2022.01.18
著作者人格権等侵害行為差止等請求控訴事件
LEX/DB25591330/知的財産高等裁判所 令和 3年12月22日 判決 (控訴審)/令和3年(ネ)第10046号
一審原告から本件懲戒請求を受けた弁護士である一審被告Bが自らのブログ上に掲載した、一審原告の主張に対する反論を内容とする本件記事1及び2に関し、〔1〕一審被告Bが、一審原告の氏名が請求人として記載された本件懲戒請求書をPDFファイルに複製し、インターネットにアップロードした上、本件記事1内に同ファイルへの本件リンクを張った行為が、一審原告の著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)を侵害するとともに、一審原告のプライバシー権を侵害するとして、一審原告が、一審被告Bに対し、著作権法112条1項に基づき、各ブログに本件記事1及び2を掲載することの差止めを求め、同条2項に基づき、本件記事1(本件リンク先のPDFファイルを含む。)及び2の削除を求めるとともに、著作権(公衆送信権)侵害の損害賠償として、本件懲戒請求書のファイルの削除に要した労力と時間に相当する財産的損害と弁護士費用、及び著作者人格権(公表権)侵害の損害賠償として慰謝料の支払を求め〔第1事件〕、第1事件における一審被告Bの訴訟代理人となった一審被告Cが、第1事件に係る訴えの提起後、一審被告Cのブログ記事(本件記事3)に本件記事1に対するリンクを張ったことが、著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)の侵害の幇助に当たるとして、一審原告が、一審被告Cに対し、箸作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)の侵害の幇助の損害賠償として慰謝料の支払を求めた〔第2事件〕ところ、原判決は、一審被告Bに対し、原判決別紙記事目録記載1(1)のブログ(本件ブログ)に掲載されている本件記事1のうち同記載2(1)イのファイル(本件懲戒請求書のPDFファイル)の削除を命じ、その余の一審原告の請求をいずれも棄却したため、一審原告及び一審被告Bが控訴した事案で、一審原告の請求はいずれも理由がないから棄却すべきところ、これと異なり、一審被告Bに対し、本件ブログに掲載されている本件懲戒請求書のPDFファイルの削除を命じた原判決主文第1項は相当でないとして、一審被告Bの控訴に基づき、これを取消し、その取消しに係る部分につき一審原告の請求を棄却することとし、一審原告の本件控訴を棄却した事例。