2018.02.20
損害賠償請求事件
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LEX/DB25548884/神戸地方裁判所 平成29年11月29日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第1653号
原告D(原告Aの母)は、夫(婚姻関係にある配偶者)から継続的に暴力を振るわれ、離婚の手続を取ることができないまま別居し、夫との婚姻継続中、原告Aの生物学上の父と交際し、原告Aを懐胎し出産し、原告Dは、夫に原告Aの存在を知られることを恐れ、その出生届を提出することができず、原告Aの実父が提出した原告Aの出生届は、夫の嫡出推定が及ぶことを理由に不受理とされ、原告D及び原告Aは、妻や子に夫に対する嫡出否認の訴えの提起が法律上認められていないことから、結果として、原告Aは無戸籍となり、原告B(原告Aの子)及び原告C(原告Aの子)は、原告B及び原告Cは、母である原告Aに戸籍がないため、その戸籍に入ることができず、原告Aと同様に無戸籍となったことにつき、民法774条~民法776条(本件各規定)は、父(夫)にのみ嫡出否認の訴えの提訴権を認めることによって、合理的な理由なく、父と子及び夫と妻との間で差別的な取扱いをしており、社会的身分による差別(憲法14条1項)に該当し、同項及び憲法24条2項に違反していることが明らかであり、国会(国会議員)は本件各規定の改正を怠っており、その立法不作為は、国家賠償法上違法であると主張した原告らが、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、精神的損害に対する慰謝料及び弁護士費用として、金員の支払を求めた事案において、本件各規定についての憲法適合性に関する原告らの主張はいずれも理由がないとし、原告らの請求を棄却した事例。