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2019.04.09
保有個人情報開示請求事件
LEX/DB25570114/最高裁判所第一小法廷 平成31年 3月18日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1908号
被上告人が、銀行である上告人に対し、被上告人の亡母が提出した本件印鑑届書の情報は個人情報の保護に関する法律2条7項に規定する保有個人データに該当すると主張して、同法28条1項に基づき、本件印鑑届書の写しの交付を求め、原審は、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案において、相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても、そのことから直ちに、当該情報が当該相続財産を取得した相続人等に関するものとして「個人に関する情報」に当たるということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、被上告人の請求を棄却した第1審判決は結論において正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.04.09
強盗殺人、営利・生命身体加害略取、逮捕・監禁、死体損壊・遺棄、窃盗、住居侵入、窃盗未遂被告事件(堺市連続強盗殺人事件)
LEX/DB25570120/最高裁判所第三小法廷 平成31年 2月12日 判決 (上告審)/平成28年(あ)第1485号
被告人が金品を奪って殺害し死体を遺棄しようと企て、商業施設の駐車場で女性(当時67歳)を車に押し込み、車ごと連れ去って現金等を強取し、食品包装用ラップフィルムを頭部に巻き付けて殺害し、山林で死体を焼却するなどし、強取したキャッシュカードで現金自動預払機から現金5万円を引き出し、その1か月弱後に、知人の元会社役員である男性(当時84歳)から金品を奪って殺害しようと企て、同人方に宅配業者を装って侵入し、粘着テープ等で拘束するなどして現金等を強取し、ラップフィルムを頭部に巻き付けて殺害し、その後強取したクレジットカードで現金自動預払機から現金を引き出そうとしたが未遂に終わった事件で、第1審及び控訴審判決は死刑を言い渡したため、被告人が上告した事案で、被告人の刑事責任は極めて重大というほかなく、被告人が反省の態度を示していることなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、本件上告を棄却した事例。
2019.04.09
損害賠償請求事件
LEX/DB25562457/福島地方裁判所いわき支部 平成31年 2月19日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第176号
福島第一原子力発電所(本件原発)の従業員である原告Aの家族らが、被告(東京電力)に対し、平成23年3月11日に本件原発で発生した事故により避難を余儀なくされたと主張して、原子力損害の賠償に関する法律3条1項に基づき、慰謝料、避難帰宅費用の支払等を求めた事案において、原告Aの被告での異動は本件事故に起因するものと推認するのが相当であり、本件事故がなかったとしても被告が原告Aに同様の異動を命ずる業務上の具体的必要性があったことを基礎付ける事情を認めるべき証拠はなく、他にこの推認を妨げる事情を認めるべき証拠はないとし、原告らが、本件事故の発生から平成29年5月31日までの間、居住できず、原告らが有する生活地域内における居住を継続する利益が侵害されたことと本件事故との間には相当因果関係が認められるとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2019.04.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25570113/最高裁判所第一小法廷 平成31年 3月18日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1492号
死刑確定者として拘置所に収容されている被上告人(原告・控訴人)が、拘置所長が定めた遵守事項に違反したことを理由に同所長等から受けた指導、懲罰等の措置が違法であると主張して、上告人(被告・被控訴人・国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求め、原審は、被上告人の請求のうち所長又は職員の指導、懲罰等の措置の違法を理由とする各請求を一部認容したため、上告人が上告した事案で、所長等が、本件各行為が本件遵守事項に違反するとして、被上告人に対してした指導、懲罰等の措置は、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、被上告人の各請求は理由がなく、これらをいずれも棄却した第1審判決は正当であるとし、上記部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.04.02
接見等禁止の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25570108/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月13日 決定 (特別抗告審)/平成31年(し)第113号
