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2014.09.30
身の代金拐取、拐取者身の代金要求、窃盗、監禁被告事件(田園調布女子中学生身代金誘拐事件)
LEX/DB25504538/東京地方裁判所 平成26年7月17日 判決 (第一審)/平成25年(合わ)第236号等
被告人が、共犯者2名と共謀の上、被害者の安否を憂慮する近親者からその憂慮に乗じて現金を交付させる目的で被害者を略取した上、被告人単独で被害者の母に対し身代金を要求し、前記共犯者2名と共謀のうえ、被害者を不法に監禁したとして起訴された事案において、犯行を詳細に計画し、共犯者2名を手足として用い、自らは車両の運転や身の代金要求を行って犯行を実現している点で、被告人は本件の主謀者的立場にあったと評価でき、その刑事責任は重いとし、被告人に懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
永住外国人生活保護訴訟(受給権否定)
LEX/DB25504546/最高裁判所第二小法廷 平成26年7月18日 判決 (上告審)/平成24年(行ヒ)第45号
永住者の在留資格を有する外国人である被上告人(原告・控訴人)が、生活保護法に基づく生活保護の申請をしたところ、却下処分を受けたとして、上告人(大分市。被告・被控訴人)に対し、その取消を求めた事案の上告審において、生活保護法の適用の対象につき定めた生活保護法1条及び生活保護法2条にいう「国民」とは、日本国民を意味するものであって、外国人はこれに含まれないと解されることなどからすると、外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきであるとし、当該却下処分は、生活保護法に基づく受給権を有しない者による申請を却下するのものであり適法であるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、上告人敗訴部分につき、被上告人の控訴を棄却した事例。
2014.09.22
住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(ストーカー殺人事件)
LEX/DB25504614/東京地方裁判所立川支部 平成26年8月 1日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1196号
被告人は、元交際相手である被害者(当時18歳)を殺害する目的で、平成25年10月8日午前8時55分頃から同日午前10時40分頃までの間に、東京都三鷹市の被害者の父方に無施錠の2階南東側掃き出し窓から侵入し、同日午後4時54分頃、ブロック塀等で囲繞された同人方敷地内及び同人方前路上において、被害者に対し、殺意をもって、その右頸部及び腹部等を持っていたペティナイフ(刃体の長さ約12.7センチメートル)で多数回突き刺すなどし、よって、同人を右側頸部刺突に基づく右総頸動脈損傷による失血により死亡させ、また、業務その他正当な理由による場合でないのに、同日午後4時54分頃、前記被害者の父方敷地内及び同人方前路上において、前記ペティナイフ1丁を携帯したものであるとして、被告人を懲役22年に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
損害賠償(株主代表訴訟)請求控訴事件(金融庁による課徴金納付命令等をめぐる株主代表訴訟)
LEX/DB25504493/東京高等裁判所 平成26年4月24日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第734号
本件会社(被控訴人補助参加人)の株主である控訴人(原告)らが、株主代表訴訟として、本件会社が所有する不動産の流動化の実行に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人(被告)らに対し、改正前の商法266条1項5号による損害賠償請求権に基づき、また、不動産の流動化の終了に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人らに対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償の支払いを求め、原審が請求を却下ないし棄却した事案において、原判決は相当であるとして、各控訴をいずれも棄却した事例。
2014.09.22
違法公金支出返還請求事件(静岡県補助金支給違法判決)
LEX/DB25504501/静岡地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第1号
静岡県の住民である原告らが、静岡県知事が特定の団体に補助金を交付したことは違法であるなどと主張し、被告(静岡県知事)に対し、補助金を支出した静岡県知事である甲に対して、損害賠償請求をすること、及び、当該団体に関与した静岡県職員である乙に対して、損害賠償請求をすることを求めた事案において、乙に対する請求は、住民訴訟の類型に該当しないとして却下し、甲に対する請求を認容した事例。
2014.09.22
国家賠償請求事件(受刑者の面会制限違法判決)
LEX/DB25504494/東京地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第36742号
