2015.12.15
強盗殺人、窃盗被告事件(祖父母殺害 母の殺害指示認定 少年懲役15年)
LEX/DB25541282/東京高等裁判所 平成27年 9月 4日 判決 (控訴審)/平成27年(う)第174号
少年である被告人が、祖父母方に赴き、祖父に対して借金を申し出たが、祖父がこれを断ったことから、被告人の母親から、祖父母を殺してでも借金をしてくるよう責め立てられていたこともあって、祖母、次いで祖父を殺害し、その後、母親と共謀して祖父母方にある現金等を強取するなどした事案の控訴審において、原審裁判所の訴訟手続には、母親が被告人に対して本件強盗殺人を指示したのに、これを認定しなかった誤りがあり、その結果、少年法55条の解釈、適用を誤り、本件を家庭裁判所に移送しなかった点で、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるという弁護人の主張に対し、被告人の心理傾向や母親の指示が本件強盗殺人を決意するのにかなり影響したことを犯情の評価において相当程度考慮すべきであるとしても、本件強盗殺人が極めて重大な犯行であることからすると、保護許容性は認められないとしてこれを斥け、控訴を棄却した事例。