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2016.03.22
損害賠償請求事件 
LEX/DB25447828/最高裁判所第一小法廷 平成28年 3月10日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1985号
上告人らが、被上告人がインターネット上のウェブサイトに掲載した記事によって名誉及び信用を毀損されたなどと主張して、被上告人に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案の上告審において、民事訴訟法3条の9にいう「日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情」があるとし、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.03.22
個人情報一部不開示決定処分取消等請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.5下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447829/最高裁判所第一小法廷 平成28年 3月10日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第221号
被上告人が、京都府個人情報保護条例に基づき、実施機関である京都府警察本部長(処分行政庁)に対し、被上告人の子が建物から転落して死亡した件について京都府警察田辺警察署において作成又は取得した書類等一式に記録されている自己の個人情報の開示請求をしたところ、処分行政庁から、その一部を開示する旨の決定を受けたため、上告人を相手に、当該処分のうち各不開示部分の取消しを求めるとともに、当該各不開示部分に係る個人情報の開示決定の義務付けを求めた事案の上告審において、本件取消しの訴えが出訴期間を経過した後に提起されたことにつき行政事件訴訟法14条1項ただし書の「正当な理由」があるということはできないとし、原判決を破棄し、本件取消しの訴え及び本件義務付けの訴えはいずれも不適法であって、これらを却下した第1審判決は正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2016.03.15
株主総会決議取消請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.5下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447820/最高裁判所第二小法廷 平成28年 3月 4日 判決 (上告審)/平成27年(受)第1431号
被上告人の株主である上告人らが、被上告人に対し、被上告人の臨時株主総会における上告人らを取締役から解任する旨の議案を否決する株主総会決議について、会社法831条1項1号に基づき、その取消しを求めた事案の上告審において、上記否決決議の取消しを請求する本件訴えは不適法であり、これを却下した原判決は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2016.03.15
保険金請求本訴,不当利得返還請求反訴事件 
LEX/DB25447821/最高裁判所第二小法廷 平成28年 3月 4日 判決 (上告審)/平成27年(受)第1384号
亡Aの子である上告人が,Aが老人デイサービスセンターの送迎車から降車した際に負った傷害により後遺障害が残ったと主張して、被上告人に対し、上記送迎車に係る自動車保険契約の搭乗者傷害特約に基づき、後遺障害保険金の支払を求め(本訴)、上記特約に基づきAに入通院保険金を支払った被上告人が、その金員の支払について法律上の原因がなかったと主張して,上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,上記金員の返還を求め(反訴)、原審は、上告人の本訴請求を棄却し、被上告人の反訴請求を認容したため、上告人が上告した事案において、Aは本件特約に基づく入通院保険金及び後遺障害保険金の各請求権を有しているとはいえないから、上告人の本訴請求を棄却し、被上告人の反訴請求を認容すべきものであるとし、原審は、上記事故が老人デイサービスセンターの職員が安全配慮義務を怠ったことから発生したものであるとして直ちに本件における運行起因性を否定しており、この点の説示に問題はあるが、結論自体は是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2016.03.15
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.5中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447798/最高裁判所第三小法廷 平成28年 3月 1日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1434号
