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2015.08.25
遺族補償年金等不支給決定処分取消請求控訴事件
(遺族年金 大阪高裁 男女差は合憲 夫が逆転敗訴)
LEX/DB25540665/大阪高等裁判所 平成27年 6月19日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第211号
原告(被控訴人)の妻が、公務により精神障害を発症し、自殺したため、原告が、遺族補償年金の支給請求をするとともに、遺族特別支給金等の支給申請をしたが、いずれも不支給とする旨の決定を受けたため、被告(控訴人)地方公務員災害補償基金に対し、上記処分の取消しを求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、今日の社会情勢の下においても、妻については、年齢を問わずに「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認めて、遺族補償年金を受給できるものとするが、夫については、「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認められる一定の年齢に該当する場合に遺族補償年金を受給できるものとする旨の遺族補償年金の受給要件に係る区別を設けた本件区別は、合理性を欠くということはできないとし、原判決を取り消し、原告の請求を棄却した事例。
2015.08.25
地位確認等請求事件
LEX/DB25540666/東京地方裁判所 平成27年 6月19日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第10293号
被告に雇用されていた原告が、本件解雇は、労働基準法に違反し、解雇の正当性を裏付ける証拠もないから無効であるとして、被告との間の雇用契約上の地位を有することの確認等を求めた事案において、本件労働審判の確定で、原告と被告との間では、原告が平成26年4月4日をもって被告を退職し、本件解決金及び本件退職金の支払義務のほかに何らの債権債務がないことを確認することに裁判上の和解と同一の既判力を含む効力が生じており、原告と被告との間に本件解約金及び本件退職金以外に何らか権利関係又は債権債務が仮に存在していたとしても、少なくとも雇用契約及び本件解雇に社会的又は経済的に密接に関連する範囲において、本件労働審判の確定に伴い消滅したというべきであるとし、請求を棄却した事例。
2015.08.25
配転命令無効等、損害賠償反訴請求控訴事件(日本ボクシングコミッション(JBC)控訴棄却)
LEX/DB25540662/東京高等裁判所 平成27年 6月17日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第6538号
日本のプロボクシングを統括する機関である被告(控訴人)の本部事務局長である原告(被控訴人)が、被告が原告に対してした本件降格処分、本件懲戒解雇処分等はいずれも無効なものであると主張して、被告に対し、原告が被告との間で雇用契約上の地位を有することの確認等を求め、被告が、原告による職務専念義務違反等があったとして、損害賠償を求めたところ、原審が、原告の請求を一部認容し、被告の請求を棄却したため、被告が控訴した事案において、一連の事実経過に照らせば、原告が本件降格処分を異議なく受け入れる意思を有していたとは解されず、他に本件降格処分につき原告の承諾があったことを認めるに足りる証拠はないとし、控訴を棄却した事例。
2015.08.25
損害賠償(国家賠償)請求事件(秦野市 井戸設置禁止条例 「合憲」確定)
LEX/DB25540463/最高裁判所第二小法廷 平成27年 4月22日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第668号等
原告(被控訴人兼附帯控訴人・上告人兼申立人)が、被告秦野市(控訴人兼附帯被控訴人・被上告人兼相手方)の農業委員会及び環境保全課の職員らに対し、秦野市内の原告所有土地について農家用住宅を建築することや井戸を設置することなどを相談したところ、その職員らが違法な説明をしたために、農家用住宅の建築が遅延し、また、水道を敷設せざるを得なくなったなどと主張して、被告に対し国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償の支払を求めた第一審では、原告の請求を一部認容したため、被告が控訴し、原告が附帯控訴をしたところ、控訴審では、被告職員の説明ないし対応が国家賠償法上違法であるとは認めることはできないなどとして、原判決中の被告敗訴の部分を取り消し原告の請求を棄却し、原告の附帯控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件上告を棄却し、上告審として受理しないと決定した事例。
