「LEX/DBインターネット」の「新着判例」コーナー
から、実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
ピックアップしてご紹介します。

その他の最新収録判例は、「LEX/DBインターネット」
ログイン後のデータベース選択画面にあります
「新着判例」コーナーでご確認いただけます。

「LEX/DBインターネット」の詳細は、こちらからご確認いただけます。

2014.07.22
殺人、同未遂被告事件(名張毒ぶどう酒殺人事件第8次再審請求審決定)
LEX/DB25503892/名古屋高等裁判所 平成26年5月28日 決定 (再審請求審)/平成25年(お)第7号
有機燐テップ製剤が混入したぶどう酒を飲んだ女性のうち5名が死亡し、12名が傷害を負った事案において死刑判決を受けた請求人が、確定判決に係る被告事件につき、刑事訴訟法435条6号所定の無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したため、再審を開始し、併せて請求人に対する刑の執行及び拘置を停止するよう求めた事案において、本件証拠は無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠をあらたに発見したときには当たらないとして、本件再審請求を棄却した事例。
2014.07.22
住居侵入、強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(二戸市同僚殺人事件)
LEX/DB25504088/仙台高等裁判所 平成26年5月27日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第6号
被告人が、パチンコに興じるあまり、自動車ローン等の返済に窮したことから、職場の同僚が自宅に置いている現金等をねらい、同人(当時31歳)方に侵入したが、寝室において同人に気づかれたことから、同人に対し、持っていた包丁(刃体の長さ約16.7センチメートル)で数回突き刺す等して同人を肺損傷による失血死により死亡させて殺害した上、現金約4万6000円等を強取したところ、原審が無期懲役を言い渡したため、被告人が、原判決の量刑は、犯情に関する評価の誤り等に基づくもので重すぎて失当であるとして控訴した事案において、原判決の量刑判断の内容に明らかな誤りはなく、量刑自体も裁量の範囲を逸脱しているとは認められないなどとして、控訴を棄却した事例。
2014.07.22
怠る事実の違法確認請求控訴事件
LEX/DB25503994/仙台高等裁判所秋田支部 平成26年5月26日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第4号
仙北市等が、税務課長が臨時税理士として確定申告を代理した際、住民らに無断で還付申告書を作成した上で国から還付された源泉所得税を差し押さえ、その際、県民税についても所得割課税所得を不正に減額して課税した結果、県に損害が生じたが、被告(被控訴人)が損害賠償請求を怠っている違法があると主張して、原告ら(控訴人)が、怠る事実の違法確認請求をしたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、各種所得控除自体はBらの利益に成り得るものであり、本件各確定申告書には、Bから入手したBらの各源泉徴収票が添付されていたことなどの事情からすれば、本件各確定申告書が何らBらの意思に基づかずに作成・提出されたとまでは認めることはできないとし、控訴を棄却した事例。
2014.07.22
住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25504083/東京高等裁判所 平成26年5月26日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第2124号
被告人が、被害者宅に侵入し、就寝中と解される被害者を殺害したとして起訴された事案の控訴審において、被告人と被害者の妻であるAとの間に被害者殺害の意思連絡が成立したことを推認させる事実はなく、本件は被告人の単独犯行と認められ、これと同趣旨を述べる原判決に事実誤認はないとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2014.07.22
損害賠償請求事件
LEX/DB25504094/神戸地方裁判所尼崎支部 平成26年5月15日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第529号
飲酒の影響で正常な運転が困難な状態であったPの運転する自動車が対向自動車に正面衝突し、対向車の運転者であるQが死亡した事故について、Qの相続人である原告らが、Pが運転を開始する前にPと一緒に飲酒するなどしていた被告らに対し、損害賠償を求めた事案において、被告GがR方に帰宅した際、Pは既に飲酒を開始しており、被告Gは、Pらに食事を提供したにとどまり、酒類を提供することはなかったというのであり、Pが飲酒により正常な運転ができない状態に陥ることに深く関与していたとはいえず、被告GにはPの飲酒運転を制止すべき法的義務が課される根拠となる先行行為が存在しないのであるから、上記法的義務は認められないとし、請求を棄却した事例。
2014.07.22
傷害被告事件(乳児揺さぶり無罪事件)