認知症に、り患したA(当時91歳)が旅客鉄道事業を営む会社である第1審原告の駅構内の線路に立ち入り第1審原告の運行する列車に衝突して死亡した事故に関し、第1審原告が、Aの妻である第1審被告Y1(当時85歳)及びAの長男である第1審被告Y2に対し、本件事故により列車に遅れが生ずるなどして損害を被ったと主張して、民法709条又は民法714条に基づき、損害賠償金719万7740円及び遅延損害金の連帯支払を求め、第一審では、第一審原告の請求に対し、第1審被告Y1及びY2に損害賠償責任を負うと判断しため、第一審被告らが控訴し、控訴審では、第1審被告Y1に損害賠償責任を負うと判断しため、第一審被告及び第一審原告の双方が上告した事案において、第1審被告Y1及びY2は、精神障害者であるAの法定の監督義務者に準ずべき者に当たるということはできないとし、民法714条1項に基づく損害賠償責任が否定された事例(意見及び補足意見がある)。
2016.03.15
法人税更正処分取消請求事件 
LEX/DB25447796/最高裁判所第一小法廷 平成28年 2月29日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第75号
平成21年2月24日にa社からb社の発行済株式全部を譲り受け、同年3月30日にb社を被合併会社とする吸収合併をした原告(控訴人・上告人)が、同20年4月1日から同21年3月31日までの事業年度に係る法人税の確定申告に当たり、法人税法2条12号の8の適格合併に適用される法人税法57条2項によりb社の未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなして、これを損金の額に算入したところ、麻布税務署長が、組織再編成に係る行為又は計算の否認規定である法人税法132条の2を適用し、上記未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなすことを認めず、上記事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、原告が、被告(被控訴人・被上告人)国を相手に、上記更正処分等の取消しを求め、原審は、原告の控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件副社長就任は、組織再編税制に係る上記各規定を租税回避の手段として濫用することにより法人税の負担を減少させるものとして、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとし、原審の判断は是認することができるとし、また、本件副社長就任は、上記更正処分等を受けた原告の行為とは評価し得ないとしても、本件合併の被合併法人(同条1号)であるb社の行為である以上、同条による否認の対象となるものと解され、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.03.15
法人税更正処分等取消請求事件 
LEX/DB25447797/最高裁判所第二小法廷 平成28年 2月29日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第177号
平成21年2月2日にb社から新設分割により設立された原告(控訴人・上告人)が、当該分割は法人税法2条12号の11の適格分割に該当しない分割(非適格分割)であり、法人税法62条の8第1項の資産調整勘定の金額が生じたとして、同日から平成21年3月31日まで、同年4月1日から同22年3月31日まで、同年4月1日から同23年3月31日まで及び同年4月1日から同24年3月31日までの各事業年度に係る各法人税の確定申告に当たり、上記の資産調整勘定の金額からそれぞれ所定の金額を減額し損金の額に算入したところ、四谷税務署長が、組織再編成に係る行為又は計算の否認規定である法人税法132条の2を適用し、上記の資産調整勘定の金額は生じなかったものとして所得金額を計算した上で、上記各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたため、原告が、被告(被控訴人・被上告人)国を相手に、上記各更正処分等の取消しを求め、原審は、原告の控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、新設分割により設立された分割承継法人の発行済株式全部を分割法人が譲渡する計画を前提としてされた当該分割が、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとし、原審の判断は是認することができるとし、また、本件計画を前提とする当該分割が、各更正処分等を受けた原告の行為ではなく、当該分割の分割会社(同条1号)であるb社の行為であるからといって、同条による否認の対象とならないとはいえないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.03.15
価額償還請求上告、同附帯上告事件 
