2022.05.24
株主総会決議取消請求控訴事件(日邦産業の株主総会決議取消請求事件)
LEX/DB25592151/名古屋高等裁判所 令和 4年 2月18日 判決 (控訴審)/令和3年(ネ)第609号
被控訴人(被告)の株主である控訴人(原告)が、被控訴人に対し、被控訴人の令和2年6月24日開催の第69期定時株主総会(本件株主総会)における本件議案を可決する旨の本件決議は、控訴人が提出した本件議案に反対する旨の議決権行使書面が提出期限までに到達したか、到達したとみなすべきであるのに、被控訴人がその議決権行使を認めなかった点において、決議の方法が法令に違反するものであったとして、本件決議の取消しを求め、原審が控訴人の請求を棄却する旨の判決をしたところ、これを不服として控訴人が控訴した事案で、本件決議が内容とする本件買収防衛策の有効期間は、原審口頭弁論終結後に被控訴人の第70期定時株主総会が開催され、終結したことによって、満了しており、被控訴人の第70期定時株主総会において、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)継続の件」を可決する旨の決議がされたのであるから、本件買収防衛策が既に失効しているにもかかわらず、これを可決した本件決議を取り消すことに具体的な実益があるという特別の事情がない限り、本件訴えは、本件買収防衛策の有効期間満了により訴えの利益を欠くに至ったというべきであるとし、原判決を取消し、控訴人の訴えを却下した事例。