳の女性に対し、睡眠導入作用を有する薬物を混入した料理を食べさせ、同薬理作用により抗拒不能の状態に陥らせて姦淫した事案の上告審において、一件記録によれば、被告人には刑事訴訟法89条1号、3号及び4号に該当する事由があると認められるが、被告人は、原々決定までに、本件と併合して審理されている同態様の準強姦又はその未遂被告事件5件を含め、公訴事実を全て認め、検察官請求証拠についても全て同意をして、その取調べが終わっていること、被告人に対する更なる追起訴は今後予定されていないこと、被告人の妻が被告人の身柄を引き受け、公判期日への出頭確保及び日常生活の監督を誓約していること、これまでに前科前歴がないこと等の事情があるような本件事案の性質や証拠関係、併合事件を含む審理経過、被告人の身上等に照らすと、保証金額を合計1500万円とし、本件及び併合事件の被害者らとの接触禁止などの条件を付した上で被告人の保釈を許可した原々決定は、その裁量の範囲を逸脱したものとはいえず、不当ともいえないから、これを取消して保釈請求を却下した原決定には、刑事訴訟法90条の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定を取り消し、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2014.05.20
殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反,放火予備,現住建造物等放火未遂,盗品等有償譲受け,旅券法違反,有印私文書偽造,同行使被告事件(前橋スナック銃乱射殺人等事件)
LEX/DB25446392/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月14日 判決 (上告審)/平成21年(あ)第2058号
暴力団の組長である被告人が、配下の組員らと共謀の上、(1)対立する暴力団の組員による被告人が所属する暴力団組織の幹部の射殺事件への報復として、〈1〉対立する暴力団の元幹部宅に火炎びん等を用いて放火することを企て、実行犯の組員らが火炎びん等を準備し、1度目は放火の着手に至らず、2度目は着手したものの、放火は未遂に終わり、現場から逃げる際にけん銃を発射するなどした、〈2〉同暴力団の別の元幹部を殺害することを企て,実行犯の組員らが,同元幹部を公道上で待ち伏せ,同人の運転する車両に向けてけん銃を発射したが,同人に重傷を負わせたにとどまり,殺害の目的を遂げなかった、〈3〉再び同元幹部らを殺害することを企て、実行犯の組員2名が、けん銃等を所持して同元幹部らがいた営業中のスナックに赴き、スナック店外で同元幹部のボディーガード1名を至近距離から射殺した上、スナック店内で同元幹部らに向けて弾丸十数発を発射し、たまたま居合わせた暴力団とは何ら関係のない一般客3名を射殺し、同元幹部ほか1名にも重傷を負わせたが殺害の目的を遂げなかった、〈4〉これらの事件の準備のために組員らにけん銃や盗難自動車を譲り受けさせ、けん銃を試射させるなどした、〈5〉これらの事件の犯跡隠ぺいのために、実行犯を海外逃亡させるべく他人名義の旅券の交付を受けさせ、出国の際に行使させ、組織として保管していたけん銃を山林内に隠匿させるなどした、(2)(1)〈1〉の事件の一部に関与した組員1名が命令に従わなくなったことから、制裁及び口封じのために同組員を殺害することを企て、病院の集中治療室に入院中であった同組員のベッドの位置を探り出した上、実行犯2名が、けん銃等を所持し、他の患者や病院関係者も在室する集中治療室内のベッドで寝ていた同組員に近づき、至近距離から弾丸5発を発射して同組員を射殺した事案において、被告人には懲役前科5犯を含む前科が11犯あることなどを踏まえると、被告人の所属する暴力団組織の幹部が(1)〈3〉の事件の被害者遺族らと和解をして一定額が遺族らに支払われたことなど被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、被告人を死刑に処した第一審判決を維持し、上告を棄却した事例。
 
 
2014.05.20
売買代金返還等請求控訴事件
LEX/DB25503236/東京高等裁判所 平成26年3月12日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第5735号
原告(控訴人)が、Aら所有の本件各土地を買い受ける旨の契約をしたB社から右各土地を買い受け、被告C(被控訴人)が原告及びAを代理して所有権移転登記手続をしたが、売主として名乗った者がAらとは別人であり、Aら本人は本件土地をB社に売却しておらず、無断で登記手続の申請がされたとして、上記申請が却下されたことにつき、控訴人が、被告C及び原審被告Dに対し、損害賠償を求めたところ、被告Dに対する請求が認められ、被告Cに対する請求が棄却されたため、原告が控訴した事案において、被告Cにおいて、不動産登記法令所定の本人確認の方法を行うことに加えて、自宅訪問による占有状況等の確認等をすべき注意義務があると解すべき事情があることを認めるに足りる証拠はなく、被告Cにおいて、自称Aらの本人確認をするに当たり、法の求める注意義務を怠った過失があるとは認められないとし、控訴を棄却した事例。
