注目の判例

刑法

2013.09.03
危険運転致死,器物損壊被告事件
LEX/DB25445788 / 神戸地方裁判所 平成24年12月12日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第1226号等
 被告人が、飲酒の影響により前方注視及び運転操作が困難な状態で自動車を運転し、走行中、居眠り状態に陥り、道路左端の外側線付近にいた被害者2名をはね飛ばしてそれぞれ死亡させた事案において、危険運転致死罪の成立を認め、被告人を懲役14年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.09.03
窃盗,建造物侵入,危険運転致死,道路交通法違反被告事件
LEX/DB25445797 / 東京高等裁判所 平成25年 2月22日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第1991号
 被告人が、窃盗を行った後、パトカーに追跡されながら自動車を運転して片側1車線の道路を逃走し、車体の半分を反対車線に進出させた状態で走行して先行車両を追い抜こうとしたところ、自車を対向車両に衝突させた事案において、被告人には、対向車両の通行を妨害する目的があったということができるから、その目的を肯定して、被告人に刑法208条の2第2項前段の危険運転致死罪の成立を認めた原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りはないとした事例。
2013.09.03
わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
LEX/DB25445796 / 東京高等裁判所 平成25年 2月22日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第2197号
 被告人が、日本国外に設置したサーバコンピュータに記録・保存したわいせつな動画データファイルを日本国内の顧客らにダウンロードさせた事案の控訴審において、被告人の行為は刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録等の「頒布」に当たり、被告人らは日本国内における顧客のダウンロードという行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを頒布したのであって、刑法175条1項後段の実行行為の一部が日本国内で行われていることに帰するから、被告人らの犯罪行為は、刑法1条1項にいう国内犯として処罰することができるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.09.03
運転免許更新処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25501464 / 大阪高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (控訴審) / 平成24年(行コ)第104号
 運転免許証の有効期間の更新手続(道路交通法101条1項)に際して、控訴人(一審原告)には、最高速度超過の違反行為があったとして、処分行政庁から、更新後の免許証の有効期間に関し、免許証の更新を受けた者の区分につき、同項にいう優良運転者ではなく、一般運転者に該当するものと扱われ、優良運転者である旨の記載のない運転免許証を交付されて更新処分を受けた控訴人が、違反行為を否認して、更新処分中の控訴人の区分を一般運転者とする部分の取消しを求めるとともに、被控訴人(一審被告。京都府)に対し、優良運転者である旨の記載のある運転免許証を交付することの義務付けを求め、原審が取消請求を棄却し、義務付け請求を却下した事案において、原判決を取り消し、控訴人の請求を全部認容した事例。
2013.08.20
傷害致死、死体遺棄(認定罪名・死体遺棄)被告事件
LEX/DB25500840 / 京都地方裁判所 平成25年 2月 1日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第1327号
 被告人が傷害致死と死体遺棄で起訴された事案において、警察官調書の信用性を否定し、被告人の暴行行為によって死亡結果が生じたとするには合理的な疑いが残るとして傷害致死罪の成立を否定し、さらに被告人の自白には補強証拠がないため暴行罪も認定できないとして、傷害致死の事実については無罪を言い渡し、死体遺棄の事実については、懲役1年6月(執行猶予4年)に処した事例(裁判員裁判)。
2013.08.20
各海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律違反被告事件
LEX/DB25500936 / 東京地方裁判所 平成25年 2月 1日 判決 (第一審) / 平成23年(合わ)第77号
 日本で初めての海賊対処法違反被告事件で、アメリカ合衆国海軍によって拿捕されたソマリア人の被告人2名に対して有罪判決が言い渡された事例。
2013.08.20
準強制わいせつ被告事件
LEX/DB25500971 / 秋田地方裁判所 平成25年 2月20日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第40号等
 高校の部活動の顧問兼監督であった被告人が、生徒4名に対して計7回のわいせつ行為を行ったとされた事案において、被害者らの供述の信用性を認め、懲役3年6月を言い渡した事例。
2013.08.20
強制わいせつ致傷事件
LEX/DB25445758 / 大分地方裁判所 平成25年 6月 4日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第293号
 被告人は、妻の連れ子であるA(当時17歳)に対し、強いてわいせつな行為をし、その間の暴行により傷害を負わせた強制わいせつ致傷の事案において、被告人には、本件犯行時に、関係をうまく築くことができず、被害者の言動に腹立ちを募らせていた被害者への復讐心だけではなく、強制わいせつ罪が成立するために必要な性的意図があったものと認められるとして、被告人を懲役4年6月に処した事例。
2013.08.20
殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反,殺人未遂被告事件(前橋スナックけん銃乱射殺人等事件)
LEX/DB25445733 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 6月 7日 判決 (上告審) / 平成21年(あ)第1640号
 暴力団組員である被告人が、対立する暴力団の元幹部を殺害することを企て、共犯者と共にスナックの店内等でけん銃を発射し、一般客3名を含む4名を殺害したが、上記元暴力団幹部ら2名には重傷を負わせたにとどまった事案の上告審において、被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判決を是認した事例。
2013.08.20
強盗殺人、窃盗、住居侵入被告事件
LEX/DB25501419 / 大阪地方裁判所堺支部 平成25年 6月26日 判決 (第一審) / 平成22年(わ)第5号等
 経営者である被害者夫婦を殺害して遺体をドラム缶に詰めて遺棄し、腕時計等を窃取したという事案において、情況証拠にもとづいて被告人の犯人性を認定したうえで、死刑を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.08.20
現住建造物等放火被告事件
LEX/DB25501418 / 岡山地方裁判所 平成25年 7月 3日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第128号
 刑務所での服役をしようと考え、居住するアパートに放火したという現住建造物等放火の事案において、被告人の動機に酌むべき特段の事情がない量刑傾向をふまえ、懲役6年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.08.06
傷害被告事件
LEX/DB25501344 / 東京地方裁判所 平成25年 4月18日 判決 (第一審) / 平成24年(刑わ)第664号
 被告人女性(当時42歳)が、被害者女性(当時45歳)に対し、その顔面を拳骨で1回殴る暴行を加え、よって、同人に右上眼瞼挫創の傷害を負わせたとして起訴された事案において、被告人のブラウスの首辺りを持って後方へ引っ張り、被告人と被害者が向きあってもブラウスをつかみ続けた被害者の行為は、被告人の身体に対する急迫不正の侵害に当たり、被告人が、被害者の攻撃に乗じて積極的な加害行為に出たとみるべき事情はなく、被告人は本件公訴事実記載の暴行を行ったものの、その行為は正当防衛に当たる疑いが残り、罪とならないとし、無罪を言い渡した事例。