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2017.11.21
不当利得返還等請求事件 
LEX/DB25547429/東京地方裁判所 平成29年 9月13日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第17843号
被告から建物を賃貸している原告が、被告に対し、その建物の電気料金として原告が被告に支払った電気料金に過払があったと主張して、不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還の支払等を求めた事案において、被告は、原告が被告に支払った電気料金と本件実費の差額分を法律上の原因なく利得し、原告は同額の損失を被ったものというべきであるとし、原告の請求を認容した事例。
2017.11.14
選挙無効請求事件 
LEX/DB25449008/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月31日 判決 (上告審)/平成29年(行ツ)第67号
公職選挙法204条の選挙無効訴訟は、選挙人らによる公職の候補者に対する投票の結果としての選挙の効力について、選挙人又は公職の候補者が上記のような無効原因の存在を主張して争う争訟方法であり、同法の規定で一定の年齢に達しない者につき被選挙権を制限していることの憲法適合性については、当該者が自己の被選挙権の侵害を理由にその救済を求めて提起する訴訟においてこれを争うことの可否はおくとしても、同条の選挙無効訴訟において選挙人らが被選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張してこれを争うことは法律上予定されていないというべきであるとし、選挙人が同条の選挙無効訴訟において公職選挙法205条1項所定の選挙無効の原因として本件規定の違憲を主張し得るものとはいえないから、この点に関する論旨は採用することができないとして、本件上告を棄却した事例(意見がある)。
2017.11.14
損害賠償請求事件 
LEX/DB25449009/東京地方裁判所 平成29年10月17日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第19708号
被告の設置運営する警視庁四谷警察署の留置施設に勾留されていた被疑者である原告A及びその弁護人である原告Bが、被告に対し、原告Aが原告B宛ての信書として発信を申し出た信書について、上記留置施設の職員がその内容を検査した上で一部をマスキングしてこれを発信したことが原告らの間の接見交通権を違法に侵害するものであるとして、国家賠償法1条1項に基づき、原告らが賠償金の支払等を求めた事案において、上記マスキングは刑事訴訟法39条1項及び刑事訴訟法224条2項に反する違法なものであるとし、四谷警察署長及びその指示を受けた留置施設職員は、刑事訴訟法225条1項の文言及び趣旨から、弁護人等に対して発する信書であるか否かはあくまで形式的かつ客観的に判断されるべきであることを容易に了解可能であったといえ、職務上尽くすべき注意義務を怠ったというべきであるとして、請求を一部認容した事例。
2017.11.14
横田基地飛行差止等請求事件(第1事件、第2事件) 
LEX/DB25448974/東京地方裁判所立川支部 平成29年10月11日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第658号 等
横田飛行場の周辺に居住し、又は居住していた住民である原告らが、横田飛行場を航行する航空機の発する騒音を中心とする侵害により身体的被害、睡眠妨害、日常生活妨害や精神的・情緒的被害等を受けているとして、米軍の使用する施設及び区域として、アメリカ合衆国に対して横田飛行場を提供している被告(国)に対し、航空機の離陸、着陸及びエンジンの作動の禁止を求める差止等を請求した事案において、原告らの請求のうち、一部の原告らに対する賠償金の支払を一部認容し、その余の原告らの各訴えを却下し、各原告らによる横田飛行場におけるアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離発着及びエンジンの作動の差止め、及び将来分の請求については棄却した事例。
2017.11.14
 
LEX/DB25547419/最高裁判所第三小法廷 平成29年 9月19日 決定 (上告審)/平成29年(受)第1223号
申立人(原告・控訴人)が不動産を購入するに当たり司法書士である相手方(被告・被控訴人)にその所有権移転登記手続を委任し、相手方において売主が登記義務者本人であることを確認すべき注意義務を負っていたのにこれを怠り、売主と称する者が持参した運転免許証等が偽造されたものであることを看過したことにより、同人に代金を詐取されるなどの損害を申立人に発生させたとして、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき損害賠償金の支払を求めたところ、第一審、控訴審とも請求をいずれも棄却したため、申立人が上告した事案において、上告審として不受理決定した事例。
2017.11.14
損害賠償請求控訴事件
(平成29年 4月26日横浜地方裁判所(平成27年(ワ)第3614号)の控訴審) 
LEX/DB25547421/東京高等裁判所 平成29年 9月20日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第2613号
亡Cの相続人である控訴人(原告)が、亡Cの成年後見人を務めた司法書士である被控訴人(被告)に対し、被控訴人には、金銭消費貸借契約の締結に当たって変動金利方式ではなく固定金利方式を選択した点で、成年後見人の職務遂行につき善管注意義務違反があり、これによって亡C及び亡Cを相続した控訴人に損害が生じたと主張して、不法行為に基づき、賠償金の支払等を求め、原審は、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案において、被控訴人が固定金利方式を選択したことは成年後見人としての財産管理の裁量権の範囲内であって善管注意義務違反はないとし、控訴を棄却した事例。
