2014.07.15
現住建造物等放火、電汽車往来危険、非現住建造物等放火被告事件
LEX/DB25503818/福岡高等裁判所 平成26年3月20日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第486号
判示第1の犯行(現住建造物等放火)は、苛立つ気持ちを鎮めたいなどという自分勝手な動機で、人が寝静まった深夜に他人の住居に放火して居住者や周辺住民の生命、身体等に重大な脅威を与えたというもので、大変危険な犯行であり、4棟の建物を全焼させた上、居住者1名を焼死させ、もう1名には重傷を負わせたという結果はあまりに重大であって、同種の事案の中でも相当に悪質な部類に属するとし、そのほか、被告人は、判示第1の犯行に続いて判示第2、第3の犯行(非現住建造物等放火、電汽車往来危険)に及び、重大な公共の危険や財産的被害を発生させているとして、被告人を懲役17年に処した原判決につき、被告人が控訴した事案において、被告人が軽度精神遅滞の障害を有していること、被告人が事実を認めて反省していることなど、被告人のために酌むべき事情を考慮し、その他、所論が指摘する諸点を逐一検討しても、被告人を懲役17年に処した原判決の量刑は、やむを得ないものであって、これが重過ぎて不当であるとはいえないとして、控訴を棄却した事例。