2015.03.03
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反被告事件(クラブ「NOON(ヌーン)」事件)
★「新・判例解説Watch」H27.5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
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LEX/DB25505605/大阪高等裁判所 平成27年 1月21日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第705号
被告人は、設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるクラブを経営するものであるが、共犯者と共謀の上、大阪府公安委員会から風俗営業の許可を受けないで、不特定の来店客にダンスをさせ、かつ、酒類等を提供して飲食させ、もって許可を受けないで風俗営業を営んだとして、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反として起訴された第一審判決で、風営法2条1項3号に定める「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」の意義について、形式的にその文言に該当するだけでなく、「その具体的な営業態様から、歓楽的、享楽的な雰囲気を過度に醸成し、わいせつな行為の発生を招くなどの性風俗秩序の乱れにつながるおそれが、単に抽象的なものにととまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められる営業を指す」との限定的な解釈を行った上で、被告人の本件営業はこれに該当しないとして、無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、原判決は、3号営業に対する規制目的を性風俗秩序の維持と少年の健全育成に限定し、他の規制目的を考慮していないと解される点で相当でなく、また、3号営業の解釈自体においても、3号営業に対する事前許可性と両立し難い不適当な基準を定めた点で、法令の解釈適用を誤ったものではあるが、ダンスをさせる営業をその態様を問わず一律に規制対象とすることは合理性を欠くと解釈したことは相当であり、本件公訴事実について3号営業を営んだことに当たらないため犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した原判決の結論は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。