傷害致死事件において、被告人が、本件で現行犯逮捕され、勾留、鑑定留置を経て起訴され、原々審は、検察官の請求により、第1回公判期日が終了する日までの間、被告人と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見等を禁止する旨の決定をした。公判前整理手続では、主な争点は責任能力の有無に絞られ、検察官は、完全責任能力を主張するのに対し、弁護人は、飲酒と服用した薬の影響により、被告人に急性の意識障害が生じて、心神喪失又は心神耗弱の状態にあったと主張した。弁護人は、責任能力の鑑定を依頼したA医師及び被告人の妹について、罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由はなく、公判における防御の準備のため接見等を行う必要が高いとして、接見等禁止の一部解除を申請したが、職権発動がされなかったことから、主位的に原々裁判を取消して接見等禁止請求を却下し、予備的にA医師及び被告人の妹を接見等禁止の対象から除外することを求めた準抗告を申し立てたところ、原決定は棄却したため、弁護人が特別抗告を申し立てた事案において、A医師については、特段の事情がない限り、被告人が接見等により実効的な罪証隠滅に及ぶ現実的なおそれがあるとはいえず、また、連日的な集中審理の公判に向けた準備を行う必要性が高いといえ、さらに、被告人の妹ら他の関係者についても、勾留に加えて接見等を禁止すべき程度の罪証隠滅のおそれの有無に関し、原決定が具体的に検討した形跡は見当たらないとして、原決定には、刑事訴訟法81条、426条の解釈適用を誤った違法があるとし、原決定を取消した上、本件を地方裁判所に差し戻した事例。
2019.04.02
最高裁判所裁判官国民審査無効請求事件
LEX/DB25570104/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月12日 決定 (上告審)/平成30年(行ツ)第185号
最高裁判所裁判官国民審査法36条の審査無効訴訟で、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項が憲法15条3項に違反し、最高裁判所裁判官国民審査法4条により上記の者につき審査権を有するものとして行われた最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査は無効であるとして、上告人が上告した事案で、審査人が、最高裁判所裁判官国民審査法37条1項所定の審査無効の原因として、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項の違憲を主張し得るものとはいえないとし、本件上告を棄却した事例。
2019.04.02
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25562304/東京地方裁判所 平成30年12月10日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第18743号
中学時代にいじめを受けた原告は、氏名不詳者において、被告S社、同N社、同K社(いずれも電気通信事業等を営む株式会社)を経由プロバイダとしながら、電子掲示板に原告が上記いじめの被害者である旨の記載を含む各記事を投稿したことにより、原告のプライバシーを明白に侵害されたとして、被告らに対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、上記投稿をした者の氏名又は名称等、別紙発信者情報目録1ないし3記載の各情報の開示を求めた事案で、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、原告の被告S社に対する請求は、別紙発信者情報目録1記載1及び2の各情報の開示を求める限度で理由があるとして、一部認容し、原告の被告N社に対する請求及び原告の被告K社に対する請求は、いずれも理由があるとして、認容した事例。
2019.03.26
損害賠償請求事件
LEX/DB25570097/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月12日 判決 (上告審)/平成30年(受)第269号
統合失調症により精神科の医師である上告人の診療を受けていた患者が、中国の実家に帰省中に自殺したことについて、本件患者の相続人である被上告人らが、上告人には本件患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務を怠った過失があるなどと主張して、上告人に対し、債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求め、原審は、被上告人らの不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容したため、これに不服の上告人が上告した事案で、上告人が、抗精神病薬の服薬量の減量を治療方針として本件患者の診療を継続し、これにより本件患者の症状が悪化する可能性があることを認識していたことを考慮したとしても、被上告人X1からの本件電子メールの内容を認識したことをもって、本件患者の自殺を具体的に予見することができず、上告人に、本件患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務があったとはいえないとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、被上告人らの請求を棄却した第1審判決は結論において是認することができるとし、上記部分に関する被上告人らの控訴を棄却した事例。
2019.03.26