2014.05.20
逮捕監禁、爆発物取締罰則違反、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503234/東京地方裁判所 平成26年3月7日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第29号等
本件教団の信者であった被告人が、被害者Aを拉致することを企て、共犯者と共謀の上、Aを自動車の後部座席に押し込んで同車を発車させ、本件施設内において、同人に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態を継続させるなどして同人を脱出不可能な状態におき、治安を妨げ、かつ、人の身体財産を害する目的をもって、教団信者らが現在するビル店舗内に火炎びんを投てきし、人の身体及び財産に危険を生じさせた事案において、被告人は、BとCから、教団代表者の指示により、Aを拉致すること、レーザーでボディーガードの目くらましをすることを了承して犯行現場に赴き、他の共犯者の役割等も知った上で、被告人自身はCが乗るギャランの運転手として本件に関与していたと認められ、被告人には、逮捕監禁事件の事前共謀が認められるとし、懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.05.20
現住建造物等放火,殺人,殺人未遂被告事件(大阪個室ビデオ店放火殺人事件)
LEX/DB25446393/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月6日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1517号
いわゆる個室ビデオ店において、客として入店した被告人が、深夜、自殺を図ろうとして、他の客が死亡するであろうことを認識しながら、個室内に持ち込んだキャリーバッグ内の衣類等に火を付け、その火を個室の側壁等に燃え移らせて同店舗を全焼させ、同店の客16名を急性一酸化炭素中毒等により死亡させるとともに、他の客7名は死亡させるに至らなかった(うち4名は、全治約1週間ないし1か月間を要する気道熱傷等の傷害を負った。)という現住建造物等放火、殺人、殺人未遂の事案の上告審において、多数の死者が出ることを確定的に認識していたわけではないこと、前科がないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、上告を棄却した事例。
2014.05.20
境界確定等(第1事件本訴)、所有権確認等(第1事件反訴)、損害賠償(第2事件)請求控訴事件
LEX/DB25503232/広島高等裁判所岡山支部 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第28号
一審原告国が、本件「境界確定協議書」により成立した本件各協議は、いずれも各民有地とこれに隣接する国有海浜地との所有権界を確定したものではなく、海陸の境界を確認したにすぎないものであり、本件各協議を前提としてされた本件各登記は無効であるなどと主張して、一審反訴原告らに対し、本件土地と本件国有海浜地との筆界の確定等を求め、一審反訴原告らが、一審原告国に対し、一審反訴原告らが本件係争地のうちの各部分の所有権を有することの確認等を求めたところ、一審反訴原告らの請求が一部認容され、双方が、控訴した事案において、本件筆界については、一審反訴原告ら主張線とすべきであり、一審反訴原告らの一審原告国に対する所有権確認請求は理由があるが、一審原告国の一審反訴原告らに対する所有権確認請求は理由がない等とし、本件各控訴を棄却した事例。
2014.05.20
損害賠償等請求事件
LEX/DB25503233/東京地方裁判所 平成26年2月26日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1837号
原告が、被告会社が発行する週刊誌の記事により原告の名誉が侵害されたと主張して、損害賠償及び謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件記事は、一般読者に対し、あたかも県知事であった原告が議員と結託して、自己の親族企業を諫早湾干拓地に入植させようと企図し、その政治力を背景に選考基準及び手続を歪曲し、農業振興公社をして親族企業を入植者として選定させたかのような印象を与え、原告の社会的評価を低下させるとし、請求を一部認容した事例。