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2014.11.25
無免許危険運転致傷被告事件(危険運転罪で実刑判決 全国初適用)
LEX/DB25504881/札幌地方裁判所 平成26年9月2日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第532号
被告人は、公安委員会の運転免許を受けないで、平成26年6月7日午前4時頃、札幌市A区内の道路において、普通乗用自動車を運転し、もって無免許運転をするとともに、その頃、同所において、てんかんの影響により、その走行中に発作の影響によって意識障害に陥るおそれのある状態で、同車を運転し、もって自動車の運転に支障を及ぼすおそれのある病気の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、同日午前4時7分頃、同市B区内の道路において、てんかんの発作により意識喪失の状態に陥り、その頃、同所において、自車を対向車線に進出させ、折から対向進行してきた被害者(当時79歳)運転の普通乗用自動車右側面部に自車右前部を衝突させて、同人に加療約2か月間を要する見込みの第2、3腰椎圧迫骨折等の傷害を負わせたとして、被告人を懲役1年10月に処した事例。
2014.11.25
損害賠償請求控訴事件
(栃木県警警察官の発砲で死亡 中国人元研修生 損害賠償請求控訴事件)
LEX/DB25504814/東京高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (差戻控訴審)/平成26年(ネ)第428号
警察官が、中華人民共和国国籍で在留期間を経過して本邦に残留していた者に対して、挙動不審者としてした職務質問をしたところ、同人が途中で逃走したため、公務執行妨害の現行犯人として逮捕しようとした際に、けん銃を1回発射して同人を死亡させたため、同人の相続人である原告(控訴人)らが、前記警察官のけん銃の使用が警察官職務執行法7条所定の要件を満たさない違法なものであると主張して、被告(被控訴人)である栃木県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償の支払を求めたが、原判決は、前記警察官が自らの生命を守るためにやむを得ずに発砲したと認定するなどした上で、国家賠償法1条1項所定の違法はないとして、請求を棄却したため、原告らが控訴したところ、差戻し前控訴審は、原判決を変更して原告らの請求を一部認容したため、これを不服として被告が上告したところ、上告審は、差戻し前控訴審判決中の被告敗訴部分を破棄し、控訴審に差し戻した事案において、原告らの控訴をいずれも棄却した事例。
2014.11.25
災害弔慰金不支給決定処分取消請求事件(胃がんで死亡 災害関連死とまでは言えない)
LEX/DB25504833/仙台地方裁判所 平成26年9月9日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第3号
原告は、亡夫が胃がんにより死亡したのは、東北地方太平洋沖地震により、同人が余震に怯えるなどして不安を抱え不眠症になった上、アルコールを多飲するようになって食欲が低下したことによって死期が早まったものであるから、同人は震災により死亡したものであるとして、処分行政庁である被告(仙台市)市長に対して災害弔慰金の支給を請求したが、不支給とする決定を受けたとして、処分の取消しを求めたとの事案において、震災が同人の胃がんの発症又はその進行に影響を及ぼしたとまで認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.11.25
占有離脱物横領、強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗未遂被告事件
(吉祥寺 通り魔事件(控訴審))
LEX/DB25504810/東京高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第619号
少年である被告人が、共犯者と共謀の上、通行中の被害者(当時22歳)に対し、その背後からペティナイフ(刃体の長さ約12.8センチメートル)で左背面を突き刺し、共犯者も同態様で被害者を突き刺すなどして死亡させた上、現金1万円、財布等13点の入ったトートバッグ1個(時価合計約1万800円相当)を強奪した強盗殺人1件、被害者のキャッシュカードにより現金を引き出そうとして暗証番号が合致しなかったことにより目的を遂げなかった等の窃盗未遂3件、占有離脱物横領2件を起こした事案において、原判決は、無期懲役を言い渡したため、被告人が控訴した事案において、控訴を棄却した事例。
2014.11.25
産業廃棄物処理施設設置許可処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504811/東京高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第147号
茨城県知事が補助参加人に対して産業廃棄物処理施設の設置の許可処分につき、原告(控訴人)らを含む周辺住民等442名が、被告(被控訴人)である茨城県を相手に、許可要件を満たさないのにされた違法なものであると主張して、その取消しを求めたところ、原判決は、上記処理施設から2キロメートルの範囲内に居住地又は勤務先がある原告らについては、原告適格を認めた上で請求をいずれも棄却し、その余の原告らについては原告適格が認められないとして訴えをいずれも却下したところ、原告らが控訴した事案において、控訴を棄却した事例。
2014.11.25
