2019.11.05
鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求事件
LEX/DB25570506/最高裁判所第一小法廷 令和 1年10月17日 判決 (差戻上告審)/平成29年(行ヒ)第423号
競艇従事員共済会から競艇臨時従事員に支給される離職せん別金に充てるため、市が平成22年7月に共済会に対して補助金を交付したことが、給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法、無効な財務会計上の行為であるなどとして、市の住民である被上告人(控訴人・原告)らが、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、上告人(被控訴人・被告)市長を相手に、当時の市長の職に在った者に対して損害賠償請求をすることを求めるとともに、上告人(被控訴人・被告)鳴門市公営企業管理者企業局長を相手に、当時の市の企業局長及び企業局次長の各職に在った者らに対して損害賠償請求をすること等を、それぞれ求めた住民訴訟で、原審は、上告人市長を相手に当時の市長であったBに対して損害賠償請求をすることを求めた請求並びに上告人管理者を相手に当時の企業局長であったC及び当時の企業局次長であったAに対して損害賠償請求をすることを求めた被上告人の各請求につき、いずれも認容したため、上告人らが上告した事案において、原判決中、上告人市長に対する請求に関する部分は破棄を免れず、当該部分に関する被上告人らの請求を棄却した第1審判決は正当であるから、当該部分につき、被上告人らの控訴を棄却し、また、原判決中、上告人管理者に対する請求に関する部分のうち、怠る事実に係る相手方に対するものとしてAに対して損害賠償請求をすることを求めた請求を認容した部分は破棄し、当該部分に関する被上告人らの請求を棄却した第1審判決は正当であるから、当該部分につき、被上告人らの控訴を棄却し、被上告人らが、上告人管理者を相手に当該職員に対するものとしてAに対して損害賠償請求をすることを求めた請求に係る訴えは不適法であるから、当該請求を棄却した第1審判決を取消し、上記訴えを却下し、これに対し、上告人管理者を相手にCに対して損害賠償請求をすることを求めた請求を認容した原審の判断は是認することができ、同上告人の上告を棄却し、その余の請求に関する上告は、上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので、棄却した事例(補足意見がある)。