売買代金請求本訴、損害賠償請求反訴事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25570082/最高裁判所第一小法廷 平成31年 3月 7日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1372号
本件本訴は、上告人が、被上告人に対し、売買契約に基づき代金2813万8940円及び遅延損害金の支払等を求めたもので、被上告人は、上告人による債権の仮差押命令の申立てが被上告人に対する不法行為に当たるとし、これによる損害賠償債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張するなどして、上告人の本訴請求を争い、原審は、本件損害賠償債権の額を本件逸失利益等の損害合計1522万4244円とし、本件売買代金債権は本件相殺によりその一部が消滅したと認め、上告人の本訴請求を一部認容したが、上告人が上告した事案で、本件仮差押申立てと本件逸失利益の損害との間に相当因果関係があるということはできないとして、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、別紙記載の部分を破棄し、本件逸失利益以外の本件仮差押申立てと相当因果関係のある損害の有無等について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻した事例。
2019.03.26
衆議院議員小選挙区長崎4区選挙無効確認請求事件
LEX/DB25570067/最高裁判所第一小法廷 平成31年 2月28日 決定 (上告審)/平成30年(行ツ)第171号 等
公職選挙法204条の選挙無効訴訟において、選挙人が、公職選挙法205条1項所定の選挙無効の原因として、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項の規定の違憲を主張し得るものとはいえないとし、本件上告を棄却し、上告審として不受理の決定をした事例。
2019.03.26
報酬支払債務不存在確認請求事件 
LEX/DB25562303/立川簡易裁判所 平成31年 1月24日 判決 (第一審)/平成30年(ハ)第360号
原告(風俗店勤務女性)が、司法書士である被告との間で交わした「風俗店の退職トラブル交渉代理」委任契約中、被告による交渉代理業務なるものは、法律上許されておらず、本件委任契約は無効であり、また仮に有効であるにしても、契約書中にある他言禁止条項は、消費者契約法10条により契約が無効であるとして、原告の交渉代理人である司法書士である被告の要求する成功報酬支払義務のないことを求めた事案で、被告の行為は、もはや法律及び司法書士倫理規定に反する行為に該当し無効であると言わざるを得ないとして、原告の請求を認容した事例。
2019.03.19
損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」財産法分野 5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25570072/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月 5日 判決 (上告審)/平成30年(受)第234号
被上告人(団地建物所有者)が、同じ団地建物所有者である上告人らがその専有部分についての個別契約(電力会社との電力供給契約)の解約申入れをすべきという本件決議又は本件細則に基づく義務に反して上記解約申入れをしないことにより、本件高圧受電方式への変更がされず、被上告人の専有部分の電気料金が削減されないという損害を被ったと主張して、上告人らに対し、不法行為に基づく損害賠償を求め、原審は、被上告人の請求を認容すべきものとしたため、上告人らが上告した事案において、上告人らは、本件決議又は本件細則に基づき上記義務を負うものではなく、上告人らが解約申入れをしないことは、被上告人に対する不法行為を構成するものとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、被上告人の請求を棄却した事例。
2019.03.19
養子縁組無効確認請求事件
LEX/DB25570071/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月 5日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1197号
亡B(亡C及びその実姉の叔父の妻)を養親となる者とし、亡Cを養子となる者とする養子縁組届に係る届書が、平成22年10月に町長に提出された。被上告人(当該実姉の夫)は、平成25年12月に死亡した亡Bの平成22年7月11日付けの自筆証書遺言により、その相続財産全部の包括遺贈を受け、被上告人は、平成28年1月、亡Cから遺留分減殺請求訴訟を提起された。亡Cが平成29年10月に死亡したため、上告補助参加人(亡Cの妻)は、上記訴訟を承継した。被上告人が、検察官に対し、本件養子縁組の無効確認を求めたところ、原審は、被上告人が本件養子縁組の無効の訴えにつき法律上の利益を有しないとして本件訴えを却下した第1審判決を取消して、本件を第1審に差し戻しを命じたため、上告人が上告した事案で、養子縁組の無効の訴えを提起する者は、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、被上告人の訴えは不適法であり、これを却下した第1審判決は相当であるとし、被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.03.19
