2018.08.07
再審請求事件(日野町事件第2次再審請求開始決定)
LEX/DB25560764/大津地方裁判所 平成30年 7月11日 決定 (再審請求審)/平成24年(た)第1号
被告人が、かねて客として出入りしていた酒類小売販売店経営者(当時69歳)を殺害して金品を強取しようと企て、同店内で、客として飲酒した際、応対していた同女の背後からいきなり頸部を両手で絞め付け、頸部圧迫に基づく窒息により即死させて殺害した上、同女所有の現金5万円及び手提金庫等を強取したとして起訴され、第1審判決は無期懲役を言い渡し、第2審判決も第1審判決に違法はないとして控訴を棄却し、上告審でも上告棄却したことで、有罪を確定した強盗殺人事件で、被告人である申立人が再審請求をしたが、申立人の自白は、その任意性に疑いはなく、信用性も十分あり、さらに、申立人が犯人であることを示すいくつかの間接事実が存在し、また、申立人のアリバイは成立せず、その他、申立人が犯人ではないことを示す事情は存在せず、確定判決の認定した犯罪事実は優に認められ、その他、弁護人の主張をすべて検討しても、これを覆すことはできないとして、再審の請求を棄却したため、申立人が抗告したが、申立人の死亡により終了した。その後、再度、申立人の遺族が請求人として再審請求をした事案において、当審で取り調べた各新証拠が確定審の審理中に提出されていたならば、被告人を本件犯行について有罪と認定するには、合理的な疑いが生じたものと認められ、本件再審請求は、刑事訴訟法435条6号所定の有罪の言渡しを受けた者に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したときに該当するとして、再審を開始する決定をした事例。