2016.05.24
保全異議申立事件
LEX/DB25542514/東京地方裁判所 平成28年 4月 7日 決定 (第一審)/平成28年(モ)第40004号
債権者は、自らが編集著作物たる判例解説雑誌[第4版](本件著作物)の共同著作者の一人であることを前提に、債務者(出版社)が発行しようとしている判例解説雑誌[第5版](本件雑誌)は本件著作物を翻案したものであるなどと主張して、本件著作物の〔1〕翻案権並びに二次的著作物の利用に関する原著作物の著作者の権利(著作権法28条)を介して有する複製権、譲渡権及び貸与権又は〔2〕著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)に基づく差止請求権を被保全権利として、債務者による本件雑誌の複製、頒布、頒布する目的をもってする所持又は頒布する旨の申出を差し止める旨の仮処分命令を求め、当裁判所は、本件仮処分申立てには理由があると判断し、「債務者は、本件雑誌の複製、頒布、頒布する目的をもってする所持又は頒布する旨の申出をしてはならない。」との仮処分決定をしたため、債務者がこれを不服として保全異議を申し立て、原決定である上記仮処分決定の取消しと仮処分申立ての却下を求めた事案において、上記仮処分申立てには理由があり、これを認容した原決定(仮処分決定)は相当であるとして、同裁判所が平成27年10月26日にした仮処分決定を認可した事例。