2017.11.14
損害賠償請求事件
(平成29年 9月20日東京高等裁判所(平成29年(ネ)第2613号)の原審) 
LEX/DB25547420/横浜地方裁判所 平成29年 4月26日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第3614号
亡Cの相続人である原告が、亡Cの成年後見人を務めた司法書士である被告に対し、被告には、金銭消費貸借契約の締結に当たって変動金利方式ではなく固定金利方式を選択した点で、成年後見人の職務遂行につき善管注意義務違反があり、これによって亡C及び亡Cを相続した原告に損害が生じたと主張して、不法行為に基づき、賠償金の支払等を求めた事案において、被告に成年後見人の職務遂行につき善管注意義務違反があったとは認められないとして、請求を棄却した事例。
2017.11.07
法人税更正処分取消等請求事件 
LEX/DB25448977/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月24日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第224号
内国法人である上告人(原告・被控訴人兼控訴人)が、平成20年3月期及び平成21年3月期の各事業年度の法人税の各確定申告をしたところ、刈谷税務署長から、租税特別措置法66条の6第1項(タックスヘイブン対策税制)により、シンガポール共和国で設立された上告人の子会社であるA社の課税対象留保金額に相当する金額が上告人の本件各事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入されるなどとして、平成20年3月期の法人税の再更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分並びに平成21年3月期の法人税の再更正処分を受けたため、被上告人(被告・被控訴人兼控訴人。国)を相手に、本件各処分の取消しを求めた事案の上告審において、上告人は、A社につきA社各事業年度において適用除外要件を全て満たし、本件各事業年度において租税特別措置法66条の6第1項の適用が除外されるから、事業基準を満たさないことを理由に同項を適用してされた本件各処分(ただし、平成21年3月期の法人税の再更正処分については確定申告に係る所得の金額を超える部分及び翌期へ繰り越す欠損金の額を下回る部分)はいずれも違法というべきであるとして、原判決中、主文第1項を破棄し、上告人の請求をいずれも認容した第1審判決は相当であるとし、被上告人の控訴を棄却し、その余の上告を棄却した事例。
2017.11.07
損害賠償請求事件 
LEX/DB25448968/最高裁判所第二小法廷 平成29年10月23日 判決 (上告審)/平成28年(受)第1892号
上告人(未成年者の保護者)が、被上告人(通信教育等を目的とする会社)において、その管理していた上告人の個人情報を過失によって外部に漏えいしたことにより精神的苦痛を被ったと主張して、被上告人に対し、不法行為に基づき、慰謝料の支払等を求め、原審は、漏えいにより、上告人が迷惑行為を受けているとか、財産的な損害を被ったなど、不快感や不安を超える損害を被ったことについての主張、立証がされていないとして、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件漏えいにより、上告人は、そのプライバシーを侵害されたといえるとし、原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、本件漏えいについての被上告人の過失の有無並びに上告人の精神的損害の有無及びその程度等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2017.11.07
新株発行差止仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件 
「新・判例解説Watch」H30.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448950/東京高等裁判所 平成29年 7月19日 決定 (抗告審)/平成29年(ラ)第1332号
相手方(債務者。石油精製及び油脂製造業等を目的とする一部上場会社)の株主である抗告人(債権者)らが、相手方が取締役会決議に基づいて公募増資の方法で行う4800万株の普通株式の発行は「株式の発行(中略)が著しく不公正な方法により行われる場合」(会社法210条2号)に該当し、これによって抗告人らが「不利益を受けるおそれがある」(同条柱書き)として、本件新株発行を仮に差止めるよう求める申立てをしたところ、原審が本件申立てをいずれも却下したため、抗告人らが、これを不服として抗告をした事案において、原決定は相当であるとし、抗告を棄却した事例。
2017.11.07
旅券返納命令及び渡航先制限取消請求事件 
LEX/DB25547177/東京地方裁判所 平成29年 4月19日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第462号
ジャーナリストである原告が、トルコ共和国とシリアとの国境付近に渡航し、現地を取材した上でその成果を発表する計画を有していたところ、外務大臣から旅券法19条1項4号の規定に基づく一般旅券の返納命令を受け、その後、原告が一般旅券の発給の申請をしたところ、外務大臣から一般旅券の発給処分を受けるに当たり、同法5条2項の規定に基づき、その渡航先を本件渡航先とする制限を受けたことから、上記各処分が、いずれも原告の報道及び取材の自由(憲法21条1項)並びに海外渡航の自由(憲法22条2項)を侵害し、外務大臣の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり、また、憲法31条に由来する行政手続法13条1項の規定に基づく聴聞の手続を経なかったものであるから、違憲かつ違法であるとして、その各取消しを求めた事案において、原告の請求を棄却した事例。