「新・判例解説Watch」H28.5下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447790/最高裁判所第二小法廷 平成28年 2月26日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1312号
Aの相続開始後認知によってその相続人となった上告人・附帯被上告人が、Aの子であり、Aの遺産について既に遺産の分割をしていた被上告人・附帯上告人らに対し、民法910条に基づく価額の支払を求めた事案の上告審において、相続の開始後認知によって相続人となった者が他の共同相続人に対して民法910条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時は、価額の支払を請求した時であると解するのが相当であるとし、また、民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は、期限の定めのない債務であって、履行の請求を受けた時に遅滞に陥ると解するのが相当であるとし、原審の判断を是認することができるとして、上告及び附帯上告を棄却した事例。
2016.03.15
不足額填補責任履行請求・役員責任査定異議、保険金請求控訴事件 
LEX/DB25542008/大阪高等裁判所 平成28年 2月19日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第1049号
原告(破産会社管財人。被控訴人)が、破産会社が第三者割当発行を行った相手方である被告H社に対し、会社法212条1項2号に基づき、現物出資にかかる不足額の内金の支払いを請求した事案(甲事件)、及び、破産会社に対し、同現物出資に関して、山林の価額を証明した訴外弁護士との間で、弁護士賠償責任保険契約を締結していた被告保険会社に対し、原告が、同訴外弁護士に代位して、保険契約に基づく保険金の支払いを請求(乙事件)をしたところ、原審は、原告の乙事件請求のうち、保険金3億円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容したため、被告損害保険会社が控訴した(なお、原告の被告Hに対する甲事件請求は、全部認容されたが、被告H社は控訴しなかったため、原判決が確定。)事案において、原判決は相当であるとし、被告損害保険会社の控訴を棄却した事例。
2016.03.15
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件(障害者、交通事故で後遺症、二審でも保険金支払い命令)
LEX/DB25542032/東京高等裁判所 平成28年 1月20日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第2315号 等
車いすで交差点を通行中の原告(被控訴人)に被告(控訴人)P1が運転する普通乗用自動車が衝突した交通事故について、原告が、被告P1に対し、民法709条又は自動車損害賠償保障法3条に基づき、損害賠償金460万2674円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めるとともに、被告P1との間で自動車損害賠償責任保険の契約を締結していた被告(控訴人)損害保険会社に対し、自動車損害賠償保障法16条1項に基づき、損害賠償金75万円の支払を求め、原審は、被告P1に対し、414万0140円及びこれに対する遅延損害金の各支払を、被告損害保険会社に対し、被告P1と連帯して75万円の支払をそれぞれ命じ、原告のその余の請求を棄却したため、原判決を不服とする被告らが、原判決中被告ら敗訴部分を取り消し、同取消部分に係る原告の請求をいずれも棄却することを求めそれぞれ控訴した事案とともに、また、原告も、被告P1に対し、原判決中原告敗訴部分を取消し、同取消部分に係る原告の請求を認容することを求めて附帯控訴した事案において、原判決は正当として是認することができるとし、被告らの各控訴及び原告の附帯控訴はいずれも棄却した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541879/京都地方裁判所 平成28年 1月23日 決定 (準抗告審)/平成28年(む)第40001号
詐欺事件に係る勾留請求却下の裁判に対し、検察官から準抗告の申立てた事案において、被疑者については罪証隠滅のおそれがあるとはいえ、勾留の必要性はないとして、被疑者に関係者に接触しないことや任意の呼び出しに応じる旨の誓約書を提出させた上で、勾留請求を却下した原裁判の判断が不合理であるとはいえないとし、準抗告を却下した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541880/京都地方裁判所 平成27年11月20日 決定 (準抗告審)/平成27年(む)第3773号
強制執行妨害目的財産損壊等被疑事件につき、京都簡易裁判所裁判官がした勾留の裁判に対し、勾留の理由も必要性もない上、先行事件と同時処理されるべき被疑事実による勾留であり、身柄拘束の不当な蒸し返しにあたり違法な勾留であるから、原裁判を取消し、勾留請求を却下する裁判を求めた弁護士が、準抗告の申立てた事案において、一罪と見るのが自然な上、事実を分断して身柄拘束を繰り返すことにより被疑者らの供述を得て、事案の解明を図ろうとしているのではないかとの疑いも残る以上、勾留は認められるべきではないとし、原裁判を取り消し、勾留請求を却下した事例。