準強制わいせつ被告事件(医師無罪:患者にわいせつ 患者麻酔で幻覚の可能性)
LEX/DB25562276/東京地方裁判所 平成31年 2月20日 判決 (第一審)/平成28年(刑わ)第2019号
特定医療法人財団病院に非常勤の外科医として勤務する被告人が、執刀した右乳腺腫瘍摘出手術の患者であるAが同手術後の診察を受けるものと誤信して抗拒不能状態にあることを利用し、同人にわいせつな行為をしようと考え、病室ベッド上に横たわる同人に対し、その着衣をめくって左乳房を露出させた上、その左乳首を舐めるなどし、同人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたとして起訴された事案において、Aは麻酔覚醒時のせん妄の影響を受けていた可能性があることなどからすれば、その証言の信用性には疑問を差し挟むことができ、本件アミラーゼ鑑定及び本件DNA定量検査も、信用性に疑義があり、信用性があると仮定してもその証明力は十分なものとはいえないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。
2019.03.12
損害賠償等請求控訴事件(契約社員にも退職金認める 高裁逆転認定)
LEX/DB25562230/東京高等裁判所 平成31年 2月20日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第1842号
第1審被告の契約社員として有期労働契約を締結して東京メトロ駅構内の売店で販売業務に従事している第1審原告P1並びに同業務にかつて従事していた控訴人P2、同P3及び同P4が、無期労働契約を第1審被告と締結している労働者(正社員)のうち上記売店業務に従事している者と第1審原告らとの間で、本件諸手当に相違があることは労働契約法20条又は公序良俗に違反していると主張して、第1審被告に対し、不法行為又は債務不履行に基づき、平成23年5月20日から各退職日と同期間に第1審原告らに支給された本件諸手当との差額に相当する損害金、慰謝料及び弁護士費用の合計額並びに本件諸手当のうち褒賞を除く部分に対応する損害金に対する各支払期日から、慰謝料の支払等を求め、原審は、第1審原告P1の請求のうち不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容したが、その余の請求及び控訴人らの各請求をいずれも棄却したところ、双方が敗訴部分を不服として控訴した事案(第1審原告らは、当審で、選択的に上記有期労働契約に基づき、上記と同額の金員の支払を求める訴えを追加し、第1審原告P1は、請求する差額又は差額に相当する損害金の発生する時期を平成30年4月20日までとし、控訴人P2は、本給の計算に誤りがあったとして、それぞれ請求を拡張する訴えの変更をした。)において、〔1〕第1審原告P1の請求は、66万3793円及び各金員に対する「年月日」欄記載の各日から、うち6万0344円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、〔2〕控訴人P2の請求は、87万8783円及び各金員に対する各日から、うち49万8094円に対する平成27年4月7日から、うち7万9889円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、〔3〕控訴人P3の請求は、67万1935円及び各金員に対する各日から、うち45万0450円に対する平成26年4月7日から、うち6万1085円に対する同年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるが、第1審原告P1、控訴人P2及び同P3のその余の請求はいずれも理由がなく、原判決はこれと異なる限度で失当であるから、第1審原告P1、控訴人P2及び同P3の各請求に係る部分を変更するとともに、第1審被告の控訴を棄却することとし、また、原判決中控訴人P4の請求を棄却した部分は相当であるから、控訴人P4の控訴を棄却し、控訴人P4が当審において追加した選択的請求も棄却した事例。
2019.03.12
損害賠償等請求控訴事件(ユーシン役員報酬に係る株主代表訴訟控訴事件)
「新・判例解説Watch」商法分野 3月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25561837/東京高等裁判所 平成30年 9月26日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第2636号
本訴提起の6か月前から引き続き補助参加人の株式を保有する株主である控訴人(原告)が、補助参加人の平成26年11月期(平成25年12月1日から平成26年11月30日までの事業年度)における被控訴人(被告)Y1の報酬額が平成25年11月期(平成24年12月1日から平成25年11月30日までの事業年度)の8億3400万円から5億7100万円増額されて合計14億0500万円と定められたことについて、被控訴人らには善管注意義務違反等があり、これにより、補助参加人が上記増額分の損害を被ったなどと主張して、被控訴人らに対し、会社法423条1項及び会社法847条3項に基づき、連帯して、補助参加人に対する損害賠償金5億7100万円の支払等を求めた株主代表訴訟で、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人はこれを不服として控訴した事案で、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2019.03.12
