2020.08.11
有印私文書偽造,同行使,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25570972/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 7月30日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第1528号
被告人が、別居中の当時の妻が使用する自動車にGPS機器をひそかに取り付け、その後多数回にわたって同車の位置情報を探索して取得した行為は、ストーカー規制法2条1項1号の「通常所在する場所」の付近における「見張り」に該当しないとして、控訴審判決は、上記行為に同号を適用した第1審判決には法令適用の誤りがあるとしたため、検察官が上告した事案において、ストーカー規制法2条1項1号の「住居等の付近において見張り」をする行為に該当するためには、機器等を用いる場合であっても、特定の者等の「住居等」の付近という一定の場所において同所における上記特定の者等の動静を観察する行為が行われることを要するものであるとし、「住居等の付近において見張り」をする行為に該当しないとした原判決の結論は正当として是認することができるとし、刑訴法410条2項により、引用の判例(福岡高等裁判所平成29年(う)第175号同年9月22日判決)を変更し、原判決を維持するのを相当と認め、所論の判例違反は、結局、原判決破棄の理由にならないとして、本件上告を棄却した事例。