2016.03.15
 
LEX/DB25541881/京都地方裁判所 平成27年 5月21日 決定 (準抗告審)/平成27年(む)第1567号
ウェブサイトの映像配信システムを利用して、不特定多数の視聴者らに陰部の映像を観覧させた公然わいせつ被疑事件(本件)に係る勾留の裁判に対し、弁護人から準抗告の申立てた事案において、被疑者は、22日間、本件とは別の登録者が撮影した映像の配信による公然わいせつの事案(前件)によって逮捕勾留され、その釈放後引き続き本件により逮捕されたことが認められ、前件と本件の被疑事実では時期や関与した登録者らが異なるものの、被疑者と登録者との間に直接の共謀は認められないという本件の構造や、前件時と本件時で被疑者の当該会社における立場が同様であるという事情にも照らせば、本件と前件の間で被疑者の関与形態に大きな変化はないと考えられ、前件と本件の捜査対象はほぼ同一であり、本件勾留請求は、実質的には身体拘束の時間制限を潜脱する違法なものであるとして、原裁判を取り消し、本件勾留請求を却下した事例。
2016.03.08
損害賠償請求事件(第1事件、第2事件)(笹子トンネル事故 中日本高速に賠償命令)
LEX/DB25541926/横浜地方裁判所 平成27年12月22日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第1819号 等
平成24年12月2日に山梨県大月市の中央自動車道笹子トンネル上り線で天井板が崩落し、9名が死亡した事故に関し、ワゴン車に乗って当該トンネルを通行中に当該事故により死亡した被害者5名の遺族である原告らが、土地工作物である当該トンネルの管理に瑕疵があり、被告NEXCO及び被告中日本HEの被用者らには過失もあったと主張して、当該トンネルを占有管理する被告NEXCOに対しては民法717条1項又は民法715条1項に基づき、当該トンネルの保全点検等の業務を受託していた被告中日本HEに対しては、民法715条1項に基づき、連帯して上記「請求」どおりの当該事故による各損害額及びこれらに対する遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案において、原告らの被告NEXCO、及び、被告中日本HEに対する各損害賠償請求権(被告らの各債務は共同不法行為として不真正連帯債務の関係にある。)を一部認容した事例。
2016.03.08
損害賠償請求控訴事件(園児うつぶせ死 施設側に賠償命令) 
LEX/DB25541894/大阪高等裁判所 平成27年11月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第2923号
控訴人らが、被控訴人Rが設置し、同社から営業譲渡を受けたとする被控訴人Aが設置運営していた認可外保育施設Kに対し、月極保育契約に基づき、控訴人らの長男であるP12を預けたところ、P12が、本件施設のベビーベッド上にうつ伏せ寝の体位で放置された結果、鼻口部が閉塞して窒息死したとして、被控訴人Rの代表者である被控訴人P4、被控訴人Aの代表者である被控訴人P3らに対し、共同不法行為に基づき、被控訴人A及び被控訴人Rに対し、使用者責任又は債務不履行に基づき、被控訴人大阪市に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害賠償を求めた事案の控訴審において、本件控訴に基づき、原判決中、被控訴人Aらに関する部分を変更しつつ、被控訴人大阪市が、本件施設設置者に対し、改善勧告を行わなかったなどの規制権限の不行使が、国家賠償法1条1項の適用上違法とまではいえないとして、被控訴人大阪市に対する請求を棄却した事例。
2016.03.08
慰謝料請求事件(NZ地震 富山市市長の発言めぐり賠償命令)
LEX/DB25541788/富山地方裁判所 平成27年11月25日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第41号
平成23年2月22日に発生したニュージーランドでの地震により死亡した学生らの親である原告らが、各自、被告富山市に対し、定例記者会見における富山市長の発言により、原告らの名誉が毀損されたと主張して、国家賠償法1条1項による損害賠償請求権に基づき、慰謝料等の支払を求めた事案において、本件発言3のうち「この間訳の分からない失礼な文章で面会をしたいというお手紙が来たから、即断りました。物事の節度、有り様、礼儀というものをわきまえない手紙でしたよ。」という発言は、一般人の普通の注意と読み方又は聴き方を基準にすると、D市長宛てに本件遺族らから面会を求める手紙が来たという事実を基礎に、同手紙は、物事の節度、有り様及び礼儀というものをわきまえない手紙であったという論評を表明するものであり、原告らの社会的評価を低下させるものである等として、原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。
2016.03.01
退職金請求事件(合併後に退職金減額「事前に説明必要」 高裁差し戻し 最高裁初判断)
