2025.07.01
傷害致死被告事件

LEX/DB25622177/横浜地方裁判所 令和 7年 1月16日 判決(第一審)/令和3年(わ)第1754号
被告人が、社会福祉法人B保育園1階一時保育室内において、C(当時1歳1か月)に対し、その後頭部を鈍体に複数回叩きつける暴行を加え、同人に頭部打撲、頭蓋骨骨折に伴う外傷性くも膜下出血の傷害を負わせ、よって、同人を前記傷害により死亡させたとして、傷害致死の罪で懲役10年を求刑された事案で、本件傷害が本児の死因であるとは認められず、これらの受傷時期を特定できる証拠も見当たらず、出血部位のくも膜下でマクロファージが確認されることから、本件傷害が本児が死亡するより相当以前、具体的には12時間以上前に生じていた可能性もあるとしたうえで、本児に認められる本件傷害が本児の死因であるとは認められず、本件傷害が生じた時期も本児を含む園児と被告人のみが一時保育室にいた時間帯であるとは確定できない以上、その死因が何であるにせよ、被告人が本児にこれらを生じさせた暴行を加えた犯人であるとして有罪とする根拠はないとして、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。