2015.08.25
(広島 義妹虐待死 上告棄却)
LEX/DB25540462/最高裁判所第三小法廷 平成27年 4月17日 決定 (第二次上告審)/平成26年(あ)第1567号
被告人A及び被告人Bの両名が、自宅において、Bの妹であり、医師により統合失調症の診断を受けていた被害者を引き取り同居し、日常的に同人に虐待を加えていたが、被害者が極端に衰弱しているのを知りながら、共謀の上、生存に必要な保護を加えず、同人を死亡させたとの各保護責任者遺棄致死被告事件の事案の第二次上告審において、被害者が、24時間の付添いを要する重度の統合失調症と診断されるような精神状態であったことに加え、死亡した日の3週間前の時点では極度に衰弱した状態にあったことから、自ら進んで必要な医療措置を受けるなどの行動を期待することができなかったこと等を認定して各被告人の控訴を棄却した原審の判断を支持して、弁護人の上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、被告人Aによる本件上告を棄却した事例。
2015.08.18
損害賠償請求事件 (株主 VS オリンパス株式会社)
LEX/DB25540718/大阪地方裁判所 平成27年 7月21日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第3287号等
被告会社の株式を取得した原告らが、被告会社において提出し、公衆の縦覧に供された平成13年3月期~平成24年3月期第1四半期に係る各有価証券報告書及び四半期報告書に、連結純資産額について約500億円~約1200億円を嵩上げする等の虚偽記載があったことにより損害を被ったと主張して、民法709条又は原告Z3及び原告Z11が平成23年5月以降に取得した株式については金融商品取引法21条の2による損害賠償請求権に基づき、各金員及び各金員に対する各訴状送達日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、原告らの請求を一部認容した事例。
2015.08.18
納付通知処分取消請求事件(ビジネス・ワンホールディングス株式会社 VS 国)
LEX/DB25540694/福岡地方裁判所 平成27年 6月16日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第60号
H社(本件滞納者)が、原告に対し、本件マンションの各区分建物の一部を譲渡したところ、処分行政庁である福岡国税局長が、原告に対し、本件譲渡は国税徴収法39条に定める「著しく低い額の対価による譲渡」に当たるとして,本件滞納者の滞納に係る国税につき第二次納税義務に基づく納付告知処分をしたため、原告が、被告国に対して、本件処分の取消しを求めた事案において、本件譲渡は、被告の依拠する基本通達にいう「おおむね2分の1」の要件をも満たさないし、国税徴収法39条にいう「著しく低い額の対価による譲渡」に当たるとはいえないとし、第二次納税義務の納付告知処分を取り消し、原告の請求を認容した事例。
2015.08.18
現住建造物等放火被告事件(寄居の住宅放火事件)
LEX/DB25540586/さいたま地方裁判所 平成27年 6月15日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第1208号
被告人が、ストレスを発散するため、2名が現にいる居宅(木造トタン葺平屋建、床面積約115.03平方メートル)に隣接した作業場建物の軒下に積み上げられていた段ボールにライターで着火して火を放ち、同作業場建物を介して前記居宅を全焼させて焼損した事案において、火災が発見されにくい夜明け前に、人が居住する民家の敷地内に大量に積み上げられて、燃え広がりやすい段ボールに放火したという犯行態様の危険性は高く、これにより居宅が焼け落ち、そこに居住していた2名が逃げ切れず一酸化炭素中毒により死亡したものであり、その危険性を正に現実化させているとし、被告人の犯行が、不特定又は多数の人の生命、身体、財産に脅威を及ぼした程度は極めて高いといえ、ストレスを発散するために火を放つという動機に酌量の余地は全くなく、被告人が居宅を燃焼させる積極的な意図を有していなかったことを考慮しても、本件は、同様の動機による現住建造物等放火の事案の中で特に重い部類に位置付けられるとして、懲役13年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2015.08.18
新文化複合施設工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件
(米沢市の新文化複合施設 公金支出差止請求)