原告らが、無期懲役刑で服役中の受刑者と当該受刑者の妻である原告甲との面会及び当該受刑者とその余の原告らとの各面会を徳島刑務所長が不許可としたこと、原告甲が当該受刑者に充てた9通の信書の各一部を徳島刑務所長が抹消したことについて、各処分は違法なものであるなどと主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案において、原告甲の請求を一部認容し、その余の請求を棄却し、その余の原告らの請求を棄却した事例。
2014.09.22
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25504573/福岡地方裁判所小倉支部 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第838号
被告人が、法定の除外事由がないのに、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン又はその塩類若干量を自己の身体に摂取し、覚せい剤を使用した事案において、被告人はその意思に基づかずに覚せい剤を注射されたのではないかと具体的にうかがわせる事情があることなどから、被告人が自らの意思に基づき覚せい剤を使用したという点に合理的疑いが残るというべきであるとして、無罪を言い渡した事例。
2014.09.22
親子関係不存在確認請求控訴事件(嫡出否認の訴えの出訴期間の違憲性(原審))
LEX/DB25504548/高松高等裁判所 平成25年11月21日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第270号
控訴人(一審原告)が、妻Aとの婚姻中に出生した被控訴人(一審被告)両名に対し、控訴人と被控訴人両名との間には生物学上の父子関係が存在しないから、嫡出否認の訴えによることなく親子関係不存在確認の訴えにより戸籍上の父子関係を否定できるとして、親子関係不存在確認を求めた事案の控訴審において、被控訴人らは、控訴人の嫡出子であるとの推定が及ばない子であるとは認められず、本件訴えは嫡出否認の訴えの出訴期間経過後に提起された不適法な訴えであるとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.22
不当利得返還請求事件
LEX/DB25446573/横浜地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第839号
中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的とする信用保証協会法に基づいて設立された法人である原告が、訴外A社の被告に対する貸金債務についての保証契約は錯誤により無効であり、また、被告のA社への貸付けについて被告の保証契約違反によって免責されると主張して、不当利得返還請求権に基づき、代位弁済金の支払を求めた事案において、A社が中小企業者であること及び資金使途が事業資金であることが、本件各保証契約の内容になっていたということはできず、本件錯誤が要素の錯誤に該当すると認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.09.16
オウム真理教 教団元幹部裁判
LEX/DB25504571/東京地方裁判所 平成26年6月30日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第163号
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして、教団元幹部の被告人が、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の幇助罪に問われた事案において、遅くとも3回目の薬品の運搬をした平成7年4月23日以降、被告人が、(1)BらがAの逮捕を阻止し、教団を守るため、運搬に係る薬品を用いて何らかの化合物を合成し、(2)それを用いて事件を起こすものであり、(3)その際には人の殺傷を伴うことがあり得ることをいずれも認識したと認めることができるが、被告人が、Bらが運搬に係る薬品を用いて爆発物を製造し、事件を起こす際にこれを使用する意図であることを認識したと認めるには疑いが残るとし、被告人については、爆発物製造及び爆発物使用の罪については幇助の意思が認められないから、その幇助罪は成立せず、殺人未遂罪については、幇助の意思が認められ、同罪の幇助罪が成立するとして、被告人を懲役5年に処した事例。
2014.09.16
放送受信料請求事件
LEX/DB25446598/最高裁判所第二小法廷 平成26年9月5日 判決 (上告審)/平成25年(受)第2024号
上告人(日本放送協会)の放送の受信契約における受信料は、月額又は6箇月若しくは12箇月前払額で定められ、その支払方法は、1年を2箇月ごとの期に区切り各期に当該期分の受信料を一括して支払う方法又は6箇月分若しくは12箇月分の受信料を一括して前払する方法によるものとされており、上告人の前記契約に基づく受信料債権は、年又はこれより短い時期によって定めた金銭の給付を目的とする債権に当たり、その消滅時効期間は、民法169条により5年と解すべきであるとして、本件上告を棄却した事例。
2014.09.16
法人税更正処分取消等請求控訴事件(日産自動車税務訴訟)
LEX/DB25504422/東京高等裁判所 平成26年6月12日 判決 (控訴審)/平成24年(行コ)第480号
