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2016.02.23
退去強制令書発付処分取消請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」H28.3下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25541771/大阪高等裁判所 平成27年11月27日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第106号
イランの国籍を有する外国人である控訴人(原告)が、大阪入管入国審査官から出入国管理及び難民認定法24条1号の退去強制事由に該当する旨の認定を受けて、これに服し、同審査官から送還先をイランと指定した退去強制令書発付処分を受けたところ、イランに送還された場合には、我が国において有罪判決を受けて既に服役した殺人罪により公開処刑されるおそれがあるから、送還先をイランと指定した同処分は違法であるなどと主張して、被控訴人(被告。国)に対し、その取消しを求め、原審は請求を棄却した事案において、原判決を変更し、退去強制令書発付処分のうち、送還先をイランと指定した部分を取り消し、その余の請求を棄却した事例。
2016.02.23
輸送施設使用停止命令並びに運賃の変更命令差止請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.3中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25541777/大阪地方裁判所 平成27年11月20日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第86号
特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法の準特定地域に指定された大阪市域交通圏においてタクシー事業を営む原告が、近畿運輸局長から、原告の届け出た運賃が一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条1項の規定により指定された運賃の範囲内にないことを理由として、一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法17条の3第1項に基づく輸送施設使用停止処分及び一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条の4第3項に基づく運賃の変更命令を受けるおそれがあり、さらに、運賃変更命令に違反したことを理由として、同法17条の3第1項に基づく使用停止処分及び事業許可取消処分を受けるおそれがあるなどと主張して、被告(国)に対し、各処分の差止めを求めた事案において、不適法な請求を却下したうえで、公定幅運賃の下限額は合理性を欠くもので違法であるとして、請求を認容した事例。
2016.02.23
損害賠償請求事件(クワガタ誤配送で死ぬ 日本郵便に賠償命令)
LEX/DB25541710/大阪地方裁判所 平成27年10月30日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第3767号
原告が、被告との間で、クワガタムシをゆうパックで運送することを委託する契約を締結したところ、被告が、同ゆうパックの送り先を誤り、配達希望日時までに配達できず運送を遅延したことによって、クワガタムシが死滅し荷物が毀損したと主張し、被告に対し、前記運送契約の債務不履行に基づき、死滅したクワガタムシの代金相当額の支払を求めた事案において、請求を一部認容した事例。
2016.02.23
不開示決定処分取消等請求事件(官房機密費の一部開示命じる 大阪地裁)
LEX/DB25541711/大阪地方裁判所 平成27年10月22日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第186号
行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき内閣官房報償費の支出に関する行政文書(政策推進費受払簿、支払決定書、出納管理簿、報償費支払明細書及び領収書等)の開示を求めた原告が、内閣官房内閣総務官から一部不開示決定を受けたことから、前記決定のうち一部の期間の支出に関する行政文書の不開示決定部分につき、その取消しを求めるとともに、行政事件訴訟法3条6項2号所定の義務付けの訴えとして、前記不開示決定部分に係る文書について開示決定の義務付けを求めた事案において、原告の請求を一部認容した事例。
2016.02.16
 
LEX/DB25541732/広島高等裁判所岡山支部 平成28年 1月 6日 決定 (再審請求審)/平成26年(お)第1号
請求人が、金品強取の目的でA方に侵入し、殺意をもって同女の頚部を両手で絞めるなどして同女を殺害し、強盗殺人を企て、B方に侵入し、同人の頭部等をバールで殴打するなどして殺害して現金等を強取したなどとされた、住居侵入、強盗殺人、道路交通違反、道路運送車両法違反、自動車損害賠償保障法違反被告事件の再審請求審において、まず、強盗致死罪は、原判決において認めた強盗殺人罪より軽い罪に該当するというべきであると示しつつ、請求人があらたな証拠として提出するC意見は、G鑑定やK鑑定が用いた基礎資料の一部を用いて、これらの鑑定が用いたものと同じ法医学の知見に基づいて判断したものであり、その結論が異なっているのも、新たな科学的知見等によるものではなく、単なる事実に対する評価の相違によるものであるから、刑事訴訟法435条6号にいう新たに発見した証拠に該当するということはできない等として、再審請求を棄却した事例。
2016.02.16
地位確認及び賃金等支払請求事件(神奈川フィル 演奏者解雇無効)