LEX/DB25504001/広島地方裁判所 平成26年4月21日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第878号
被告人が、長男Aに対し、その身体を両脇から抱え上げて激しく揺さぶる暴行を加え、よって、Aに完治不能の中枢神経障害後遺症を伴う急性硬膜下血腫の傷害を負わせたとして起訴された事案において、本件公訴事実記載の日時以前に、Aに慢性硬膜下血腫が生じており、それによって脳表と硬膜を結ぶ微細な血管が引っ張られ、その欠陥が自然にあるいは何らかの外部的圧力によって切れて急性硬膜下血腫を発症したというF医師の見解は否定できず、身体を激しく揺さぶる暴行がなくてもAに急性硬膜下血腫等の傷害が生じた可能性があり、間接事実を併せ考えても、被告人がAの身体を激しく揺さぶったと推認することはできないとし、無罪を言い渡した事例。
2014.07.22
事業判断取消し請求事件(広島高速5号線二葉山トンネル行政訴訟)
LEX/DB25504000/広島地方裁判所 平成26年3月19日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第23号
広島高速道路公社が、高速道路整備事業の一環として建設を計画していた本件トンネルについて、工事を一旦休止していたところ、知事と市長が、本件事業を再開するとの判断をしたことにつき、原告らが、本件事業判断について、行政事件訴訟法上の処分に当たり、また、前提となった安全検討委員会の審議が不十分であった等の違法があるとして、取消しを求めた事案において、本件事業判断は、何らかの法律上の根拠に基づく行為ではなく、本件公社が事実上休止している本件事業について、本件公社の設立団体の長として再開するという意思決定を行い、それを対外的に表示したものにすぎないというべきであるから、これによって、私人の権利義務関係に対して何らかの法律上の効果を発生させるものとは認められないとし、訴えを却下した事例。
2014.07.22
国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反(変更後の訴因:麻薬特例法違反、関税法違反)(認定罪名:覚せい剤取締法違反、関税法違反)被告事件
LEX/DB25503346/東京地方裁判所 平成26年3月18日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第220号
ルーマニア国籍の被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、関税法上の輸入してはならない貨物である覚せい剤を輸入しようとしたが、東京税関東京外郵出張所職員に発見されたため、これを遂げなかったとして起訴された事案において、被告人の輸入した郵便物の一部について、覚せい剤の営利目的輸入の共同正犯及び関税法上の輸入してはならない貨物の輸入未遂の共同正犯が成立するとして、懲役12年及び罰金600万円を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.07.15
損害賠償請求事件
LEX/DB25504035/千葉地方裁判所松戸支部 平成26年5月16日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第863号
相撲部屋に入門した元力士である原告甲及び原告乙が、原告甲については、同部屋所属の行事である被告丙から、たびたびセクハラ行為を受けたことにより引退を余儀なくされたとして、丙に対しては不法行為に基づき、同部屋の経営者である故親方の相続人ら(被告丁ら)に対しては使用者責任に基づき、損害賠償金の支払いを、原告乙については、担当した食事であるちゃんこの味付けが薄いことに立腹した故親方から、直接又は同人の指示を受けた力士を介して暴行を受けたことにより、引退を余儀なくされたとして、被告丁らに対し、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求めた事案において、原告らの主張を認めず、請求をいずれも棄却した事例。
2014.07.15
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504032/高松高等裁判所 平成26年5月15日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第282号
被控訴人(被告)社会福祉法人の設置運営する知的障害者地域生活支援センターにおいて、同施設に入院していた控訴人(原告)甲が、小腸断裂による急性汎発性腹膜炎となり、その結果、重大な後遺症を負うに至ったことについて、甲の小腸断裂は、被控訴人(被告)丁の暴行によるものであり、被控訴人社会福祉法人及び同施設の最高経営責任者である被控訴人(被告)丙は、丁を指揮監督し、暴行を防止すべきであったなどとして、不法行為等に基づく損害賠償金の支払いを求め(第1事件)、また、控訴人らが、被控訴人社会福祉法人及び被控訴人丙に対して、約定のサービスを提供しなかったとして不法行為ないし債務不履行に基づく慰謝料の支払いを求め(第2事件)、原審が請求をいずれも棄却した控訴人が控訴した事案において、原判決を一部変更し、丁による暴行の事実を認め、被控訴人社会福祉法人及び被控訴人丙に対する請求を一部認容した事例。
2014.07.15
業務上過失傷害被告事件
LEX/DB25446487/札幌地方裁判所 平成26年5月15日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第670号
