【IPO】知っておきたい!上場企業に求められる会計とは

第2回 上場企業に求められる会計(引当金/資産除去債務)

更新日 2025.03.17

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公認会計士・税理士 浅井 健吾

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員

公認会計士・税理士 浅井 健吾

新規上場の際には、従来考慮していなかった会計基準にも準拠する必要があります。本コラムでは、上場企業において求められる財務会計のルールの概要を解説いたします。

当コラムのポイント

  • 上場企業において求められる財務会計
  • 会計基準の概要
  • 決算早期化、開示への対応
目次

前回の記事 : 第1回 上場企業に求められる会計(総論/資産の評価)

1.引当金

(1) 概要
 引当金については、企業会計原則にその計上基準(引当金の4要件)が示されており、実務上も「貸倒引当金」、「退職給付引当金」、「賞与引当金」、「債務保証損失引当金」、「製品保証引当金」等、様々な名称の引当金が見受けられます。引当金については、企業の事業内容が多様化・複雑化している点、見積りの要素を含む点等から、会計上論点となることが多い領域です。
 本コラムでは、主たる引当金の概要について解説いたします。その他の引当金についても、当期末までに発生した事象や将来の発生可能性等を総合的に勘案して会計処理を検討することとなります。

(3) まとめ(特に留意するべき事項)
  • ①債権管理体制の構築(与信管理や債権の滞留管理は適切に行われているか)
  • ②退職給付債務の算定の根拠となった従業員情報の合理性(人事マスタ等の情報と整合しているか)
  • ③賞与引当金の根拠となった賞与の支給見込額の合理性(個人別の業績評価等を適切に反映した期末時点の支給見込となっているか)

2.資産除去債務

(1) 概要

 資産除去債務は、有形固定資産の取得や建設、使用の過程で発生する、将来の除去費用見込額を負債として計上するものです。法令や契約で要求される潜在的な債務を財務諸表に適切に反映するためのものであり、例えば以下の様なものが該当します。

  • 不動産の賃貸借契約における原状回復費用
  • 定期借地契約の満了時における建物等の除去費用
  • 自社所有の建物のアスベスト除去費用
  • 自社所有の土地の土壌汚染対応費用
(2) 会計処理

(3) まとめ(特に留意するべき事項)
  • ①資産除去債務の網羅性(自社所有の有形固定資産や賃借物件の一覧に照らして、資産除去債務の計上漏れはないか)
  • ②除去費用の見積りの合理性(工事業者の見積り等、客観性のある見積り金額となっているか)
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プロフィール

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員 公認会計士・税理士 浅井 健吾

公認会計士・税理士 浅井 健吾(あさい けんご)

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員

略歴
公認会計士試験合格後、現PwC Japan有限責任監査法人に入所し、会計監査業務や財務報告体制・内部統制の構築に係るアドバイザリー業務等に従事。
現在は、アスパイア税理士法人の代表として税理士業務を行いながら、上場企業やIPO準備企業の決算支援・内部統制の構築支援等の業務を行っている。
ホームページURL
アスパイア税理士法人

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