LEX/DB25541588/横浜地方裁判所 平成27年11月26日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第3093号
被告(公営財団法人)が運営する管弦楽団において、コントラバス奏者として稼働していた原告らが、被告から解雇通知を受け取ったことから、解雇が無効であると主張して、地位確認、未払給与及び遅延損害金を求めるとともに、解雇は労働組合に所属していることを理由としてなされたものであるから、不当労働行為にあたる等と主張して、慰謝料等の支払いを求めた事案において、将来請求は却下し、不当労働行為は認められないとして慰謝料請求を棄却したが、各解雇は、解雇事由に該当するものの、社会通念上相当であるということはできず、解雇権を濫用したものとして無効であるとし、その余の請求を認容した事例。
2016.02.16
選挙無効請求事件
LEX/DB25541676/最高裁判所大法廷 平成27年11月25日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第214号等
平成26年12月14日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第1区ほか119選挙区の選挙人である原告(上告人)らが、小選挙区選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の各選挙区における選挙も無効であると主張して、選挙の無効を求めた事案の上告審において、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成24年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとし、上告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見あり)。
2016.02.16
解雇無効確認等請求事件(原発事故直後国外避難 契約解除無効)
LEX/DB25541612/東京地方裁判所 平成27年11月16日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第640号
被告(日本放送協会)によるフランス語のラジオ放送においてアナウンス業務等を担当していた原告が、主位的に、被告との間で労働契約を締結していたところ、東日本大震災に際して業務を行わなかったことを理由に不当に解雇されたと主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、同労働契約及び不法行為責任に基づき、賃金及び損害賠償金の支払いを求め、予備的に、被告との間の契約が業務委託契約であったとしても、その解除及び更新拒絶は無効であるとして、同業務委託契約及び不法行為責任に基づき、業務委託料及び損害賠償金の支払いを求めた事案において、原被告間の契約について、労働契約ではなく、業務委託契約であると認定した上、不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容し、将来請求を却下し、その余の請求を棄却した事例。
2016.02.16
窃盗被告事件(重機窃盗の被告 逆転有罪判決)
LEX/DB25541672/大阪高等裁判所 平成27年10月22日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第349号
被告人が、共犯者数名と共謀の上、建設機械合計8台を盗んだという窃盗7件からなる事案の控訴審において、本件各窃盗事件において、いずれも被告人が犯行の実行を決め、P2に搬送の手配を指示し、犯行後にはP2から報告を受け、P2らに報酬等を支払うほか、犯行の前後に売買交渉をして売買を成立させ、売買代金を受領するなど、犯罪目的実現のための重要不可欠な役割を果たしている事実が認められ、これらの事実から被告人の共謀を優に認めることができ、被告人に窃盗の故意があることも明らかであるとし、無罪を言い渡した原判決を破棄し、懲役5年を言い渡した事例。
2016.02.09
旅行業法違反被告事件
LEX/DB25447725/最高裁判所第一小法廷 平成27年12月 7日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第1118号
旅館業法違反事件の上告審において、被告人本人の上告趣意のうち、旅行業の登録制度に関し、憲法22条1項違反をいう点について、旅行業法29条1号、旅行業法3条、旅行業法2条1項は、憲法22条1項に違反する旨主張するするが、旅行業法の上記各規定は、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的として、旅行業を営む者について登録制度を採用し、無登録の者が旅行業を営むことを禁止し、これに違反した者を処罰することにしたものであるため、上記各規定が、憲法22条1項に違反しないとした事例。
2016.02.09
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、詐欺被告事件(さいたま保険金殺人等事件)
LEX/DB25447724/最高裁判所第二小法廷 平成27年12月 4日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第1126号
被告人が、いとこである年下の共犯者と共謀し、(1)同人の養母(当時46歳)を殺害して死亡保険金を詐取しようと企て、共犯者が同女を浴槽内に沈めて溺れさせて殺害し、その死亡保険金3600万円をだまし取り、(2)金もうけのために利用しようとしていたところむしろ金銭トラブルになり邪魔者となった被告人の伯父(当時64歳)に対し、共犯者が伯父の左前胸部を柳刃包丁で突き刺して殺害した、という殺人2件、詐欺1件等の事案の上告審において、罰金前科しかないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、上告を棄却した事例。