LEX/DB25540589/仙台高等裁判所 平成27年 6月 5日 判決 (控訴審)/平成27年(行コ)第3号
米沢市の住民である控訴人らが、米沢市が計画を進める新文化複合施設整備事業につき、当該事業に関する公金支出は目的外支出として違法であり、当該事業のための公金支出等に係る議決は無効である等と主張して、被控訴人(米沢市長)に対し、当該事業に関する公金の支出、契約の締結、債務その他義務の負担をしないよう求めるとともに、当該事業に関して既に支出された公金の支払いを請求した事案の控訴審において、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.08.18
損害賠償等請求控訴事件 (逮捕記事の検索結果表示差し止め 二審も棄却)
LEX/DB25540592/大阪高等裁判所 平成27年 6月 5日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第2838号
控訴人が、インターネット上の検索サイトである本件サイトにおいて、原告の氏名を検索語入力欄に入力して検索すると、控訴人の氏名を含む記事が記載されたインターネット上のサイトのアドレスが複数表示されるとともに当該サイトの一部がそれぞれ数行ずつ表示されるが、その約半数に控訴人の氏名と控訴人が京都府迷惑行為防止条例違反で逮捕された旨の記載が含まれており、上記の検索結果は、控訴人の社会的評価を低下させるものであると主張して、本件サイトを管理・運営する被告に対し、名誉毀損による損害賠償等を求めた事案の控訴審において、被控訴人に、本件サイトでの検索結果監督義務及び本件検索結果の表示阻止義務を生じさせる法律上の根拠を認めることはできないとした原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。
2015.08.18
投稿動画削除等仮処分命令申立事件(発言動画削除命令)
LEX/DB25540593/大阪地方裁判所 平成27年 6月 1日 決定 (第一審)/平成27年(ヨ)第290号
大阪市の現市長である債務者Pが、公衆に対する演説の中で、平成23年に実施された大阪市長選挙の際、債権者が集票目的のために大阪市内の町内会に100万円を配布した旨の公職選挙法に違反する行為をしたかのような各発言を行い、債務者らが、当該各発言の様子が録画された複数の動画を動画投稿サイト等において公開し、債務者維新の会のホームページから前記動画の一部を閲覧できるように設定したことにより、債権者の名誉が毀損されたとして、大阪市の前市長である債権者が、前記各動画の動画サイトからの削除、閲覧措置及び頒布の禁止、公衆の面前等での前記発言の禁止並びに民法723条に基づく謝罪広告の掲載をそれぞれ求めた事案において、Pの3回の発言のうち2回は、公職選挙法で罰則をもって禁止されている買収行為を債権者が行ったかのような印象を抱かせるから債権者の社会的評価を低下させるものであるとして、前記各動画の動画サイトからの削除、閲覧措置及び頒布の禁止を命じた事例。
2015.08.18
損害賠償請求控訴事件(野球部員熱中症死 高松高裁 逆転判決)
LEX/DB25540569/高松高等裁判所 平成27年 5月29日 判定 (控訴審)/平成26年(ネ)第187号
徳島県立高校の硬式野球部に所属していた甲が、同部の練習中に熱中症に罹患し、その約1か月後に死亡した事故につき、甲の両親である控訴人(原告)らが、同高校の保健体育科教諭であり、また同部の監督である乙に部員に対する安全配慮義務を怠った過失があり、これにより甲は死亡したなどと主張して、被控訴人(被告。徳島県)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償の支払いを請求し、原審が請求を棄却した事案において、乙の注意義務違反を認め、原判決を変更し、控訴人らの請求を一部認容した事例。
2015.08.11
ホームページ情報削除等請求控訴事件 (食べログ 口コミ削除要求 控訴棄却)
LEX/DB25540704/札幌高等裁判所 平成27年 6月23日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第365号
飲食店である本件店舗を経営している原告(控訴人)が、インターネット上に公開されている「食べログ」サイトを運営管理している被告(被控訴人)に対し、本件ページに本件店舗に係る情報を掲載していることについて、不正競争防止法2条1項2号所定の不正競争に該当し、又は原告の人格権に由来する名称権を侵害するものであると主張して、不正競争防止法3条1項に基づく差止請求又は名称権に基づく妨害排除請求として本件ページの削除を求めるとともに、不正競争防止法4条又は民法709条に基づく損害賠償金220万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、第一審が、原告の請求をいずれも棄却したため、本件ページの削除請求を棄却した部分を不服として、原告が控訴をした事案のほか、原告が名称権に基づく妨害排除請求について、本件ページ中本件店舗の情報(名称、店舗所在地、電話番号)を削除することを求める旨の予備的請求を控訴審で、追加した事案において、原告の請求を棄却した原判決は相当であるとして控訴を棄却し、また、原告が当審で追加した予備的請求も棄却した事例。