河川占用許可等取消請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25561534/広島地方裁判所 平成30年 9月19日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第14号 等
国土交通省の中国地方整備局長がK社に対してした、〔1〕平成26年12月12日付けの、広島市の河岸(本件土地)における船上食事施設(本件施設)の設置に係る河川法24条に基づく土地の占用許可処分(旧占用許可処分)及び河川法26条1項に基づく工作物の新築許可処分の取消しを、〔2〕平成29年3月31日付けの、〔1〕と同様の土地占用許可処分(新占用許可処分)の取消しを、被告(国)に対し、それぞれ求めた事案において、原告Z1、同Z2、同Z3、同Z4、同Z5、同Z6、同Z7、同Z8、同Z9、同Z10、同Z11、同Z12及び同Z13の訴え並びに原告Z14、同Z15、同Z16、同Z17、同Z18及び同Z19の訴えのうち本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分の取消しを求める部分については、不適法であるのでいずれも却下し、原告Z14、同Z15、同Z16、同Z17、同Z18及び同Z19の訴えのうち本件新占用許可処分の取消請求については、棄却した事例。
2019.03.05
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 7月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25570039/最高裁判所第三小法廷 平成31年 2月19日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1456号
被上告人が、上告人に対し、上告人が被上告人の妻であったAと不貞行為に及び、これにより離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったと主張して、不法行為に基づき、離婚に伴う慰謝料等の支払を求めたところ、原審は、被上告人の請求を一部認容すべきものとしたため、これに不服の上告人が上告した事案において、上告人は、被上告人の妻であったAと不貞行為に及んだものであるが、これが発覚した頃にAとの不貞関係は解消されており、離婚成立までの間に特段の事情があったことはうかがわれないとし、被上告人は、上告人に対し、離婚に伴う慰謝料を請求することができないとした。これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、被上告人の請求は、第1審判決中上告人敗訴部分を取消し、同部分につき被上告人の請求を棄却した事例。
2019.03.05
職務上義務不存在確認等請求事件
LEX/DB25562168/大阪地方裁判所 平成31年 1月16日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第74号
被告(大阪市)が設置していた地方公営企業である大阪市交通局の職員として地下鉄運転業務に従事していた原告らが、被告に対し、原告らは、ひげを剃って業務に従事する旨の被告の職務命令又は指導に従わなかったために、平成25年度及び平成26年度の各人事考課において低評価の査定を受けたが、上記職務命令等及び査定は、原告らの人格権としてのひげを生やす自由を侵害するものであって違法であるなどと主張して、〔1〕任用関係に基づく賞与請求として、上記査定を前提に支給された各賞与(勤勉手当)に係る本来支給されるべき適正な額との差額及び遅延損害金、〔2〕国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として、それぞれ慰謝料及び弁護士費用の合計220万円及び遅延損害金の各支払を求めた事案において、平成25年度及び平成26年度に係る原告らに対する本件各人事考課は、いずれも裁量権を逸脱・濫用したものであると認められるところ、本件身だしなみ基準の趣旨目的、本件各考課の内容及びひげを生やすか否かは個人的自由に関する事項であることに鑑みると、本件各考課の内容については、原告らの人格的な利益を侵害するものであり、適正かつ公平に人事評価を受けることができなかったものであって、国家賠償法上違法であると評価するのが相当であるとし、原告らの請求額を減額し一部認容した事例。
2019.03.05
医師法違反被告事件 
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LEX/DB25561598/大阪高等裁判所 平成30年11月14日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第1117号
被告人は、医師でないのに、平成26年7月6日頃から平成27年3月8日頃までの間、タトゥーショップで、4回にわたり、Aほか2名に対し,針を取り付けた施術用具を用いて前記Aらの左上腕部等の皮膚に色素を注入する医行為を行ったことに対し、医師法31条1項1号、医師法17条を適用し、原判決が罰金15万円に処したため、被告人が控訴した事案において、医師に入れ墨(タトゥー)の施術を独占させ、医師でない者のタトゥー施術業を医師法で禁止することは、非現実的な対処方法というべきであり、そのような医師法の解釈は合理性、妥当性を有しないといわざるを得ないとして、原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例。