障害補償給付不支給処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504854/大阪高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第141号
石綿荷役作業の稼働歴がある被控訴人が、その業務に起因して肺がんを発症し、その後、治癒したとして、神戸東労働基準監督署長に対し、労働者災害補償保険法に基づく障害補償給付を請求したところ、同監督署長は、被控訴人の肺がんは手術から5年を経過した時点で治癒しており、上記請求は労働者災害補償保険法42条による5年の消滅時効が完成した後になされたものであるとして、不支給処分をしたため、これを不服として当該処分の取消しを求めた事案の控訴審において、被控訴人の障害補償給付請求権は時効により消滅しており、本件処分は相当であるから、本件処分の取消しを求める本件請求は理由がないから棄却すべきであるとして、原判決(請求認容判決)を取り消した事例。
2014.11.25
住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(秋田市弁護士殺害事件)
LEX/DB25504834/仙台高等裁判所 平成26年9月24日 判決 (第二次控訴審)/平成26年(う)第87号
被告人は、弁護士である被害者に恨みを抱き、被害者宅に侵入し、被害者(当時55歳)に対し、殺意をもって、刃物(刃体の長さ約22センチメートル)を複数回突き出して、被害者を死亡させたとの住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反により起訴され、原審が、被告人を懲役30年に処し、検察官及び被告人の双方が控訴をした事案において、原判決は、各犯行の罪質の悪質さや計画性等について過小評価し、軽きに失して不当であるとして、原判決を破棄し、被告人を無期懲役に処した事例。
2014.11.25
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504852/広島高等裁判所 平成26年9月24日 判決 (控訴審)/平成23年(ネ)第456号
被控訴人が設置する下関造船所構内で下請ないし孫請会社の従業員として船舶建造ないし修繕の労務に従事していた控訴人A、亡B、控訴人C及び亡D(下請従業員ら)が同造船所における労働に起因してじん肺に罹患したと主張して、控訴人A、亡B、控訴人C及び亡Dの相続人である控訴人Eが、被控訴人に対し、債務不履行(安全配慮義務違反)ないし不法行為に基づく損害賠償として、いずれも3520万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案の控訴審において、下請従業員らは下関造船所内の労働に起因してじん肺に罹患したものであり、被控訴人には下請従業員らに対する安全配慮義務違反があったのであるから、控訴人らは下請従業員らの損害について、被控訴人に対して賠償を求めることができるとして、原判決(請求棄却判決)を変更した事例。
2014.11.25
神奈川県迷惑行為防止条例違反被告事件(無罪)
LEX/DB25504808/東京高等裁判所 平成26年9月18日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第286号
被告人が、走行中の電車内において、乗客の女子高校生である被害者(当時17歳)に対し、被害者の着衣の上から被告人の右手で被害者の股間及び右太ももを撫でるなどして、公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような方法で、衣服の上から人の身体に触れたとする神奈川県迷惑行為防止条例違反被告事件において、原判決は、罰金30万円を言い渡したため、被告人が控訴した事案において、被害者の公判供述の信用性に疑問があることを理由に、原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるとして原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例。
2014.11.25
強制わいせつ被告事件(無罪)
LEX/DB25504806/東京高等裁判所 平成26年9月9日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第176号
被告人が、被害者2名が13歳未満であることを知りながら、被害者らに強制わいせつ行為をしようと考え、小学校の教室において、下着の中に手を差し入れて陰部を触るなどした強制わいせつ被告事件において、原判決は、被害者らの供述が高度の信用性を有するものとはいえず、被告人の自白の信用性を肯定することはできないとして無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、控訴を棄却した事例。
2014.11.18
関税法違反被告事件
LEX/DB25446753/最高裁判所第二小法廷 平成26年11月7日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第1333号
被告人は、A、B、C、D、E及び氏名不詳者と共謀の上、税関長の許可を受けないで、うなぎの稚魚を中華人民共和国に不正に輸出しようと考え、空港での搭乗手続を行うに当たり、税関長に何ら申告しないまま、税関長の許可を受けないでうなぎの稚魚を輸出しようとした関税法違反事件で、被告人が第一審判決に対し量刑不当を理由に控訴したが、原判決は、「検査済みシールを本件スーツケース6個に貼付するなどした」までの事実をもって、無許可輸出の未遂罪が成立するとはいえず、単に無許可輸出の予備罪にとどまるとして第一審判決を破棄し、罰金50万円に処したため、双方が上告した事案において、関税法111条3項、1項1号の無許可輸出罪の実行の着手があったものと解するのが相当であるとし、無許可輸出の予備罪にとどまるとして第一審判決を破棄した原判決には、法令の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、本件控訴を棄却した事例(補足意見あり)。
