2018.12.25
旧取締役に対する損害賠償、詐害行為取消請求事件
LEX/DB25449860/最高裁判所第二小法廷 平成30年12月14日 判決 (上告審)/平成30年(受)第44号 等
Aに対して約37億6000万円の損害賠償債権を有する被上告人が、詐害行為取消権に基づき、上告人Y1に対しては、Aが上告人Y1から株式を代金1億6250万円で購入する旨の契約の取消し並びに受領済みの上記代金相当額及びこれに対する訴状送達の日の翌日からの遅延損害金の支払を求め、上告人Y2に対しては、Aが上告人Y2に1億2000万円を贈与する旨の契約の取消し並びに受領済みの上記贈与金相当額及びこれに対する訴状送達の日の翌日からの遅延損害金の支払を求め、詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務は、詐害行為の取消しを命ずる判決の確定により生ずるから、その確定前に履行遅滞に陥ることはないのに、上告人らの被上告人に対する各受領金支払債務につき各訴状送達の日の翌日からの遅延損害金の支払を命じた原審の判断には、法令の解釈適用の誤りがあるなどとし、上告人が上告した事案で、詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務は、履行の請求を受けた時に遅滞に陥るものと解するのが相当であるとし、被上告人は、上告人らに対し、訴状をもって、各詐害行為の取消しとともに、各受領済みの金員相当額の支払を請求したのであるから、上告人らの被上告人に対する各受領金支払債務についての遅延損害金の起算日は、各訴状送達の日の翌日ということになるとし、上告を棄却した事例。