2019.01.16
請求異議事件
LEX/DB25449875/最高裁判所第三小法廷 平成30年12月18日 決定 (上告審)/平成29年(オ)第1725号
債権執行の申立てをした債権者が当該債権執行の手続において配当等により請求債権の一部について満足を得た後に当該申立てを取り下げた場合、当該申立てに係る差押えによる時効中断の効力が民法154条により初めから生じなかったことになると解するのは相当でなく、このような法令解釈に関する意見(本件意見)は、最高裁平成8年(オ)第2422号同11年9月9日第一小法廷判決・裁判集民事193号685頁(平成11年判決)と相反するから、民訴規則203条所定の事由があるとして、高等裁判所が、民訴法324条に基づき、本件を最高裁判所に移送する旨の本件決定をしたが、平成11年判決は、担保不動産競売の申立てをした債権者が当該競売の手続において請求債権の一部又は全部の満足を得ることなく当該申立てを取り下げた場合について判断したものであって、債権執行の申立てをした債権者が当該債権執行の手続において配当等により請求債権の一部について満足を得た後に当該申立てを取り下げた場合についての本件意見とは前提を異にしているというべきであるとし、本件意見は平成11年判決と相反するものではなく、本件決定に係る民訴規則203条所定の事由はないと認められるとして、本件を最高裁判所に移送する旨の本件決定を取り消した事例。