2014.11.18
売却許可決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」H27.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446742/最高裁判所第三小法廷 平成26年11月4日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第15号
当該不動産につき、債権者をA、債務者を抗告人として、強制競売の開始決定をした本件競売事件において、Cに対する売却不許可決定が確定した後、当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法があるといえず、原審の判断は是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.11.18
住居侵入、逮捕監禁、殺人、現住建造物等放火、有印私文書偽造・同行使、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25504859/東京高等裁判所 平成26年10月1日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第1381号
住居侵入、逮捕監禁、殺人、現住建造物等放火等被告事件の控訴審について、被告人は、交際相手を連れ戻したいという自己の願望を実現するために、重大な犯行を繰り返すことを厭わなかったばかりか、山形事件が当初失火として処理されたことに着目し、完全犯罪を目論んで東京事件に及んだものであって、この点は、東京事件の犯行の悪質さを増大させており、山形事件における殺人の面についても、高い計画性と強い殺意があったとまでは認められないことを考慮しても、山形事件及び東京事件は、人を殺害するという重大犯罪の中で、犯情の極めて悪い部類に属し、被告人に対し死刑をもって臨むことは誠にやむを得ないとし、控訴を棄却した事例。
2014.11.18
風俗営業等廃止命令処分等取消請求事件
「新・判例解説Watch」H27.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25504858/金沢地方裁判所 平成26年9月29日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第1号
石川県公安委員会から店舗型性風俗特殊営業の廃止命令及び浴場業営業の停止命令を受けた原告が、石川県公安委員会(処分行政庁)が所属する地方公共団体である被告石川県を相手方として、処分の取消しを求めた事案において、本件処分に先立つ本件聴聞を主宰したMは、警察署長として原告に対する捜査を指揮する立場にあり、本件処分の原因となる事実を認定するための証拠の収集に関与したのみならず、本件処分をすべき旨を上申しているのであるから、本件処分に至る過程で本件に密接に関与しており、本件処分の主宰者に指名される資格を有していなかったとして、本件処分は重大な違法があるとし、原告の請求を認容した事例。
2014.11.18
遺族補償不支給処分取消請求事件
LEX/DB25504760/東京地方裁判所 平成26年9月17日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第133号
原告が、その子であるAについて、T社における過重な労働が原因で、精神障害を発症し、あるいは、同社に就職する前から発症していた精神障害が著しく悪化し、その結果自殺したものであり、当該精神障害が労働者災害補償保険法7条1項1号及び労働基準法75条所定の業務上の疾病に該当するとして、処分行政庁(八王子労働基準監督署長)に対し、遺族補償給付(労働基準法79条)及び葬祭料(労働基準法80条)の各支給を請求したところ、処分行政庁がいずれも支給しない旨の各処分をしたため、原告において、その取消しを求めた事案において、亡Aが本件精神障害を悪化させたこと及びその後自殺したことについては、本件精神障害の状態をもって、「精神障害で長期間にわたり通院を継続しているものの、症状がなく(寛解状態にあり)、または安定していた状態で、通常の勤務を行っていた者の事案」として「業務以外の原因により発病して治療が必要な状態にある精神障害が悪化した場合」には該当しないと解しても、「業務以外の原因により発病して治療が必要な状態にある精神障害が悪化した場合」に該当すると解しても、いずれにしても業務に起因するものであると認めるのが相当であるとし、原告の請求に係る遺族補償給付及び葬祭料をいずれも支給しないとした本件各不支給処分は違法であるというべきであり、取消しを免れないとして、原告の請求を認容した事例。
2014.11.18
労働組合に対する面会要求行為禁止等請求事件
LEX/DB25504759/東京地方裁判所 平成26年9月16日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第2860号