スクーバダイビングのガイドダイバーとしてダイビング客の引率業務に従事していた被告人が、初級者ダイバーの動静注視を怠り、パニック状態に陥った同人を溺水させ、後遺障害を伴う低酸素脳症、急性肺水腫等の傷害を負わせたとして、業務上過失傷害罪で起訴された事案において、検察官の立証は、予見可能性、注意義務、結果回避可能性ないし因果関係のいずれの面においても不十分であるから、被告人には本件傷害について過失があったとは認められないとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2014.07.15
葛城市クリーンセンター建設許可差止請求控訴事件
LEX/DB25504165/大阪高等裁判所 平成26年4月25日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第146号
奈良県葛城市當麻に居住する原告(控訴人)らが、被告(被控訴人)の知事である行政処分庁において、葛城市に対し、金剛生駒紀泉国定公園の第2特別地域内に所在する計画図の赤線で囲まれた部分の土地に一般廃棄物処理施設の建設に係る自然公園法20条3条に基づく許可をすることの差止めを求めたところ、原審は、処分行政庁が本件許可をするとの蓋然性があるといえないし、本件許可によって「重大な損害を生ずるおそれ」があるともいえず、さらに、原告らの主張する損害はこれを「避けるため池に適当な方法がある」として、訴えを却下したため、原告らが控訴した事案において、本件訴えを不適法であるとして訴えを却下した原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2014.07.15
国選弁護報酬等請求事件(国選弁護報酬等請求事件 法テラスを提訴)
LEX/DB25503811/佐賀地方裁判所 平成26年4月25日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第143号
被告(日本司法支援センター)との間で普通国選弁護人契約を締結した弁護士である原告らが、殺人未遂及び銃砲刀剣類所持等取締法違反事件において、国選弁護人として被告人の責任能力を争う弁護活動を行ったことによって、心神耗弱を認める判決が言い渡され、国選弁護人報酬の算定基準における特別成果加算報酬の支払要件を充足したなどと主張して、被告に対し、原告X1について14万9682円、原告X2について14万0682円の特別成果加算報酬の支払を求めるととも、選択的に、被告が特別成果加算報酬を支給しない旨の決定をしたことは違法であるなどと主張して、被告に対し、民法709条に基づき、各特別成果加算報酬の金額に相当する損害賠償の支払等を求めた事案において、原告らは、被告人の心神耗弱という刑の減軽事由があることを争点として弁護活動をしたとはいえず、また、算定基準30条ただし書は憲法37条に違反するものではないとし、原告らの各請求をいずれも棄却した事例。
2014.07.15
損害賠償請求事件(別府市入札外し損害賠償請求事件)
LEX/DB25503816/大分地方裁判所 平成26年3月31日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第983号
別府市長選挙において選出された被告代表者市長の対立候補であった者の父が代表を務める建設業者である原告が、被告代表者市長が同市長選挙後に実施した要件設定型一般競争入札において、「P点が850点以上であること」という競争参加資格を設定したことは原告を入札に参加させないためであって、その裁量権を逸脱し、又は濫用した違法があるなどと主張して、被告(別府市)に対し、国家賠償法1条1項による損害賠償の支払を求めた事案において、被告市長がした資格要件設定について、その裁量権を逸脱し、又は濫用した違法があるとはいえないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.07.15
政務調査費返還請求事件(住民訴訟)
LEX/DB25503813/大阪地方裁判所 平成26年3月26日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第27号等
大阪市の住民である第1事件及び第2事件の原告らが、大阪市の会派である補助参加人の各政党の市議団は、平成20年度の政務調査費(第1事件に係るもの)及び平成21年度の政務調査費(第2事件に係るもの)の一部を大阪市が定めている政務調査費の使途基準に違反する支出に充当しており、かつ、そのことについて悪意であるから、大阪市は上記補助参加人に対する不当利得返還請求権又は不法行為に基づく損害賠償請求権を有するにかかわらず、大阪市の執行機関である被告はその行使を怠っていると主張して、上記各補助参加人を相手方として、不当利得金及び損害金等の支払を求めた住民訴訟の事案において、原告らの請求のうち、別紙3の1の番号76~87記載の各支出に関する部分は監査請求を経ていないから不適法な訴えとして一部却下し、原告らの各請求権の求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求は一部棄却した事例。
2014.07.15
現住建造物等放火、電汽車往来危険、非現住建造物等放火被告事件
