2015.08.04
(令状ないGPS捜査は違法 証拠不採用)
★「新・判例解説Watch」H27.9下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
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LEX/DB25540308/大阪地方裁判所 平成27年 6月 5日 決定 (第一審)/平成25年(わ)第5962号等
窃盗、建造物侵入、傷害被告事件について、〔1〕本件泳がせ捜査、〔2〕本件追尾監視型捜査、〔3〕本件GPS捜査はいずれも令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、本件各証拠はこれらの捜査によって得られた証拠及び派生的証拠であって、これを証拠として許容することが将来における違法捜査抑制の見地からして相当でないことから証拠能力がないものとして排除すべきであるとの弁護士の主張に対し、〔1〕本件泳がせ捜査については、捜査機関としての裁量を逸脱した著しく不合理な判断があったとはいえないとし、〔2〕本件追尾監視型捜査については、強制処分に当たらない上、捜査目的を達成するため、必要な範囲において、かつ、相当な方法によって行われたものといえるから、任意捜査として適法であるが、ビデオ撮影のうち、郵便受け内部の郵便物を撮影した警察官の行為は、郵便物の差出人や受取人のプライバシー等を大きく侵害するものであるから、捜索又は検証としての性質を有する強制処分に該当し、無令状でこれを行った行為は違法であるとし、〔3〕本件GPS捜査については、検証許可状によることなく行われ、無令状検証の誹りを免れず、違法であるとして、証拠能力が否定される各証拠については、その証拠調べを却下し、他方、証拠能力が否定されない各証拠については、弁護人が伝聞法則との関係で同意していることから、証拠として採用することを決定した事例。