2015.08.11
殺人、詐欺被告事件(中2娘殺害 懲役7年)
LEX/DB25540580/千葉地方裁判所 平成27年 6月12日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第1734号等
県営住宅の家賃を滞納したため、県より入居許可を取り消された被告人が、被告人方の強制執行の当日に、娘Bを学校に送り出した後、強制執行が開始される前に自殺しようと考えていたところ、Bが学校を休んで自宅にいるつもりであることを知り、Bを殺害しようと考え、殺意をもって、うつ伏せに寝ていたBの頸部に布製のはちまきを二重に巻き付けて締め上げ、よって、その頃、同所において、同人を窒息死させて殺害した等として起訴された事案において、被告人の行為は「強く非難されるべきである」との検察官の主張に与することはできない一方で、弁護人が主張するように非難の程度を大きく減じることもできず、以上に加え、被害者が子である殺人事案におけるこれまでの量刑傾向も踏まえると、本件殺人の犯行は、他の同様の事案の中にあって、やや重い部類に位置付けられるべきであり、刑の執行猶予を考慮する余地のある事案とはいい難いとして、被告人に対し、懲役7年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2015.08.11
強盗致傷、強姦殺人、強盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反、大麻取締法違反被告事件
(柏連続殺傷事件 無期懲役)
LEX/DB25540581/千葉地方裁判所 平成27年 6月12日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第1195号
被告人が、通行人から金品を強奪しようと考え、路上において、被害者Cに対し、殺意をもって、シースナイフで頸部及び背部を数回突き刺してその反抗を抑圧した上、同人所有又は管理の現金約1万数千円、財布等136点在中の手提げバッグ1個(時価合計約6000円相当)を強取し、よって、その頃、同所において、同人を頸部及び背部の刺切創による失血により死亡させて殺害した等として起訴された事案において、被告人にとって酌むことができる全ての事情を考慮しても、酌量減軽をするのが相当な事案とは到底いえないが、同種事案の中で際立って重い部類に入るとまで位置付けることはできず、被告人の成育歴に同情の余地が全くないとまではいい難いことなどから、これまでの同種事案の量刑傾向も参考にすると,検察官の求刑を超えて死刑を科すことはなお躊躇せざるを得ないとして、被告人に対して無期懲役を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2015.08.11
所得税決定処分取消等請求控訴事件(外れ馬券訴訟 大阪高裁 訴え却下)
LEX/DB25540594/大阪高等裁判所 平成27年 5月29日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第177号
所轄税務署長が、被控訴人の所得税について、競馬法に基づき勝馬投票の的中者として被控訴人が受けた払戻金は一時所得に該当するとした上、その総収入金額から的中した勝馬投票券の購入金額のみを控除することにより各決定処分及び各無申告加算税賦課決定処分を行ったのに対し、原告が、上記各処分の取消しを求めた等の事案の控訴審において、所轄税務署長が、被控訴人による本件訴え提起時からの主張及び原判決の判断、すなわち、被控訴人が得た馬券の払戻金は雑所得に該当し、外れ馬券を含む馬券の購入総額が必要経費となるとの解釈を結果として採用して、当審係属後に本件各減額更正等処分をしたことにより、その取り消した部分の取消しを求める訴えは不適法として却下すべきであるとして、原判決中、控訴人敗訴部分を取消した上、上記取消請求に係る訴えをいずれも却下した事例。
2015.08.11
損失補償請求事件(大阪城本丸売店 損失補償認めず)
LEX/DB25540595/大阪地方裁判所 平成27年 5月29日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第186号
