2020.08.04
私印偽造・同使用被告事件
LEX/DB25566235/京都地方裁判所 令和 2年 6月25日 判決 (第一審)/平成30年(わ)第1288号
被告人は、甲野花子宛ての宅配荷物を受領しようと考え、マンションの一室(当時の)被告人方で、行使の目的をもって、宅配会社の配達員が配達した前記甲野宛の宅配荷物の配達票の受領印欄に「甲野」と記入し、他人の署名を偽造した上、配達員に対し、これをあたかも真正に成立したもののように装い提出して使用したものである」という公訴事実につき、被告人及び弁護人は、被告人が「他人の署名を偽造・使用」したとの部分以外の部分はそのとおり間違いないが、上記甲野花子とは被告人自身を指す呼称であるから、被告人が自己の署名を使用したに過ぎず「他人の署名を偽造・使用」したとはいえないから無罪を主張した事案において、被告人が「甲野」と配達票に署名し、本名を用いなかったことにより、社会通念上、作成者と名義人の人格の同一性に齟齬を来たすものとはいえないから、被告人が、刑法167条1項にいう「他人の署名を偽造した」とはいえないとし、また、署名が偽造でない以上、当然これを使用する行為が偽造した署名を使用したということはできないとして、証明された事実が法解釈上犯罪を構成せず、罪とならないときに帰着するから、無罪を言い渡した事例。




