控訴人(原告)が、控訴人と同人の本件各子会社との間で会社の分割、新株の発行、減資及び減準備金並びに会社の合併という一連のいわゆる本件事業再編をしたところ、処分行政庁から、減資及び減準備金に伴い、平成17年改正前の旧商法213条1項の規定に基づいて本件各子会社が発行した株式の一部が消却されて、それらを保有していた控訴人に一定の金額が払い戻されたことに関し、控訴人に払い戻された払戻額が、消却された本件各子会社株式の譲渡に係る適正な対価の額に比して低いから、控訴人は法人税の確定申告において有価証券の譲渡に係る譲渡損失額を過大に計上したなどとして、本件各更正処分等を受けたことから、それらの各取消を求めた事案の控訴審において、上記払戻超過額は、法人税法22条2項所定の「収益」として計上することができ、また、本件における適正な「譲渡対価の額」と払戻額との差額は、対価のない経済的利益であり、法人税法37条7項所定の「寄附金」に該当し、さらに、上記株式消却における「譲渡対価の額」を、合併比率算定書における本件各子会社株式の価額に基づき算定したことは相当であるなどとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.16
文書一部不開示決定処分取消等請求控訴事件、同附帯控訴事件(日韓国交正常化交渉文書の開示請求事件)
LEX/DB25504452/東京高等裁判所 平成26年7月25日 判決 (控訴審)/平成24年(行コ)第412号等
一審原告らが、外務大臣に対し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき、日本と大韓民国との間で、昭和26年に開始し昭和40年に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」の締結に至るまで約14年間にわたって実施された日韓国交正常化交渉に係る行政文書の開示を請求したところ、外務大臣から当該各行政文書中の全部又は一部につき同法5条3号、4号等所定の不開示情報に該当するとして開示しない旨の決定を受けたため、一審被告に対し、上記各処分の取消しと不開示部分を開示することの義務付けを求めた事案の控訴審において、(1)一審被告の控訴に基づき、原判決中一審被告敗訴部分のうち、一部を取り消し、上記取消しに係る部分につき一審原告らの請求をいずれも棄却する、一審原告らの義務付けの訴えをいずれも却下するとし、(2)一審原告らの附帯控訴に基づき、原判決中一審原告ら敗訴部分のうち、一部を取り消し、原決定中上記各部分に係る部分を取り消し、上記各部分につき一審被告に一審原告らに対して開示すべきことを命ずる、一審原告らのその余の附帯控訴をいずれも棄却するとした事例。
2014.09.16
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件(三鷹市路線バス痴漢冤罪事件)
LEX/DB25504420/東京高等裁判所 平成26年7月15日 判決 (第一審)/平成25年(う)第1069号
被告人が、バス内において、当時17歳のAに対して痴漢行為に及んだという公訴事実につき、原判決が被告人を有罪としたことから、車載カメラの映像からすれば、両手が塞がっている被告人がAの供述するような痴漢行為に及ぶことは物理的に不可能であり、原判決の認定判断は論理則及び経験則に違反しているとして、控訴した事案において、被害者とされるAの供述の信用性を全面的に肯定して被告人を有罪とした原判決の認定判断は、論理則、経験則等に照らして不合理であって、是認できないとして、原判決を破棄し、被告人を無罪とした事例。
2014.09.16
強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗未遂被告事件(吉祥寺通り魔控訴事件)
LEX/DB25504424/東京高等裁判所 平成26年7月10日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第543号
当時18歳6か月であった被告人が、Aと共謀の上、強盗殺人に及んだという公訴事実につき、原判決が被告人を無期懲役に処したため、被告人が控訴した事案において、被告人とAとの一連の言動とそれを踏まえた刺突行為の態様に照らせば、少なくとも、Aが「俺が先に刺すからお前も刺せよ」と言って被害者に近づいていった時点には、被告人とAとの間において、ペティナイフで被害者の身体を刺突することによって被害者に致命傷を与える可能性があることを認識するとともに、そうなってもかまわないという意思を共有して、その旨の共謀が成立したと認められ、他方、本件について、少年院送致などの保護処分を選択することは考え難く、無期懲役刑を減じて有期懲役刑を科するのが相当といえるほどの事情もないとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.16
公金支出等差止請求事件(安曇野市 住民訴訟)
LEX/DB25504427/長野地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第3号
安曇野市の住民である原告らが、同市市役所新庁舎建設事業に関し、安曇野市の財政状況からすると行政が正常に行えないおそれがある上、既存施設の利用が可能であり、投下費用に比して効果が期待できないとして、被告(安曇野市長)に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、上記事業に係る公金の支出等を差し止めるように求めた事案において、本件訴訟のうち死亡した各原告の部分は当然に終了したとして、その宣言をし、他方、上記事業に係る公金の支出は適法と認められるとして、その余の原告らの請求を棄却した事例。
