2020.01.28
相続税返還請求控訴事件
LEX/DB25564618/大阪高等裁判所 令和 1年10月10日 判決 (控訴審)/平成31年(行コ)第25号
平成18年11月8日に死亡したCを相続し、その相続税に係る納税申告(平成20年12月19日)において相続財産である株式の価額を同申告当時の財産評価基本通達に従って評価して納税した控訴人(原告)らが、被控訴人(被告。国)に対し、同申告に係る納税額(控訴人Aにつき3億1872万7000円、控訴人Bにつき848万4200円)と同申告後に改正された同通達の関係部分に従って株式の価額を評価して算出した納税額との差額を被控訴人が保持することには法律上の原因がない旨主張して、不当利得返還請求権に基づき、控訴人Aにおいては6692万0300円及び法定利息の支払を、控訴人Bにおいては106万2800円及び法定利息の支払をそれぞれ求め、これと選択的に、国税庁長官には、上記相続に係る相続税の申告納付期限である平成19年9月10日までに上記通達を改正すべき職務上の注意義務があり、伊丹税務署長には、平成24年3月2日(後述する判決により改正前の通達の合理性を否定する地方裁判所の判断がされた日)までに上記相続税につき減額更正処分をすべき職務上の注意義務があったにもかかわらず、これらの注意義務に違反したことにより控訴人らは前同額の損害を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、前同額の金員及び遅延損害金の支払をそれぞれ求めたところ、原審は、控訴人らの請求をいずれも棄却したことから、これを不服とする控訴人らが控訴した事案で、控訴人らの本件各請求はいずれも理由がないとし、本件控訴を棄却した事例。