LEX/DB25447775/最高裁判所第二小法廷 平成28年 2月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第2595号
A信用組合の職員であった上告人らが、同組合と被上告人(平成16年2月16日に変更される前の名称は、B信用組合)との平成15年1月14日の合併により上告人らに係る労働契約上の地位を承継した被上告人に対し、退職金の支払を求めたところ、原判決が、上告人らの請求をいずれも棄却すべきものとしたため、上告人らが上告した事案において、合併により消滅する信用協同組合の職員が、合併前の就業規則に定められた退職金の支給基準を変更することに同意する旨の記載のある書面に署名押印をした場合において、上記の変更に対する当該職員の同意があるとした原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻した事例。
2016.03.01
損害賠償請求控訴事件(裁判員でストレス障害 仙台高裁も請求棄却) 
LEX/DB25541488/仙台高等裁判所 平成27年10月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第360号
刑事裁判の審理を担当した合議体に裁判員として参加した原告(控訴人)が、被告(被控訴人)国に対し、原告は、上記刑事裁判において、裁判員等選任手続への出頭を強制され、裁判員に選任されて、凄惨な内容の証拠を取り調べた上、死刑の判決を言い渡す審理をした合議体への参加を余儀なくされた結果、急性ストレス障害を発症したとして、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(いわゆる裁判員法)の規定は憲法18条後段、憲法22条1項及び憲法13条に違反するもので、裁判員法を制定した国会議員の立法行為は違法である等と主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金の支払を求めたところ、原審が、裁判員制度は憲法18条後段に違反するものではなく、裁判員法を制定した国会議員の立法行為及び裁判員法を合憲と判断した最高裁裁判官の行為にいずれも違法はないとして、請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、主位的請求を棄却した原判決は相当であり、主位的請求のうち当審で拡張された部分及び当審で追加された予備的請求は理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2016.03.01
入湯税更正処分等取消請求事件(尼崎入湯税訴訟 神戸地裁)
LEX/DB25541735/神戸地方裁判所 平成27年10月29日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第38号
尼崎市内で地方税法5条4項所定の鉱泉浴場を備えた複合型娯楽施設を運営し、地方税法1条1項10号所定の特別徴収義務者として、被告に入湯税を申告納入していたところ、処分行政庁から、入湯客数及び入湯税を過少申告していたとして、本件各更正処分等を受けた原告が、原告の申告納入は被告の担当職員との協議に従った実態に即したものであり、過少申告等ではない等と申告して、本件各更正処分等の取消しを求めた事案において、本件推計に違法はなく、また、本件期間における原告の過少申告に、原告の責めに帰することのできない客観的な事情があり、過少申告加算金の趣旨に照らしてもなお原告に過少申告加算金を賦課することが不当又は酷になるような事情があるとはいえず、処分行政庁が本件期間における原告の過少申告に「正当な理由」はないと認めたことに違法があるとはいえない等として、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2016.03.01
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」 解説記事が掲載されました
LEX/DB25506535/横浜地方裁判所 平成27年 7月15日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第1591号
被害車両運転の亡Aの相続人である原告(Aの妻及び長女)らが、加害車両運転の被告に対し、〔1〕Aが被告の惹起した交通事故後に続いて行われたI中央病院の脊椎後方固定術による出血性ショックで死亡したが、両加害行為は共同不法行為に該当する旨主張し、損害填補額を控除した残額1030万6342円、〔2〕仮に共同不法行為が認められないとしても、Aが本件事故により傷害を受け、1671万9538円の損害を被った旨主張して、不法行為に基づき、同金額の内金である1030万6342円、〔3〕並びにこれらに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告らの請求は、本件事故による傷害により原告が被った損害8万2418円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして、一部認容した事例。