2014.09.16
業務上横領、有印私文書偽造、同行使被告事件
LEX/DB25504425/名古屋高等裁判所 平成26年7月23日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第50号
A社の参与として、同社の預金の管理及び小切手の振出等の業務を統括していた被告人が、原審分離前の相被告人B(A社の常務取締役)と共謀の上、A社の当座預金を業務上預かり保管中、A社においてC社に対する金融支援を行わない旨の方針が確認され、重要な財産の処分に当たる場合には取締役会の決議を経る必要があったにもかかわらず、C社に対する従前の不正な手形保証の事実を隠蔽するために、上記方針に反し、かつ、重要な財産処分に当たる融資に関する正規の手順、方式を履践しないまま、被告人において、A社の取締役社長名義で振り出した手形を銀行に呈示し、その額面金額をC社の口座に入金させて融資したほか、かかる不正融資を隠蔽するため、有印私文書を偽造し、これを行使したという公訴事実につき、原判決が被告人を有罪としたことから、控訴した事案において、原判決の認定については、上記融資が権限なくされたと認めた点を含め、論理則、経験則等に照らして不合理で、是認し難い誤りがあるとは認められないとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.16
強盗致傷被告事件
LEX/DB25504428/津地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第26号
さい銭箱から現金を盗もうとした原告が、見回り中の被害者α(当時66歳)から声をかけられて逃走する際、逮捕を免れるため、αに暴行を加えて全治約3か月間を要する傷害を負わせた事案において、金品窃取に至らずに逮捕を免れるために傷害を負わせた事案全体の中で悪質な部類に属するとし、被害者の処罰感情が激しいのも当然であるなどとして、被告人を懲役5年の実刑に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.16
政務調査費返還履行請求事件
LEX/DB25504426/札幌地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第42号
原告(市民オンブズマン)が、北海道議会の会派である被告補助参加人らにおいて、政務調査費の一部を、平成21年改正前の北海道議会の会派及び議員の政務調査費に関する条例並びに北海道議会の会派及び議員の政務調査費に関する規程により定められた本件使途基準所定に反して支出したとして、被告に対し、地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき、参加人らに対してその返還を請求するよう求めた事案において、本件使途基準が調査研究費の内容として定める「会派が行う道の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費」とは、会派の議会活動の基礎となる調査研究及び調査の委託に要する経費をいうものであり、会派としての議会活動を離れた活動に関する経費又は当該行為の客観的な目的や性質に照らして会派の議会活動となる調査研究活動との間に合理的な関連性が認められない行為に関する経費は、これに該当しないものというべきであるところ、この見地からすれば、政党の地方機関である参加人らが道内にある政党の支部の連合体である支部との間で締結した政務調査業務委託契約に基づいて支出した費用の2分の1等は、本件使途基準に反するものと認められるなどととして、請求の一部を認容した事例。
2014.09.16
損害賠償請求行為等請求控訴事件
LEX/DB25504489/大阪高等裁判所 平成26年7月15日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第201号
京都市の住民である一審原告らが、京都市が、京都市市医70名に対する謝礼(市医謝礼)として、京都市市医会に対し、平成23年4月、5月、10月及び11月に市医1名当たり月額1万4200円の合計397万6000円(源泉徴収前のもの)を支払ったことについて、市医謝礼には、対価性がない、給与条例主義に反するなどの違法があり、これによって京都市が損害又は損失を被ったと主張して、一審被告(京都市長)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、専決権者である者に対しては地方自治法243条の2第3項に基づく損害賠償命令をすることを、専決権限なき専決者である者及び本来的権限者である京都市長であるAに対しては民法709条に基づく損害賠償を請求することを、市医会から会費残金の保管及び必要な残務処理に係る権利義務を承継した市医会残務処理委員会に対しては不当利得の返還請求をすることを、それぞれ請求した事案の控訴審において、本件市医謝礼の支出が違法であるとは認められず、一審原告らの本件各請求は、理由がないからいずれもこれを棄却すべきであるとし、これと異なる原判決は失当であるから、一審被告の控訴に基づき原判決中一審被告敗訴部分を取消して同取消部分に係る一審原告らの各請求をいずれも棄却し、一審原告ら補助参加人の本件控訴を棄却するとした事例。