2018.03.13
現住建造物等放火被告事件
LEX/DB25549403/東京高等裁判所 平成30年 2月 9日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第1510号
被告人が、bほか4名が現に住居に使用する鉄筋コンクリート造陸屋根倉庫併用住宅(延べ床面積約141.78平方メートル)に放火しようと考え、同住宅倉庫内で、何らかの方法で点火して火を放ち、その火を同倉庫の木製窓枠に燃え移らせ、前記倉庫併用住宅の一部を焼損(焼損面積合計約0.85平方メートル)したとして、原判決は有罪としたところ、弁護人は、本件放火の犯人は被告人ではないのに、原判決が、被告人が犯人であると認定している点で、事実誤認があるなどとして控訴した事案において、被告人の服装や使用自転車の特徴が特異とはいえず、被告人の居住場所付近で自転車を止めたとはいっても、同所での行動が明らかでない以上、偶然、被告人と似た服装をし、被告人使用自転車と同様の特徴を有する自転車に乗った第三者が、被告人の居住場所付近で自転車を止めた可能性を払拭できず、このほか、原審記録を精査しても、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない、あるいは、少なくとも説明が極めて困難である事実関係を認めることはできないとし、被告人を犯人と認めた原判決の判断は、証拠の評価を誤ったものであり、論理則・経験則等に照らし、著しく不合理なものというほかなく、原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があるといわなければならないとして、原判決を破棄し、被告人に対し無罪を言い渡した事例。





















