2021.10.19
国家賠償請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年12月下旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25590739/東京高等裁判所 令和 3年 9月22日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1423号
スリランカ国籍を有する控訴人(原告)らは、在留期間を超えて日本に残留し、いずれも難民不認定処分を受けた後に出入国管理及び難民認定法24条4号ロ(不法残留)に該当することを理由とする退令発付処分を受け、その後、難民不認定処分に対する異議申立てを行ったところ、同異議申立棄却決定の告知を受け、退令の執行を受け、集団送還の方法によりスリランカに強制送還されたことにより、控訴人らが、控訴人らに対する退令の執行は、控訴人らに難民不認定処分に対する取消訴訟等の提起について検討する時間的猶予を与えずに行ったもので、控訴人らの裁判を受ける権利を侵害したなどと主張して、被控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、控訴人1人当たり500万円の慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原判決は控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、東京入管職員の本件送還にかかる一連の行為は、控訴人らの難民認定不処分に対する司法審査を受ける機会を実質的に奪ったものとして、国賠法1条1項の適用上違法であると認められるとして、原判決を変更し、控訴人らの請求は、各30万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求については棄却した事例。