2016.02.09
損害賠償等請求事件(宮司からパワハラ 慰謝料判決)
LEX/DB25541568/福岡地方裁判所 平成27年11月11日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第710号
被告神社の神職であった原告が、被告神社及びその代表者である被告甲に対し、原告は被告神社における職務の遂行に当たり被告甲から暴行・脅迫・暴言等のパワーハラスメント(パワハラ)を受けたと主張して、被告甲に対しては民法709条に基づき、被告神社に対しては宗教法人法11条1項に基づき、損害賠償金の支払いを求めるとともに、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認、並びに未払賃金等の支払いを求めた事案において、被告甲の言動について不法行為の成立を認め、被告らに対する損害賠償請求を一部認め、また、被告神社による原告の解職は、解雇権を濫用したもので無効であるとして、地位確認請求及び未払賃金等の請求を一部認め、その余の請求を棄却した事例。
2016.02.09
懲戒処分取消等請求事件
「新・判例解説Watch」 解説記事が掲載されました
LEX/DB25541620/東京地方裁判所 平成27年10月 8日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第504号
区立小学校の音楽専科教諭であった原告が、同校校長から卒業式における国歌斉唱時に「君が代」のピアノ伴奏をすることを命じる旨の職務命令を受け、これに従わなかったため、東京都教育委員会から停職1月の懲戒処分を受けたことについて、同懲戒処分の取消し、東京都人事委員会の行った裁決の取消し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を求めた事案において、同懲戒処分については、処分の選択において、社会通念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の裁量を逸脱したものとして違法であるとし、その取消請求を認容し、その余の請求を棄却した事例。
2016.02.09
未払賃金等支払請求(差戻)事件(株式会社ハマキョウレックス事件(差戻第一審))
LEX/DB25541605/大津地方裁判所彦根支部 平成27年 9月16日 判決 (差戻第一審)/平成27年(ワ)第163号
一般貨物自動車運送事業等を営む被告との間で、期間の定めのある労働契約を締結した原告が、被告との間で期間の定めのない労働契約が成立しているなどと主張して、被告に対し、かかる権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、期間の定めのない労働契約を締結した被告の労働者が通常受給すべき賃金との差額等を請求し、差戻前第1審が、通勤手当についての被告の労働条件の相違は、労働契約法20条に違反し無効であるとして、通勤手当の受給額の差額の限度で請求を認容したが、第2審が、差戻前第1審の判決手続に違法があるとして差し戻しをした事案において、差戻前第1審と同内容の判決を言い渡した事例。
2016.02.09
未払賃金等支払請求控訴、同附帯控訴事件 (株式会社ハマキョウレックス事件(控訴審))
LEX/DB25541604/大阪高等裁判所 平成27年 7月31日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第2106号等
一般貨物自動車運送事業等を営む被告(被控訴人)との間で、期間の定めのある労働契約を締結した原告(控訴人)が、被告との間で期間の定めのない労働契約が成立しているなどと主張して、被告に対し、かかる権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、期間の定めのない労働契約を締結した被告の労働者が通常受給すべき賃金との差額等を請求し、第1審判決が一部認容、一部棄却としたため、原告が控訴し、被告が附帯控訴した事案において、原審の判決の手続きが法律上に違反しているとして、原判決を取り消し、原審に差し戻した事例。
2016.02.09
未払賃金等支払請求事件(株式会社ハマキョウレックス事件(第一審))
LEX/DB25541603/大津地方裁判所彦根支部 平成27年 5月29日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第205号
一般貨物自動車運送事業等を営む被告との間で、期間の定めのある労働契約を締結した原告が、被告との間で期間の定めのない労働契約が成立しているなどと主張して、被告に対し、かかる権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、期間の定めのない労働契約を締結した被告の労働者が通常受給すべき賃金との差額等を請求した事案において、通勤手当についての被告の労働条件の相違は、労働契約法20条に違反し無効であるとして、通勤手当の受給額の差額の限度で請求を認容し、その余の請求は棄却した事例。
2016.02.09
遺言無効確認請求控訴事件(差戻)事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25541756/広島高等裁判所 平成26年 4月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1号
