TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(中大研)

掲載日:2014.06.30

平成26年度法人税制改正-生産性向上設備投資促進税制

第3回(最終回) 個別の設備だけでなく生産ラインの改善投資も対象に!

税理士 畑中 孝介

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 前回(第2回)は、「生産性向上設備投資促進税制」の概要と「生産性向上設備等」のうち「①先端設備(A類型)」の適用について解説しました。今回は「生産性向上設備等」のうち「②生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)」と「特別償却額・特別控除額」について解説し、適用関係をまとめます。

②生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)

 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備とは、生産性の向上に係る要件を満たすことにつき経済産業局の確認を受けた投資計画に記載された機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物及びソフトウエアをいいます。
 なお、生産性の向上に係る要件は、投資計画における投資利益率が15%以上(中小企業者等にあっては、5%以上)となることが見込まれるものであることとされています。

 「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の確認スキームは、「先端設備」とは異なっています。まず、設備の導入者は「投資計画案」を作成し「税理士又は公認会計士」に内容の確認を受け、「事前確認書※」を発行してもらいます。設備の導入者は、「投資計画」にその「事前確認書」を添付して経済産業局に申請し、経済産業局は確認の上で証明書を発行します。
 なお、経済産業局の確認は機械の購入前に受けることが必要です。

 ※税理士等の事前確認書については、経済産業省のホームページをご参照ください(企業規模にかかわらず必ず必要ですが、必ずしも監査法人や顧問税理士であることを要しません)。

(4) 特別償却額・特別控除額

 産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までに取得等をした設備等について、以下の特別償却、即時償却又は税額控除ができます。各年度によって限度額が異なるため注意が必要です(税額控除限度額は法人税額の20%)。

①産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成28年3月31日までの間の取得等
 各事業年度において取得等をした特定生産性向上設備等の取得価額の合計額に対して、「即時償却(100%まで特別償却)」又は「5%の税額控除(建物及び構築物については3%)」が受けられます。

②平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間の取得等
 各事業年度において取得等をした生産性向上設備等の取得価額の合計額に対して、「50%の特別償却(建物及び構築物については25%)」又は「4%の税額控除(建物及び構築物については2%)」が受けられます。

  H26.1.20〜 H28.3.31
〈上記①〉
H28.4.1〜 H29.3.31
〈上記②〉
機械装置など 即時償却
または5%税額控除
50%特別償却
または4%税額控除
建物、構築物 即時償却
または3%税額控除
25%特別償却
または2%税額控除

※平成26年3月31日以前に終了する事業年度の投資分については、平成26年4月1日を含む事業年度において相当額の償却又は税額控除ができることとされます。

(出典:経済産業省「生産性向上設備投資促進税制について」)

(留意点)3月決算法人が産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成26 年3月31日までに対象設備を取得等し事業に供用した場合は、その取得年度ではなく翌事業年度(平成27年3月期)において即時償却または税額控除の税制措置を受けることとなる点に留意する必要があります。

(5) 適用関係

 産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間の取得等が対象となります。
 ※指定期間と特定期間

 この制度では、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの期間を指定期間といい、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成28年3月31日までの期間を特定期間といいます。

 安倍政権ではこの3年間を集中投資期間として位置付けており、機械等のみならず構築物や建物付属設備に至るまで即時償却可能という大変大きな税制メリットが生じます。
 ロングタームでの生産性の向上に向けた投資の大きなチャンスだと思いますので製造業のみならず小売・サービス業など多様な業種で税制を経営に生かすという視点で活用を検討いただければと思います。

プロフィール

税理士 畑中孝介(はたなか たかゆき)
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
TKC企業グループ税務システム小委員会委員
TKC中央研修所税制改正プロジェクトメンバー

著書等

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