2017.10.31
障害年金請求事件 
LEX/DB25448960/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月17日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第44号
厚生年金保険の被保険者であった昭和45年6月、交通事故により左下腿を切断する傷害を負い、平成23年6月、厚生年金保険法47条(昭和60年法律第34号による改正前)に基づく障害年金の裁定及びその支給をそれぞれ請求したところ、厚生労働大臣は、平成23年8月、上告人に対し、受給権を取得した年月を昭和45年6月とする障害年金の裁定をする一方、厚生年金保険法36条(平成2年2月1日より前については平成元年法律第86号による改正前)所定の支払期から5年を経過した障害年金についてはその支給を受ける権利が時効により消滅しているとして支給しなかったことにつき、本件は、上告人が、上記権利の消滅時効は上記裁定の時から進行すると主張して、被上告人に対し、支給されなかった上記障害年金の支払を求めた事案の上告審において、上記支分権(支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利)の消滅時効は、当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても、厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行するものと解するのが相当であるとし、上告人の前記傷害に係る障害年金のうち厚生年金保険法36条所定の支払期から5年を経過したものにつき、時効により消滅したものとした原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2017.10.31
債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25448955/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月10日 決定 (許可抗告審)/平成28年(許)第46号
抗告人が、抗告人の相手方に対する元金及びこれに対する支払済みまでの遅延損害金の支払を内容とする金銭債権を表示した債務名義による強制執行として、債権差押命令の申立てをし、上記債務名義による強制執行として既に発せられた債権差押命令(前件差押命令)に基づく差押債権の取立てに係る金員が、前件差押命令の申立書に請求債権として記載されていなかった申立日の翌日以降の遅延損害金にも充当されるか否かが争われ、原審が債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告を棄却決定したため、抗告人が許可抗告した事案において、本件取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして第三債務者から金員の支払を受けた場合、申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となると解され、原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定を破棄し、本件申立てを却下した原々決定を取り消した上、本件を原々審に差し戻した事例。
2017.10.24
訴訟代理人の訴訟行為排除決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25448947/最高裁判所第一小法廷 平成29年10月 5日 決定 (許可抗告審)/平成29年(許)第6号
破産者T配送サービスの破産管財人である抗告人X2、破産者Tエキスプレスの破産管財人である抗告人X1及び破産者T運輸の破産管財人である抗告人X3を原告とし、相手方株式会社R商事を被告とする訴訟において、抗告人らが、上記各破産者との間で委任契約を締結していた弁護士である相手方Y2及び同Y3が相手方R商事の訴訟代理人として訴訟行為をすることは弁護士法25条1号に違反すると主張して、相手方Y2及び同Y3の各訴訟行為の排除を求めるとともに、相手方Y2から委任を受けるなどして相手方R商事の訴訟復代理人等となった弁護士である相手方Y1の訴訟行為の排除を求めたのに対して出された訴訟行為排除決定に対する抗告審の取消決定に対して許可抗告をした事案において、原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、原々決定中、丁事件につき相手方Y1の訴訟行為の排除を認めた部分は不当であるから、これを取り消し、上記取消部分に関する抗告人X1の申立ては理由がないから、これを却下し、原々決定のその余の部分は正当であるから、原々決定に対する相手方R商事のその余の抗告を棄却し、原々決定に対する相手方Y2、同Y3及び同Y1の抗告は不適法であるとし却下した事例。
2017.10.24
文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25448943/最高裁判所第二小法廷 平成29年10月 4日 決定 (許可抗告審)/平成29年(行フ)第2号
