2019年7月号Vol.115

【ユーザー事例3】持続可能な財政運営へ、公会計情報を徹底活用

公会計システム > 大阪府大東市

政策推進部財務政策室 課長 川口克仁 氏 / 上席主査 西浦剛平 氏 /主査 福井佑樹 氏 / 宮本浩児 氏 / 白井里奈 氏

住所
大阪府大東市谷川1丁目1番1号
電話
072-872-2181
面積
18.27平方キロメートル
人口
120,508人(2019年4月末現在)
URL
http://www.city.daito.lg.jp/
大阪府大東市

──公会計の活用・推進で、大東市は“全国屈指”の先進団体として知られています。きっかけを教えてください。

川口 以前、下水道事業の法適化を担当したことで、複式簿記・発生主義会計の効果を認識していました。その後、財政課へ戻り、地方公会計に関わることになったわけですが、過去の経験からその推進にはまず職員の意識改革が必要と考えました。要は職員一人一人が市の財政状況を“わが事”として理解するということです。そこで着目したのが「バランスシート探検隊」でした。大東市ではバランスシート探検隊事業を〈地方公会計を管理会計として活用するための研究〉と位置付け、研究報告書を公開しました。個別具体的な施設に着目し、公会計情報を指針として探検することで職員の理解が深まったことに加え、財務書類等だけでは分かりづらい財政状況を市民に広く理解していただくのに役立てました。

活用見据えたインフラの見直し

前列 左から川口克仁課長、西浦剛平上席主査 後列 左から白井里奈さん、福井佑樹主査、宮本浩児さん

前列 左から川口克仁課長、西浦剛平上席主査
後列 左から白井里奈さん、福井佑樹主査、宮本浩児さん

──そうした中、財務会計システムを見直すことになったわけですね。

川口 これまでは財務会計システムと地方公会計の標準システムとを連携させるスタイルで、期末一括仕訳方式により財務書類を作成してきました。
 しかし、公会計情報の活用や業務の効率化を考えると、〈財務会計システムと地方公会計システムの一体化〉や〈公有財産台帳と固定資産台帳のデータ連携〉など新たなインフラの構築が必要でした。これらによりシステム間の整合性を保つことができ、二重入力の手間などからも解放されます。そこで各社のシステムを検討した結果、TKCが優秀だと判断しました。

西浦 希望する要件を満たすシステムであることはもちろんですが、最大の決め手となったのは“人”でした。複式簿記や自治体の業務知識を持つ社員の方がサポートしてくれるのは、やはり心強いですね。システムは4月に稼働したばかりでまだ十分使いこなせてはいませんが、予算編成や予算執行はスムーズに処理できたと感じています。

白井 画面や操作が変わったことで、最初のうちは職員から多くの問い合わせを受けました。最近は落ち着いたので、徐々に使いやすくなっていくだろうと考えています。

宮本 最初のうちは、どうしても以前のシステムとの比較になりがちです。1年間の業務サイクルをこなす中で、「ここは便利になった」と実感するとともに、「もっとこうしたい」という要望も明確になるでしょうね。

福井 「資料作成がスムーズになった」という声は聞きましたね。効率化の点では、手入力など業務のムダをできる限り排除することが大切で、データの取り込み・出力機能のさらなる強化を期待しています。

管理会計としての活用重視

川口 効率化では職員を迷わせないことも重要です。財務会計システムは、正職員はもちろん臨時職員も利用するため、伝票を起票する際に複式簿記の仕訳で悩まない工夫が求められます。これを解決するため、17年予算から〈予算仕訳〉を導入しています。これは複式簿記の仕訳に合わせて歳入・歳出の細節を見直すもので、予算編成の段階で基本的な仕訳を完了しておくことで、起票時に誰でも迷わず仕訳処理が可能です。加えて、日々仕訳方式への切り替えも比較的容易に行えました。
 さらに、日々仕訳に移行したことで、財務書類の作成時間を短縮でき、年度途中で伝票や仕訳を確認できるなど作業の分散化につながると期待しています。予算仕訳を始める前の期末一括仕訳は本当に厳しかったです。

西浦 システム移行を機に、伝票起票の一連の流れの中で固定資産台帳も登録するなど、業務プロセスの合理化に取り組んでいます。このことで職員が公会計を意識する機会ともなり、定着化へ“一歩前進”といえるでしょう。また、啓発の目的で帳票に仕訳情報を表示しているのも本市の特徴です。

──活用に向けた取り組みは?

川口 一例として〈財政調整基金残高の適正化〉に活用しました。具体的には、公会計情報から算出した施設別の減価償却累計額の割合に応じて、積立金の一部を「公共施設等整備保全基金」「市営住宅整備基金」「学校施設整備基金」の三つに振り分けました。減価償却累計額は、将来の財政負担を測るための“ものさし”として使えます。
 今後は管理会計としての活用を強く意識しています。そのベースとなるのがセグメント分析ですね。すでに施設の統廃合が進んでおり、公民連携を積極的に推進しているので、大東市の場合は施設別よりも、事業別セグメント分析を重視しています。
 さらに、事務事業評価への活用も検討しています。例えば、実施計画調書のKPI(重要業績評価指標)の一つに、セグメント分析から導き出した“何らかの単位当たりコスト”を設定し、その達成度合いで事業を評価する──ことを想定しています。加えて、予算の健全性を示す指標として、予算編成の段階でキャッシュ・フロー計算書を作成したいと考えています。これについては、今後の機能強化で対応されるそうなので、実現を心待ちにしています。公会計情報の活用については今後も試行錯誤が続きます。分析資料の充実などTKCのさらなる支援を期待しています。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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