原告(控訴人)と被告(被控訴人)の亡父であるCが作成した自筆証書遺言について、原告が、Cが当該自筆証書を故意に破棄したとして、被告との間で、本件遺言が無効であることの確認を求めたところ、1審判決は、原告の請求を棄却したため、これを不服として原告が控訴した事案において、遺言の撤回については遺言の方式に従って行うことが要求される(民法968条2項は,自筆証書による遺言の場合の加除変更の方式を定めている。)から、遺言者に遺言の撤回の意思があっても遺言の方式によっていない限り遺言の撤回の効力は生じないこと、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときに遺言を撤回したとみなされること(民法1024条後文)に照らせば、遺言の撤回とみなされる遺言書の破棄とは、焼却や破り捨てといった物理的破棄かこれに準ずる文字等の記載内容の抹消を意味すると解すべきであり、原文が判読できる状況で棒線を引いているだけでは、格別の事情がない限り、遺言書の破棄には当たらないと解され、原判決は正当であるとし、控訴を棄却した事例。
2016.02.02
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」H28.4上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447720/最高裁判所第二小法廷 平成28年 1月22日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第156号
高知県安芸郡東洋町がA漁協に対し漁業災害対策資金として1000万円を貸し付けたことにつき、同町の住民である原告(控訴人・被上告人)が、当該貸付けに係る支出負担行為及び支出命令が違法であるなどとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、同町の執行機関である上告人を相手に、当時の被告(被控訴人・上告人)町長、副町長、会計管理者に対し1000万円の損害賠償請求をすることを求めた住民訴訟で、第一審は、当該支出負担行為等について、被告らが損害賠償責任を負うものではないとし、請求を棄却したため、原告が控訴し、控訴審は、原判決を取り消し、本件訴え中、副町長及び会計管理者に対し連帯して1000万円を支払うよう請求することの請求に係る部分をいずれも却下し、東洋町長に対して1000万円を支払うよう請求することを命じたため、被告東洋町長が、上告した事案において、当該支出負担行為等が町長の裁量権の範囲を逸脱してされたものであって違法であり、被告東洋町長は損害賠償責任を負うとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中被告敗訴部分を破棄し、高裁へ差し戻しを命じた事例。
2016.02.02
損害賠償請求事件(NHK逆転勝訴 台湾統治番組訴訟)
LEX/DB25447710/最高裁判所第一小法廷 平成28年 1月21日 判決 (上告審)/平成26年(受)第547号
被告(被控訴人・上告人。日本放送協会)が、番組内で、1910年の日英博覧会において、台湾南部高士村のパイワン族の男女24名が展示され、そのうちの1人の娘である原告(控訴人・被上告人)Xは今も悲しいと述べているなどと報道されたことにより、名誉やプライバシーが侵害されたとする原告Xやその他の台湾人等のほか、知る権利を侵害されたなどとする視聴者など総勢1万0335人の一審原告らが、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求め、第一審では請求を全部棄却し、原告Xを含む42名が控訴し、第二審では第一審判決を変更し、当該番組について原告Xに対する名誉毀損による不法行為の成立を認め、原告の請求を一部認容したため、被告が上告した事案において、当該番組を見た一般の視聴者が、原告Xの父親が動物園の動物と同じように扱われるべき者であり、その娘である原告X自身も同様に扱われるべき者であると受け止めるとは考え難く、したがって当該番組の放送により原告Xの社会的評価が低下するとはいえず、当該番組は、原告Xの名誉を毀損するものではないとし、当該番組について名誉毀損による不法行為の成立を認めた原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中被告敗訴部分は破棄を免れず、原告Xの請求を棄却した第1審判決は正当であり、上記部分につき原告Xの控訴を棄却した事例。
2016.02.02
法人税更正処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25541733/東京高等裁判所 平成27年11月26日 判決 (控訴審)/平成27年(行コ)第197号
原告(控訴人)が、平成14年9月27日から平成20年9月26日まで合計11回にわたり,100%子会社であったG社に対する債権を放棄し、貸倒損失として損金の額に算入して確定申告したところ、平成18年3月期以降の債権放棄について、法人税法37条(平成18年3月期につき平成18年法律第10号、平成19年3月期及び平成20年3月期につき平成20年法律第23号による各改正前のもの。)の寄付金に該当するため損金算入限度額を超える部分は損金の額に算入できず、これを益金に算入して所得の金額を計算すべきであるとして、東税務署長から本件各法人税更正処分等を受け、また、本件各課税期間の消費税等についても上記債権放棄を消費税法39条(平成22年法律第6号による改正前のもの。)の貸倒れとしてその税込価格に係る消費税額を課税標準額に対する消費税の額から控除して確定申告をしたところ、消費税課税標準額から控除することはできないとして、東税務署長から本件各更正処分を受けたことから、被告(被控訴人。国)に対し、第1の2項から8項までのとおりその取消しを求め、第一審は原告の請求をいずれも棄却したため、これを不服として原告が控訴した事案において、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。