2020.05.19
監護者性交等被告事件
(令和2年3月11日福岡高等裁判所判決(令和1年(う)第282号)の原審)
(令和2年3月11日福岡高等裁判所判決(令和1年(う)第282号)の原審)
LEX/DB25565178/福岡地方裁判所 令和 1年 7月18日 判決 (第一審)/平成30年(わ)第716号
被告人は、養女であるA(当時14歳)と同居してその寝食の世話をし、その指導・監督をするなどして、同人を現に監護する者であるが、同人が18歳未満の者であることを知りながら、被告人方において、Aを現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて同人と性交をしたとして、監護者性交等の罪で懲役9年を求刑された事案で、A証言は、本件公訴事実に係るものを除く性交被害に関し、にわかに信用し難い内容を含むうえ、本件性交被害自体についても、その信用性に疑いを抱かせる内容が含まれ、被告人に不利益な虚偽供述の動機も否定し難いことから、これを根拠として本件公訴事実を認定できるだけの信用性を備えるものとまで評価することはできず、また、その他の証拠を検討しても、被告人が本件公訴事実の期間内にAと性交をしたことを認めるに足りる証拠は見当たらないから、本件公訴事実については、合理的な疑いを超えた証明がされたとはいえないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。