2024.10.08
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25620664/東京高等裁判所 令和 6年 4月11日 判決 (控訴審)/令和5年(ネ)第5588号
Z社(破産会社)が被控訴人らを含むファクタリング会社に対して売掛金債権を譲渡したところ、債務者らが供託したことから、破産会社の破産管財人である控訴人(原告)が、被控訴人らに対し、被控訴人(被告)らが既に還付を受けた分については、不法行為又は不当利得に基づき、その取得額及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、還付未了の供託金については、控訴人が還付金請求権を有することの確認を求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したことから、控訴人が控訴した事案で、破産会社が被控訴人らに譲渡した本件債権にはいずれも基本契約において譲渡禁止特約が付されていたところ、被控訴人らは自らのファクタリング会社としての知識や経験を踏まえ、本件債権について譲渡禁止特約が付されている可能性が高いことを認識していたのであるから、破産会社に対して譲渡禁止特約の有無を確認してしかるべきであり、そうすれば、譲渡禁止特約の存在が明らかとなったにもかかわらず、被控訴人らは、こうした極めて容易な確認作業を行うことなく、漫然と破産会社から本件債権の譲渡を受けたものであり、譲渡禁止特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失があったというべきであるし、供託金の還付を受けたことについて少なくとも過失があったと認められるから、不法行為に基づき、控訴人が受けた損害について賠償義務を負うというべきであるところ、控訴人の請求を棄却した原判決は失当であるとして、原判決を取り消したうえ、控訴人の請求をいずれも認容した事例。