都市公園である大阪城公園内に設置された公園施設について、大阪市長から都市計画法5条1項の規定による管理の許可を継続して取得し売店等を経営していた原告が、大阪市長に対し、平成25年4月1日から平成26年3月31日までの1年間の管理許可を求める申請をしたところ、大阪市長から不許可処分を受けたが、当該不許可処分は、期間の定めなくされていた管理の許可の撤回と同視し得るから、被告大阪市は、都市公園法28条の適用若しくは類推適用又は国有財産法19条、国有財産法24条の類推適用により、その撤回に伴い原告が被った使用権喪失に係る損失や営業損失等の付随的損失を補償すべきである旨主張して、被告に対し、損失補償金のうち4035万円及びこれに対する請求の日(訴状送達の日)の翌日である平成25年9月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員の支払を求めた事案において、原告に対する本件公園施設の管理許可は、仮に開始当初は実質的に期間の定めのないものと解する余地があったとしても、遅くとも、平成24年4月1日付けで本件公園施設の管理許可がされた時点では、実質的に期間の定めのなかったものということはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2015.08.11
各株主総会決議取消請求控訴事件(アムスク株主総会決議取消請求事件控訴審判決)
LEX/DB25540596/東京高等裁判所 平成27年 3月12日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第3215号
被告(控訴人兼被控訴人)の定時株主総会におけるAを取締役に選任する決議、剰余金処分の件を可決する旨の決議等について、原告ら(被控訴人兼控訴人)が、各決議の取消しを求めたところ、原告らの請求が一部認容、一部棄却されたため、双方が控訴した事案において、本件第2回種類株主総会決議に決議の取消事由たる瑕疵があることを理由に本件再株主総会の決議をもって本件第2回種類株主総会決議を追認するということは、平成26年7月4日にされた本件再株主総会の決議の効力を本件第2回種類株主総会決議の時点まで遡及させるということにほかならず、株主総会決議の効力を遡及させることによって、法令により保護されている関係者の手続上の権利利益が害されるときは、その遡及的効力を認めることはできないと解すべきであり、本件再株主総会決議によって本件全部取得議案の決議取消の訴えの利益が失われることにはならないとし、本件控訴をいずれも棄却した事例。
2015.08.04
損害賠償請求事件 ((株)ゲオホールディングス旧経営陣に賠償命令)
LEX/DB25540615/名古屋地方裁判所 平成27年 6月30日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1138号
原告の代表取締役会長であった被告Y1、同代表取締役社長であった被告Y2及び同取締役副社長であった被告Y3が、架空の業務委託契約等を複数締結し、それらの契約に基づき、原告の財産を不正に流出させた等と主張して、原告が被告らに対し、取締役の任務懈怠による損害賠償請求(会社法423条1項)又は不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)として、合計4億6539万3500円及びこれに対する各不法行為の日からいずれも支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、原告の本件請求は、被告Y1について4億5265万5000円、被告Y3について3億3340万5000円、被告Y2について2億8415万5000円及び各支出日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で一部認容した事例。
2015.08.04
農地法20条1項による許可取消請求、土地明渡請求、建物収去土地明渡請求控訴事件
(成田空港用地訴訟 2審も明け渡し命じる)
LEX/DB25540562/東京高等裁判所 平成27年 6月12日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第326号
控訴人が、各土地を賃借して農地として耕作しているとして、処分行政庁が空港会社による賃貸借の解約申入れを許可した処分は違法であると主張して、被控訴人千葉県に対し、許可処分の取消しを求めた事案(第1事件)、また、被控訴人空港会社が、控訴人に対し、許可処分に基づき賃貸借契約を解約する旨申し入れたことにより、同契約は終了したとして、各土地上の建物及び工作物を収去し、同土地を明け渡すことを求めた事案(第2及び第3事件)において、第1事件につき取消請求を却下し、その余の請求を棄却した原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。