原告(特定非営利活動法人)が、被告らの街宣活動等の行為により、原告の名誉・信用が毀損され、平穏に事業活動を営む権利が侵害された旨主張し、被告らに対し、これら行為の差止めを求めるとともに、不法行為に基づき、連帯して230万円の損害賠償及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件街宣活動等のうち、原告事務所におけるものは、原告の名誉・信用を毀損し、平穏に事業活動をする権利を侵害する違法な行為というべきであって、不法行為を構成する(当該侵害行為を差し止める権利を有している)が、他方、本件街宣活動等のうち、原告理事宅におけるものは、直ちに原告の名誉・信用を毀損し、平穏に事業活動をする権利が侵害されたものとは認められないとした上で、本件街宣活動等のうち原告事務所におけるものの回数・期間、ビラの内容等の態様、本件証拠により認められる諸般の事情を併せ斟酌すれば、原告が本件街宣活動等により被った損害は100万円であると認定するのが相当であるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.11.11
文書提出命令に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」H27.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446727/最高裁判所第二小法廷 平成26年10月29日 決定 (許可抗告審)/平成26年(行フ)第3号
抗告人(特定非営利活動法人)が、相手方らの所持する平成22年度分の政務調査費の支出に係る1万円以下の支出に係る領収書その他の証拠書類等及び会計帳簿である本件各文書について、文書提出命令の申立てをしたところ、原審では、相手方らが主張した本件各文書は民事訴訟法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たると判断し、本件各文書の提出を命じた原々決定を取消し、本件申立てを却下したため、抗告人が最高裁へ抗告した事案で、本件各文書は、「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとして、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、相手方らに対し本件各文書の提出を命じた原々決定は正当であるから、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2014.11.11
損害賠償請求事件(裁判員制度は合憲 福島 ストレス障害訴訟)
LEX/DB25504784/福島地方裁判所 平成26年9月30日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第117号
福島地方裁判所郡山支部で行われた刑事裁判において裁判員の職務を務めた原告が、その職務を務めたことにより急性ストレス障害を発症したとし、その原因は、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律が、裁判員候補者に対して裁判員等選定手続への出頭を義務づける制度を設けて原告に出頭を強制し、その結果、原告が裁判員に選出され、上記刑事裁判の審理に参加して凄惨な内容を含む証拠を取調べ、死刑判決に関与せざるを得なくなったからであり、裁判員法の規定は憲法18条後段、憲法22条1項及び憲法13条に違反するから、裁判員法を制定した国会議員の立法行為は違法であると主張するとともに、最高裁判所裁判官は、最高裁平成23年11月26日大法廷判決において、裁判員制度の推進を図るという政治的目的をもって裁判員法の合憲判断を行い、下級裁判所が裁判員法が違憲であるとの判断を示すことを困難にさせて裁判員法を運用させた違法があると主張し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償の支払を求めた事案において、請求を棄却した事例。
2014.11.11
各生活環境被害調停申請却下決定取消請求事件(シロクマ訴訟)
LEX/DB25504828/東京地方裁判所 平成 26年9月10日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第322号等
我が国に住所を有する個人25名並びにいわゆる環境保護団体及び特定非営利活動法人が、公害紛争処理法26条1項の規定に基づいてした生活環境被害調停の申請に係る公害等調整委員会の本件却下決定1及び本件却下決定2の取消しを求めるとともに、ツバルに住所を有する個人18名及び我が国に住所を有する個人2名が、同項の規定に基づいてした調停の申請に係る公害等調整委員会の本件却下決定3の取消しを求めた事案において、本件各訴えのうち本件却下決定2の取消しの請求に係る部分は、原告適格が認められないとし、訴訟要件を欠く不適法な訴えであるから却下し、本件却下決定1及び本件却下決定3については適法であるとして、原告らの請求を棄却した事例。
2014.11.11
吉本興業株式会社 VS 株式会社講談社
LEX/DB25504786/最高裁判所第三小法廷 平成26年8月26日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1897号等
かつてお笑いタレント業に従事していた一審原告C及び同人が所属していた芸能プロダクションであるY社の親会社である一審原告会社が、一審被告会社が、一審被告Dが編集長を務める本件雑誌に本件記事を掲載する等して販売する等したことによって、一審原告らの社会的評価が低下したとして、一審被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償及び民法723条に基づく謝罪広告の掲載等を求めた事案の上告審において、民事事件について最高裁判所に上告することが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとして、本件上告を棄却し、また、本件を上告審として受理しないとした事例。