相手方(香川県の住民)が、議員らが県議会の議長に提出した平成25年度分の政務活動費の支出に係る領収書及び添付資料の写しのうち、本件各領収書について、議長の属する地方公共団体である抗告人を文書の所持者として、文書提出命令の申立てをしたのに対し、却下決定が出されたので、これ対する抗告審においてだされた変更決定に対する許可抗告をした事案において、地方公共団体は、その機関が保管する文書について、文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たるというべきであるとし、抗告人が本件各領収書に係る文書の所持者に当たるとした原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2017.10.24
発信者情報開示仮処分命令申立事件 
LEX/DB25547114/東京地方裁判所 平成29年 8月30日 決定 (第一審)/平成29年(ヨ)第1552号
歯科医院を運営する医療法人社団である債権者が、「Googleマップ」という名称の口コミを書き込むことができるサイトを管理・運営する法人である債務者に対し、本件サイトに書き込まれた本件歯科医院の記事により債権者の名誉権が侵害されていると主張し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づく発信者情報開示請求権を被保全権利として、情報の開示を求めた事案において、本件について権利侵害の明白性の要件を一応認めることはできないから、被保全権利があることを一応認めることはできないとして、本件申立てを却下した事例。
2017.10.17
業務上過失致死被告事件 
LEX/DB25448933/東京高等裁判所 平成29年 9月20日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第344号
A社が運営していた天竜川の舟下り事業において、旅客船の運航中に、噴流の発生していた流域を通過する際、噴流等の影響により、舳先が180度右転回したため、船頭が旅客船を上流に遡らせようとしたところ、上流からの強い流れに押されて遡上できずに左岸方向に斜航し、左岸岸壁に旅客船を衝突させて転覆させ、乗船していた乗客4名及び船頭1名の計5名を溺死させたという業務上過失致死の罪で起訴され、原判決は、舟下り事業の安全統括管理者兼運行管理者であったBを禁錮2年6月に、船頭主任及び運航管理補助者であった被告人を禁錮2年6月に、舳乗り船頭であったDを禁錮3年にそれぞれ処し、それぞれに執行猶予4年を言い渡したため、被告人が控訴した事案において、二人の船頭の適切な状況判断や操船があったといえるかはさておき、被告人の立場からは、本件噴流等の影響によって旅客船の舳先が振られ、安全に操船することが困難な状態になったために転覆してしまうことについての現実的な危険性を認識し得なかったものと考えるのが相当であるとし、被告人には本件転覆事故について注意義務違反を認めることはできないとして、原判決を破棄し、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2017.10.17
権利変換計画不認可処分取消等請求事件 
LEX/DB25546955/徳島地方裁判所 平成29年 9月20日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第9号
第一種市街地再開発事業の施行者である原告(市街地再開発組合)が権利変換計画認可申請に対し、徳島市長(処分行政庁)が不認可処分をしたことから、原告が、不認可処分は違法であり、徳島市長は権利変換計画を認可すべきであると主張して、処分行政庁の所属する公共団体である被告に対し、不認可処分の取消しと上記権利変換計画の認可処分の義務付けを求めた事案において、権利変換計画の認可について判断権者たる市長には、裁量が認められるところ、本件処分の理由には合理性があり、本件処分についての市長の判断について裁量の逸脱濫用と認めうる事情はなく、その他の原告の主張する違法事由はいずれも認められないから、本件処分が違法であるとする原告の主張は認められないとし、請求を棄却した事例。
2017.10.17
執行文付与の拒絶処分に対する異議申立て事件 
LEX/DB25546971/東京地方裁判所 平成29年 8月21日 決定 (第一審)/平成29年(行ク)第256号
申立人が、別訴の仮の差止めの申立て事件で、同裁判所がした決定(本件決定)につき、執行文の付与の申立てをしたところ、同裁判所の裁判所書記官から、本件決定に基づく国に対する強制執行はできないとして、執行文の付与を拒絶する処分を受けたことから、民事執行法32条1項に基づき、上記拒絶処分に対する異議を申し立てた事案において、本件決定を債務名義として強制執行をすることはできないから、本件決定について執行文を付与することを拒絶した上記拒絶処分は正当であると判断し、本件申立てを却下した事例。
2017.10.17
決定取消請求控訴事件 
LEX/DB25546970/東京高等裁判所 平成29年 6月29日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第334号
原告(被控訴人)は、N証券のキャピタル・マーケット部従業員らがT社との間の引受契約の締結の交渉に関し知り、その後N証券の機関投資家営業二部営業員がその職務に関し知った、T社が株式の募集を行うことについての決定をした旨の事実について、同営業員から伝達を受けながら、上記事実が公表される前に,自己の計算においてT社の株式200株を売り付けたとして、金融商品取引法175条1項1号、同法166条3項に基づき、処分行政庁から、課徴金6万円を納付すべき旨の決定を受けたのに対し、原告が、本件決定は、法の解釈適用を誤り事実を誤認した違法があるなどと主張して、本件決定の取消しを求めたのに対し、原審は、N証券の営業員が、T社が株式の募集を行うと決定したことや、それが平成22年9月29日に公表されることを知ったとは認められないとして、原告の本件請求を認容し、本件決定を取消したため、被告(控訴人。国)が、これを不服として控訴した事案において、原告について金融商品取引法166条3項に該当する事実はなく、これがあるとしてされた本件決定は違法であるから、被告の本件請求を認容した原判決は結論において相当であるとして、控訴を棄却した事例。