LEX/DB25503818/福岡高等裁判所 平成26年3月20日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第486号
判示第1の犯行(現住建造物等放火)は、苛立つ気持ちを鎮めたいなどという自分勝手な動機で、人が寝静まった深夜に他人の住居に放火して居住者や周辺住民の生命、身体等に重大な脅威を与えたというもので、大変危険な犯行であり、4棟の建物を全焼させた上、居住者1名を焼死させ、もう1名には重傷を負わせたという結果はあまりに重大であって、同種の事案の中でも相当に悪質な部類に属するとし、そのほか、被告人は、判示第1の犯行に続いて判示第2、第3の犯行(非現住建造物等放火、電汽車往来危険)に及び、重大な公共の危険や財産的被害を発生させているとして、被告人を懲役17年に処した原判決につき、被告人が控訴した事案において、被告人が軽度精神遅滞の障害を有していること、被告人が事実を認めて反省していることなど、被告人のために酌むべき事情を考慮し、その他、所論が指摘する諸点を逐一検討しても、被告人を懲役17年に処した原判決の量刑は、やむを得ないものであって、これが重過ぎて不当であるとはいえないとして、控訴を棄却した事例。
2014.07.15
文書非開示処分取消等請求事件
LEX/DB25503817/福岡地方裁判所 平成26年3月18日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第54号
芦屋町所在の特定非営利活動法人である原告が、芦屋町情報公開条例(昭和61年芦屋町条例第38号)に基づき、実施機関である芦屋町長に対し、「平成22年度高齢者福祉施設整備について(協議)」と題する芦屋町長が福岡県知事に出した鑑文書(本件文書1)及び「平成22年度高齢者福祉施設整備について(協議)」と題する法人が芦屋町長宛てに出した鑑文書(本件文書2)の公開を請求したところ、一部を非公開とする処分を受けたことから、被告を相手方として、本件処分のうち、本件文書1のうち記「2(5)設置予定地」を非公開とした部分、及び本件文書2のうち記「5 設定予定地」を非公開とした部分の取消しを求めるとともに、本件設置予定地部分について公開の義務付けを求めた事案において、本件設置予定地部分が公開されることによって、本件事業者の信用や社会的評価が傷つけられたり、競争上の利益が害されたりするなど、本件事業者の競争上の地位その他正当な利益が害されることが客観的に明らかであるとはいえず、本件設置予定地部分は、芦屋町情報公開条例6条1項2号本文の非公開情報に該当するとはいえないとして、原告の請求を認容した事例。
2014.07.08
土地収用法に基づく事業認定処分取消請求事件(事業認定取消(辰巳ダム)訴訟判決)
LEX/DB25504106/金沢地方裁判所 平成26年5月26日 判決 (第一審)/平成20年(行ウ)第2号
犀川辰巳治水ダム建設事業を施行する土地のうち収用部分の土地を所有する原告らが、処分行政庁(国土交通省北陸地方整備局)が平成19年11月28日付で土地収用法に基づいてした本件事業認定に関し、治水目的や利水目的などの得られる利益は存在せず、他方、地すべりの危険が増大することに加え、本件起業地周辺の自然環境や辰巳用水などの文化遺産が失われるなどの理由により、土地収用法20条3号及び同条第4号に違反すると主張して、処分行政庁の属する被告(国)に対し、本件事業認定認定の取消しを求めた事案において、本件事業は土地収用法20条3号及び第4号にも適合しているから、本件事業認定は、適法な認定処分であると認められるとして、原告らの請求を棄却した事例。
2014.07.08
発信不許可処分取消請求事件
LEX/DB25504117/大阪地方裁判所 平成26年5月22日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第96号
死刑確定者として大阪拘置所に収容中の原告が、平成25年4月1日付けで、原告が書いた原稿が同封されたα宛の信書の発信を申請したところ、処分行政庁(大阪拘置所)が同月5日付けで同申請を不許可としたことから、被告(国)に対し、本件不許可処分の取消しを求めた事案において、本件信書は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条2項により発信が許されるべき信書で、本件信書の発信を制限することは、必要性及び合理性を欠くものであることは明らかであるとし、本件不許可処分は、裁量権の範囲を逸脱したものとして違法であるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.07.08
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504017/東京高等裁判所 平成26年5月21日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第419号
控訴人(被告、千葉県)が設置するがんセンターの手術管理部に勤務する麻酔科の医師であった被控訴人(原告)が、同部の部長を通すことなく、同センターのセンター長に直接上申したところ、同部長から、一切の手術の麻酔担当から外すなどの報復を受け、退職を余儀なくされたとして、国家賠償法1条1項又は民法715条1項に基づく損害賠償として賠償金の支払いを求め、原審は、慰謝料として50万円の限度で被控訴人の請求を認容し、控訴人が控訴をしたとの事案において、原判決を変更し、控訴人の支払うべき金額を30万円に減額した事例。